だまされる弁護士 | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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福岡若手弁護士のブログ「ろぼっと軽ジK」は私です。交通事故・企業法務・借金問題などに取り組んでいます。実名のフェイスブックもあるのでコメントはそちらにお寄せ下さい。

 ここ1か月内に弁護士が依頼者に梯子を外されたケース2つが、マスメディアで話題にのぼった。
1つは三木秀夫弁護士と小保方晴子氏の論文撤回
http://mainichi.jp/select/news/20140604k0000e040225000c.html
もう1つは佐藤博史弁護士と片山祐輔被告人のPC遠隔操作事件
http://www.sanspo.com/geino/news/20140523/tro14052305020004-n1.html
 特に後者はわずか2か月前に華々しく記者会見などで検察批判を被告人本人と弁護人が繰り返していたことが繰り返し報道されたので
 http://www.xanthous.jp/2014/03/06/pc-remote-control-jiken-released-on-bail/
 反動で「弁護人、乗り過ぎたからや」という批判もなくはない
http://www.j-cast.com/2014/05/21205376.html?p=all

 しかし、実務に入るとつくづくわかるのだが、法律家が仕事しながら「人からだまされない」で一生やり過ごすのは、能力に関わらず極めて難しいことなのである。
 伊藤栄樹もと検事総長のエッセイに「だまされる検事」「まただまされる検事」という2冊がある。検事総長まで登り詰める人でも、1冊で終わらないくらい、タイトルにしたくなるくらいだまされるエピソードがあるわけだ。http://shihouwatch.com/archives/6224
 
 卑近な例だが、福岡の萬年浩雄弁護士も《弁護士だからできること》という著書の中で「騙される弁護士」「騙されていいじゃないか」という2つのタイトルのエッセイを書いている。
 弁護士が人を騙すのは違法だが(そういう懲戒例も幾つもある)、人に騙されるのは単純に能力不足というべきではなさそうである。

  人がなぜうそをつくのかというテーマについては、いくつか本があるので興味がある人は1冊でも手に取ってもらうとよいだろうが、
平気でうそをつく人たち(スコットペック著)】
人はなぜ騙すのか(山本幸司著】
人はなぜウソをつくのか(斎藤勇著)】
ウソをつく力(赤塚行雄著)】
  今回の2つのケースは、法律家に、人から騙されることが避けられないのなら、、、《その場面でどう心を整えるのがよいか》を考えさせてくれる。
 羹に懲りて膾を吹く人もいるだろう、火傷火に懲りずの人もいるだろう、それぞれの人生観でどれを選択するかは違うだろうが、苦い経験で法律家として成長するならば決してマイナスではないというべきなのだ。
 喩はヘンテコだが、大リーグボール1号が打たれなければ大リーグボール2号を星飛雄馬が生み出すことはなかっただろう、大リーグボール2号が打たれなければ大リーグボール3号を星飛雄馬が生み出すことはなかっただろう。
  人から騙されるということは、人生が日々修練であるならば、ルーティーンではありえない飛躍的な成長をもたらす糧なのだと、われわれ法律家は受け止めるべきなのだと思うのだ。
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