11月９日ですが、ドイツでは"Schicksalstag"(運命の日)なんて、呼ばれたりもしています。
というのも、
ドイツで、11月９日には、どういうわけか、｢歴史的な事件｣がよく起こるのです。
例えば…
1918年 ドイツ革命 (ベルリンでの11月革命)
1923年 ミュンヘン一揆 (ヒトラー・ルーデンドルフ一揆)
1938年 "クリスタルナハト(die Kristallnacht)"
1989年 ベルリンの壁崩壊
と言った具合です。
もっとも、"Schicksalstag"(運命の日)と言われるようになったのが第二次大戦後で、
1918年のドイツ革命も、ちょっとこじつけっぽい感じもします。
何せ、ドイツ革命のきっかけと言われる、
キールでの蜂起は、もうちょっと前に起こっています。
1918年の11月９日は、ベルリンでデモが起こった日です。
細かい議論は抜きにしても、
歴史的なことが色々起こっている日なんですね。
以前にお話した｢ドイツ統一の日｣を、
ベルリンの壁が崩壊した、
11月９日にしよう…なんて議論も実はあったんですね。
｢ドイツ統一の日｣についてはコチラ
本日ドイツは祝日 もう23年もたったんですね…。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11627411217.html
でも、ある事情で、これは没になりました。
先のリストにも書きましたが、
1938年の今日は、ドイツで"die Kristallnacht"(クリスタルナハト)が起こった日です。
日本語に直訳して、｢水晶の夜｣という言い方もしています。
"die Kristallnacht"(クリスタルナハト)とは、何かというと、
1938年、ナチ政権下で起こった、反ユダヤ暴動のことです。
名前は、綺麗に聞こえるのですが、えぐい事件です。
きっかけは、
ポーランド系ユダヤ人が、
パリにあったドイツ大使館の外交官を襲撃したテロによるものです。
そして、11月９日の晩から、
ドイツ中で、ユダヤ人の店舗・事務所、シナゴーグなどが、破壊されるとともに、
ユダヤ人に危害を加えるなんてことが起こりました。
この暴動の後で、
暴動に参加した人たちについては、ほとんどお咎めなし。
ユダヤ人については、ドイツ各地の強制収容所に連行となったのです。
その後の歴史については、皆さんご存知の通り、
ナチ政権は、ユダヤ人への弾圧をどんどん強めていくことになります。
こういう事件があったので、11月９日を｢統一の日｣にする案は、没となったのです。
(まして、この日は、ミュンヘン一揆もありましたから…)
この｢クリスタルナハト｣にしたって、
そして、その前後の｢ナチによるユダヤ人迫害｣にしたって、
正当化することはできないでしょう。
ユダヤ人にとって、不幸な時代だったのは、そうだと思います。
その度合いは、私の想像を超えています。
でも、思うんです。
クリスタルナハトのきっかけとなったテロを起こした、
そのポーランド系ユダヤ人が、怒りに任せて事を起こす代わりに、
ドイツで足止めを食っていた家族をパリに呼び寄せることができたとしたら、
歴史は変わっていたかもしれません。
所詮は、平和な時代に生きる人間の戯言かもしれません。
彼らは、生きるか死ぬかのギリギリの所にいた訳ですから。
ただ同時に思うのは、
パレスチナにいるアラブ人を迫害するユダヤ人は、
ナチ政権下のドイツのことを責められるのでしょうか？
そして、パレスチナで何故テロを受け続けるのでしょうか？
ユダヤ人の迫害について、ナチスを正当化するつもりは、さらさらありません。
でも、第二次大戦とパレスチナの話題になると、こんなことを思わずにはいられません。
今日はこれにて。
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http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11528446169.html
次回：歴史上の人物がツイッターをやっていたとしたら、誰をフォロー？
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前回：Kazu流 ｢文化の日｣の過ごし方
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11665236832.html
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