勝部如春斎は1721年西宮生まれ、原在中は1750年京都生まれ。今回の展覧会では如春斎と原在中を中心に、江戸時代の絵師達による仏画が紹介されています。
左が原在中、右が勝部如春斎
最初の部屋には西宮・茂松寺に本人より寄進された勝部如春斎「三十三観音図」(1763年頃)33幅がずらり。これは、現在「東福寺」展で公開されている明兆の「三十三観音図」(1412年)の図様を忠実に踏襲したものです。狩野派ならではの水墨山水の描写があるらしいのですが、知識不足で分からず💦
三十三観音とは、観世音菩薩が衆生済度のための三十三体に変化した姿です。一幅に一観音の絵が描かれていて、画面上には観音、下にはその観音が現れる時の状況が描かれています。
全然知らなかったのですが、三十三というのは観音信仰において重要な数なのですね。西国三十三所巡礼は観音霊場巡りで、京都の三十三間堂も観世音菩薩が千体近く安置されているお堂。意味が分かると、なるほど〜!という感じ。一つの部屋に観音像が三十三幅展示されているというのはなかなかの眺めでした。
また、一休寺に伝わる原在中の「涅槃図」もあり、大きな絵をガラスケースなしでじっくり見ることもできました。
別の部屋に「野菜涅槃図」もあり、こちらは可愛かった。入滅する釈迦が大根でした☺️
二つ目の部屋には、一休寺に伝わる原在中「三十三観音図」(1793年)33幅がありました。如春斎を見た後だから分かりますが、明兆の図様を忠実に踏襲しつつもやまと絵風で少し華やか。色も多いです。
誕生仏。なんだか可愛い。
その他の部屋には江戸時代の他の絵師による仏画があり、私は清原雪信や紀広成、田能村竹田の仏画が好みでした。
観音菩薩のことを少し知れたので満足。作品リストに仏教画題の解説が載っていて勉強になります。東福寺展は時間もないしやめておこうかな、と思っていたのですが、明兆を模写した作品を見たら興味がわいてきてしまいました。どうしようかな。
#という感じで、足を運ぶ展覧会が増えていく😅
📝 三十三観音 (作品リストより)
『法華経』普門品の説く三十三身に基づき、俗信(民間に伝えられてきた)観音を33体並べたもの。観音が衆生救済(生きとし生けるものを救う)のために変じた、三十三の姿を表現する。