音楽コンテンツ自体に今どれだけの経済的価値が残っているのか | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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違法DLとCD売上激減の因果関係、というよくある販売者(≠音楽著作者)の意見をとりあげようと思ったわけではない
 http://blogos.com/article/71227/

 邦楽レジェンドである山下達郎と桑田佳祐の間ですら、今や「CDに握手券を付けずに売上を伸ばすには」という話題がのぼっているのだhttp://news.livedoor.com/article/detail/9253067/

 象徴例として、平成26年8月、金爆が「ローラの傷だらけ」というシングルで、特典商法(=ジャケットは真っ白・通常盤のみ・握手券など特典一切なし)無しの新曲発売を実践してみた。その結果、初動売上が前作の3分の1以下に落ち込むという結果になった。
 鬼龍院翔は「もし特典で握手券つきの無音CDつまり音楽無しの特典だけを販売していたら、特典により前作の3分の2は売れていたのではないか」と自虐的だけど分析的な感想を披露している。
 http://www.musicvoice.jp/news/20140827017487/
 つまりミュージシャンのファンにとって、創作されるミュージックよりも握手券などの特典のほうが今やはるかに対価に値する魅力ある商品となっているわけだ。

  そんな折、平成26年9月、世界のU2がアップルのituneで、1ヵ月限定ながら、新作アルバムの無料配信に踏み切った。
 Ipodを持っているファンは、U2の新作音楽を入手する際に対価を支払う必要がないという、全世界規模の実験が今いとまれているのだ。
http://japanese.engadget.com/2014/09/10/u2-songs-of-innocence-itunes/

 実績や売上やクオリティの上で、U2に肩を並べるミュージシャンは全世界にも10組もいないと思う。そんなU2が何と少なくともファンから直接1円も受け取らない格好で音楽作品を提供してしまった(同じことは殿下が数年前から既にやっていたのだが、さすがに全世界規模でやってはいない)。
 売上や実績やクオリティにU2に及ばないほとんどのミュージシャンは、ファンからお金を受け取らないU2のこの行為をどう消化すればよいのか。音楽コンテンツの持つ経済的価値は今どれほど残っているのか、連休中にふと考えてしまったのである。
 なお、下に紹介した↓↓エッセイは、視点を音楽に限定しなかったことが俯瞰的で、すごく面白かったので一読を薦めます
     「音楽でメシを食えない時代って、不幸なの?
http://blogos.com/article/51126/?axis=b:2102

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