#704【マニアな一基】 東電PG領家線No.7 ~3回線引き下ろし鉄塔~ | 関東土木保安協会

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賑やかだった領家線No.1鉄塔。
領家線は領家変電所までを結ぶ比較的短い送電線です。
追っていくと、No.7鉄塔が最終鉄塔で、ここで地中引き込みされてしまいます。
この鉄塔が3回線を引き下ろす、また面白い引留鉄塔でした。

▲領家線No.7(2011/7,59m)

3回線の鉄塔自体が少数派なのですが、ここはその3回線の専用として建てられ、3回線を地中引き込みしています。
結構希少な鉄塔かなと思います。

▲見慣れない形状だ

航空法を意識してかしっかり60m未満で抑えています。
すらりとしていて、結構高い鉄塔です。
以前の鉄塔は古い鉄塔だったようで、ストリートビューで当時の姿を見ることができます。
建替では、これ以降No.11まであった鉄塔は全て撤去されてしまい、跡地はどこかもわからないほど綺麗になってしまったようです。

▲背は高いが60Mには届いていない

ところで、領家線No.1でも触れていた、下段の京セラ川口線という電線路です。
京セラ川口というのが、川口市領家5丁目にあった京セラケミカルの工場を指していたようです。
元を辿ると東芝ケミカル株式会社で、2002年に京セラケミカル株式会社に社名変更し、後に京セラに吸収されたという話です。
現在は跡地には物流倉庫が建設されており、高圧受電のようです。
そのためジャンパ開放で残置なんですね。
後々の周辺における特高需要家が現れた時のために残しているのでしょうか。

▲京セラ川口線はここでもジャンパ開放だ

こういうの前にも見ましたね、片寄鉄塔の小松台線です。
あそこも工場だったのに物流倉庫になってしまい、設備は新しいながら遊休設備になっていました。


それにしても、この鉄塔も建替後僅か数年で工場が廃止となったようで、いささか勿体無い鉄塔ではあります。
今送電線はどこまで引かれているのでしょうか。

▲どこまで続いているのか

さて、道中にあった領家線を見てみます。
この子、No.2は領家線の下相をバランス耐張化し、京セラ川口線も何やら逆ドナウ配置のような特殊な配列で支持しています。
こちらも古い鉄塔で、かつ特徴があり見ていて飽きません。

▲領家線No.2(1957/6,29m)

碍子と腕金との間に棒があり支持箇所を延長しているようです。
特徴がある上に特殊ですね。

▲最下相の碍子連と鉄塔の接続が独特だ

ここら辺は、区間は短いですが領家線の古い鉄塔が並び、まだまだ天国が続きそうです。
古めかしい鉄塔と低層の建物。
いい風景です。





<参考>
・送電線を追って : 鹿浜線その2