口コミサイトに掲載された悪評の削除申請が棄却された | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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 レストランの口コミサイト【食べログ】を利用している人はたくさんいるだろう。

 

利用者にとってせっかくの外食、コスパは見合うか、雰囲気はどうか、初めて行く店であればあるほど関心が高いはずだ。

 

他方、店にとっては、そこに悪評が載ってしまうと、初めての利用者ががぜん遠ざかってしまう事態になる。実際、同じ店でも人によって好みにあうあわないもあるので、その載せられている評判が万人にぴったり当てはまるとは限らない。

 

 【食べログ】に「料理が出てくるのが遅い」「おいしくない」という口コミを書かれ、その後に来店者が激減した飲食店が、カカクコムに投稿の任意削除を申し入れたが、応じてもらえなかったため、20135月に、カカクコムに投稿の削除と損害賠償を求める裁判を、札幌地裁に提訴した事件がある。

 

 http://www.j-cast.com/2013/05/09174764.html?p=all

 

 2014/9/4札幌地裁は、「この削除要求を認めれば、他人の表現行為や得られる情報が恣意的に制限されることになり、到底容認できない」と、削除要求を棄却した。早速、最高裁ウェブサイトに判決文がUPされている
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/462/084462_hanrei.pdf
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/560959.html

 

 【食べログ】をめぐっては、店が知る人ぞ知る形で運営したいのに勝手に掲載されたという理由で情報削除を求める裁判が大阪(進行中)や佐賀(カカクコムが提訴後に掲載を取りやめて和解解決)で起きている。

 

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140307/waf14030714360029-n1.htm

 

 

 

 【食べログ】には匿名ゆえのステマも存在するという指摘もけっこう載せられている。
 とかくいまのプロバイダ責任制限法は、表現の自由を重視するのは結構だが、載せられた人にとってやたら削除に手間がかかるのは、実際に削除作業をやってみて感じることだ。司法に個別救済を委ねる前に、もっと柔軟に使いやすい法律に改正してほしいものだ。

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