#706 【マニアな一基】東電PG下富線No.甲の一/乙の一,下富変電所 | 関東土木保安協会

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埼玉県所沢市。
日本の航空発祥の地として知られるこの地は、航空公園や米軍施設など面白い施設がいくつもありとても楽しい街です。
そんなこの地で、県道6号線を川越方面へ走ったところに面白い変電所があります。
下富変電所というようです。

▲下富変電所外観

見てびっくりですね。すごいです。緑色の変電所です。
鉄塔も緑色です。
緑も、深い緑でなく黄緑系で、明るい爽やかな緑色です。
引き込みの鉄塔が美化鉄塔であることはよく見ますが、変電施設を見ると、無機質そのものであったりします。
ここは鉄塔も建屋も緑色で揃えてあって、とってもお洒落ですね。

▲モノポールと鮮やかな配色が目を惹く

66kV2回線の膝折線から分岐した下富線が引き込まれます。
GW無しのモノポールが2本、最もシンプルな引き込み鉄塔の一つでしょう。
勿論鉄塔番号は甲乙表記です。
17mの小柄な体ながら、腕金と鉄塔下半分の配色を変えることでしっかりと美化柱らしさをアピールしています。

▲下富線甲の1/乙の1(1998/4,17m)

変電所の建屋は飾り窓などから東電によくある外側4辺だけの囲いのようです。
しかし、塗装でこれだけイメージが変わるものなんですね。
庇は鉄塔と同色、壁面はさらに2分割でトリコロールカラーです。
誰がやろうと言ったのでしょう。
単純なように見えて、個性的で素敵です。

▲変電設備は東電仕様のいつものプレハブに覆われている

さらに外構のフェンスもとても凝ってるんですよ。
山々をイメージしたような緑の模様が描かれています。
思えば、この周辺は有名な狭山茶の産地で、この変電所も茶畑に囲まれています。
場所は所沢なんですが、狭山茶をイメージして緑色やフェンスの塗装を選定されているのかもしれないですね。
ちなみにフェンスは道路側が中心で、この辺りコストには堅実な一面も垣間見え、見ていてにやついてしまいます笑。

▲茶畑を思わせる塗装

反対側へ来ました。
ケーブルヘッドがありますが、片回線につき2組出ています。
どうやら下富線のほか、たむぅさんのサイト鉄塔中毒によると、この北にある工場の需要家にも分岐しているようです。

▲ケーブルヘッドは12本出しで2系統に分岐

お茶畑と環境調和型の変電所。
いつも見ている設備でここまでスマートに、またここまでお洒落にできるものなんだと思い知らせてくれます。
ご当地ナンバーが流行っていますが、変電所の壁面も地域にとっては有益な広告塔になりうるのではないでしょうか。
各所で壁面に何かデコレーションするのが流行ったりすると、面白いかもしれませんね。


お茶畑と共に、今日も癒しのアースカラーを地域に振り撒く、そんな下富変電所でした。


〈参考〉