中小企業における消費税引き上げに関する緊急調査in福岡 | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

福岡若手弁護士のブログ「ろぼっと軽ジK」は私です。交通事故・企業法務・借金問題などに取り組んでいます。実名のフェイスブックもあるのでコメントはそちらにお寄せ下さい。

福岡商工会議所ニュース2013年7月号で2頁にわたり特集されていました。その統計概容は次のとおりです↓
http://www.fukunet.or.jp/report/pdf/130704_shohizei.pdf

第1、消費税率引き上げが経営に与える影響の予測
 ①経常利益の減少(25・7%)②売り上げの減少(24・7%)③受注件数の減少(8・5%)
 ⇒5割強が経営への悪影響ありと見込んでいます。

第2、消費税率引き上げに向けた各社対策
 ①コスト削減(42・8%)②販路拡大(38・7%)③取引先への価格転嫁(38・4%)④レジ経理ソフト請求書領収書など購入の費用負担(36・2%)⑤消費税の表示方法の工夫(28・1%)⑥新商品や新サービスの開発(16・1%)
 ⇒④は、例えば平成26年3月に販売した商品を平成26年4月に返品処理する場合消費税率は5%だけど、平成26年4月に販売した商品を平成26年4月に返品処理する場合は消費税率は8%になるので、会計ソフトでは売上時点の情報をずっと保有しておかないといけなくなるわけで、そのための会計ソフト改訂費用が発生するという意味だそうです(経営コンサルから教えてもらいました)。
 そもそも利益や売上が減少している中で②⑥はたぶん絵に描いた餅ですよ。とすると多くの企業がとるだろう対策は①⑤かと。

第3、③価格転嫁が実際にできそうか?
 全て転嫁できる(32・5%)、分からない(27・7%)、十分な転嫁はできないだろう(37・8%)
  ⇒業種別に分類すると、卸売業では全て転嫁できるの割合が45・9%なのに対し、小売業では十分な転嫁はできないの割合が50・0%なのは興味深いです。あと売上の大小とも関連しているようです。

第4、十分に転嫁できない理由は何か?
 ①競争が激しい(56・9%)②景気の低迷(40・9%)③取引先との価格交渉が難しい(23・2%)④商品によって転嫁の難易に差がある(19・3%)。

第5、十分に転嫁できなかった場合の対策
 ①人件費以外のコスト削減(54・2%)②納税資金確保のため新たな資金繰り(31・7%)③役員報酬の減額(31・4%)④設備投資の縮小中止(16・9%)⑤従業員給与の減額(16・0%)
 ⇒②とか明らかに本末転倒ですよ、売上減のために消費税納税資金を内部留保から獲得できない様子がもう見えてるんでしょうねえ。また、そのほかの要素から消費税率引き上げがスタグフレーションの引き金になることまで見えてしまいました。

第6、転嫁を十分できるために希望する行政施策
 ①消費税引き上げ分の価格転嫁を促すよう各種業界への行政通達の発出(51・0%)②外税方式の恒久化(50・2%)③優越的地位を利用した不公正取引の取締強化(43・6%)④マスメディアによる消費者向け広報の励行(31・9%)
 ⇒①③は自分の売値もあがるけど他社からの買値も同時にあがること、気づいて回答しとるんかな。転嫁が十分に出来ても売上減少は止まらないことは直視した対策を講じておく必要があるよね。

第7、10%引き上げ時における軽減税率の導入の賛否
 賛成(38・4%)反対(35・1%)分からない(26・5%)

ご承知のとおり、平成26年4月(あと半年強)に8%に、平成27年10月(あと2年強)に10%に消費税率がUPされる見込です。
 日本経済は中小企業に支えられており、このところの円高インフレに悩まされている中で、トリプルパンチとなってしまうおそれがあります。
   決定的な対策はないし、相応の悪影響は避けられないようだけど、PDF3~4頁を読んで、しかるべき予測を立てて対策を講じておくことが大事ですね。

 ↓ランキング参加中、更新の励みになります、1日1回応援クリックを
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村