【演目】「文山賊(ふみやまだち)」「伊文字」「仁王」
【出演】野村万作、野村萬斎、野村裕基ほか
映画「陰陽師」を見てから、いつか見たいと思っていた野村萬斎さんの舞台。兵庫芸文で上演することを知り、観に行ってきました!初めての狂言鑑賞です。
着物をお召しになった素敵な方々が会場にちらほら。舞台は能舞台に整えられ、わくわくが高まります💓
狂言の前に野村萬斎さんによる20分の解説があり、見所や注目すべき台詞を教えてもらえるので、台詞がよく耳に入りました。
#萬斎さん、お話上手でいいお声でした✨
「安心してください、狂言では人は死にません」の言葉通り、コメディで大円団が約束されているので、純粋に楽しんで見ました。会場のあちこちから、お芝居の間中、くすくす笑う声が溢れていて、とにかく楽しかった!お芝居の合間に謡が入るのですが、「ミュージカルのように突然歌い始めます」と。なるほど。わかりやすいです。この謡がとても心地よく好みでした。
滑稽味の強い芸能だから、庶民に近い芸能として育ってきたのかと勝手に思っていたのですが、それは間違い。萬斎さんのお話にちらっと出てきたのですが、室町幕府以来、能と共に武家政権に庇護されてきた芸能であった為、登場人物がやたらと教養に富んでいます😅 「文山賊」の山賊は、どう考えても百姓崩れのはずなのに、武家の男性・女性の手紙の書き方まで知っていたりします。そもそも、矢立(文房具)を持ち歩いている時点で山賊としては妙です🤭「伊文字」では和歌がなければ話が進みません。
観客が知識人層だから、その教養に合わせたお話になってるんだなぁ、と気づきを得ました。
とても楽しかったので、また行きたいです。舞う萬斎さんが見てみたい。舞踊がメインの演目(あるのかな?初心者なのでそれも分からない💦)も見てみたいです。
📝備忘録 かなりざっくりのあらすじ
「文山賊(ふみやまだち)」
山賊二人が強盗の失敗を押し付けあって争っているうちに、流れで果たし合いになるが、臆病な二人で場が進まない。誰にも知られず死ぬのは虚しい、それなら遺書を残そう!という話になり・・というお話。
「伊文字」
主人公がお嫁さんが欲しいと清水の観世音に願掛けをして夢でお告げを受ける。お告げ通りの女性は見つけたが、その女性が和歌にのせて伝えた肝心の住まいを聞き逃してしまう。手がかりは下の句の最初の「い」だけ。困り果てた主人公と従者は関を作って道行く人に下の句を考えさせようとするが・・というお話。
「仁王」
博打うちが借金で首が回らなくなり、旅に出る前に知人に挨拶に来た。知人は、主人公に仁王のふりをして、参詣人から供え物を騙し取ることを提案、うまく騙し取ることに成功する。そこへ新しい参詣人がやってくるが、この参詣人がやっかいで・・というお話。