#555 【一塔両断】 NTT東日本 美しが丘ビル | 関東土木保安協会

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関東土木保安協会です。
よくみるとレンズにゴミが。
もう替え時ですね。


神奈川県横浜市青葉区のあざみ野駅から、県道13号線を北西へ進むと鮮やかな紅白の鉄塔が目に入ってきます。
NTT東日本の美しが丘ビルです。

▲NTT東日本美しが丘ビル

少し古めかしい幹線道路に、スタンダードな電話局様式で立つその姿、個人的には、まさに近代日本の原風景だと映っております。

▲ごくごく一般的な電話局の面持ちだ

比較的最近になって鉄塔を塗り直したのでしょう。
鮮やかな紅白のコントラストに包まれ、本当に美しいですね。
青い空に紅白カラー、昼間障害標識が魅せるトリコロールのタッチです。
年を経ると、だんだんと朱色が褪せてきて、なんともみすぼらしい雰囲気になってきてしまいますが、ここは違います。

▲塗装がやれていないので綺麗だ

建物南側の壁面には何やら耐震補強のブレースらしき鋼材があります。
Kトラスを重ねたような形です。
後からつけたのでしょう。

右下には発電機の排気口のようなものも見えますが、このビルには建物裏手にも屋上で吐く排気管があります。
ただ、一般的な排気管の取り回しでは、屋上辺りから吐くように設けるので、裏手のものが排気管だと思います。
この右下の排気口らしきものも実は発電機の排気管なのかもしれませんが、この位置では歩行者にもろにかかりあまりよろしくありません。
恐らく場所的に地下のとう道などの換気口かと思いますが、どうでしょうか。


トラス構造の四角鉄塔。
八角形の架台。
電電公社直系のスタンダードスタイル。よいプロポーションです。
CIである右下のダイナミックループも添えられてなんとも凛々しいお姿、完璧ではないですか。
望むべくは、基地局ではなくマイクロ波アンテナの搭載と、電電公社マークへの交換、なんて。

▲誇らしげにCIを掲げたビル

建物裏手に行くと、案外窓があるのですが、こちらの道路側は一面壁です。
無機質な人気がない雰囲気、まさに電話局。

▲道路側は殆ど窓がない

マイクロ波通信網は盛衰をたどり、今では鉄塔など全て撤去されてていいような時代なのですが、多くの鉄塔には携帯電話基地局としての役目が付加され、電波塔存続の理由になっています。

▲黒い導波管が現役の証

これからも末永く大事にされてほしいものです。