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昨年6月、富田林で高校生同士で起きた殺人事件。広汎性発達障害として、始めて裁判員制度の被疑者として来月1日より開催されるそうです。コミュニケーションや状況把握能力に障害があり、即時応答では、適切な返答が出来にくいこの障害に、障害への知識の少ないかもしれない裁判員が、適切な判決を下せるのか、注目が集まるところですね。


【裁判にあたってのぼくの思い】

 さて、いよいよ以前から危惧されていた事態が、全国で始めて行われることになりました。見た目からは、障害があると分かりにくいのが発達障害です。知らずに接すると、性格が悪いように見えてしまうことも多く、誤解の元となりやすいところに特徴があるのは、今さら僕がいわずとも、皆さんご存知だと思います。

 そして、今回は起訴前の精神鑑定で、広汎性発達障害と診断されているそうで、障害の事実は、裁判員に伝えられるようですが、彼らがどこまで障害のありようを、理解して判断をしてくださるものか、心配です。


発達障害の被疑者が、誤解を招いた事例もあるようですが、こうしたことが繰り返されないよう、質問の仕方、返答に対する受け取り方に充分配慮が払われることを、願いたいです。

 ただ、ひとつ誤解のないように申し上げたいのは、発達障害があっても、負うべき責任は課せられて当然であると、僕は思っています。ですから、必要以上の減刑を求めているのではありません

 心配するのは、被告が質問に対して、正しく意図を理解して、証言が出来るかどうか。これが出来ていて、裁判員にも、正しく被告の意図が伝わるなら、それでいいのです。

 発言の内容に、感情が乏しく見えたり、原告への罪の意識が軽く見えてしまったりして、情状を重く判断されることがないように、切に願います


【ブログ過去記事から関連リンク・・・今回は、起訴事実を認めており冤罪の可能性はない事件のようですが、供述などで、弁明を上手く出来なかったり、不利なことまでドンドンしゃべってしまうなど、発達障害の被疑者特有の行動について、理解を求める意味で、リンクを貼っておきます。】

事件報道で、発達障害が誤解され猟奇的に扱われてしまう、本当の理由 :互いがわかり合う為に

なぜ、当事者は自分が不利な事まで、供述してしまうのか?(事件供述での事例):状況判断の困難(4)

なぜ当事者は、罪をかぶせられてしまうのか(弁明がうまく出来ない悩み):状況把握の困難(5)

実際、発達障害当事者が、盗撮と間違えられた冤罪の事例 :状況把握の困難(6)



 その上で、課せられるべき量刑は、たとえ障害があっても、受けるべきものと言う前提で、この発言をしたいと、僕は考えています。


 まずは、裁判経過を見守りたいと思います。


【未診断の発達障害・・・繰り返される悲劇への悲しみ】

 さて、もうひとつ、記事を読む限り、今回の被告が診断されたのは、事件後の精神鑑定であるようです。また、未診断の発達障害による重大犯罪が、日本で起きたことになります。

 

 本来は、被害者になる事があっても、加害者になる事は少ないといわれる発達障害。しかしなぜ、日本でこれ程毎年のように、未診断の発達障害当事者による、重大犯罪が起きてしまうのでしょう。


 この障害にとって、診断されることなく、配慮もなしに育てられることの怖さを、社会はもっと認知するべきと感じます。今回の被疑者も、周囲から障害を理解されて関わってもらえていたら、人生は変わっていたことと考えます。やはり、早期発見、早期対処が大事だと感じます。


 また、こうしたことが繰り返される原因の真相を、ぼくなどが突き止めることなど出来ようもありませんが、思うに、それだけ日本の社会は、発達障害の当事者にとって、生きづらいといえるのでしょうね。どこかで、日々の生活に閉塞感や焦燥感を抱えており、周囲から疎外される中で、こうした悲劇は繰り返されているように感じます。急速にコミュニケーション能力を失ってしまい、コミュニティーの崩壊から、こうした人々がはみ出している現状を、どこかで見直すべきだと感じます。


 また、この事件報道で、障害の実態がゆがめられて伝わる事がないようねがいます。必要のない危機感が、障害名と共に報じられるような事がない事を、切に願います。



記事はいつ削除されてしまうか分からないので、コピぺしておきますね。


【記 事】


大阪・富田林の高1殺害:来月1日から裁判員裁判 発達障害の少年、責任能力争点に


毎日新聞 2011年1月26日 大阪夕刊


◇大阪地裁堺支部

 大阪府富田林市の石川河川敷で高校1年、大久保光貴(こうき)さん(当時15歳)が殺害された事件で、殺人罪に問われた少年(19)の裁判員裁判が来月1日、大阪地裁堺支部で始まる。少年は起訴前の精神鑑定で、コミュニケーション能力や想像力に障害のある広汎性発達障害と診断された。弁護側は殺意を認めたうえで、「犯行当時、(判断力が著しく低下している)心神耗弱状態だった」と主張する方針。検察側は「障害は軽度で責任能力に影響ない」と主張する。裁判員裁判になってから、発達障害の少年が起こした重大事件は例が少なく、裁判員は難しい判断を迫られる。【山田英之】

 起訴状によると、少年は09年6月11日午後9時ごろ、富田林市新堂の河川敷で、用意していた木づちと木製バットで、大久保さんの頭を多数回殴って頭の骨を折り、殺害したとされる。

 少年は逮捕後、殺人の非行内容で大阪家裁に送致されたが、大阪家裁は「確定的殺意のもとに実行され、執拗(しつよう)で残忍。少年や被害者の学校関係者、地域社会などに与えた衝撃、影響も大きい」と指摘。成人と同様の刑事裁判で審理する検察官送致(逆送)を決めた。

 検察側は、少年が大久保さんの交際相手の少女に好意を持ち、「大久保さんが彼女を困らせている」と一方的に思い込み、殺意を募らせたことが動機だとしている。しかし、少年は取り調べで「大久保さんにもやりたいことがあり、生きていく権利があったのに殺してしまい申し訳ない」と反省も供述したという。

 公判で弁護側は、再び家裁に移送し、少年院で矯正教育をするべきだと主張する見通し。裁判員は有罪と判断した場合、発達障害のある少年の更生は、刑務所と少年院とどちらがふさわしいのかについても検討することになる。判決は2月10日。


http://mainichi.jp/kansai/news/20110126ddf041040010000c.html




最後に、もう一度、言いたいと思います。この事件報道で、障害の実態がゆがめられて伝わることがないよう願います。必要のない危機感が、障害名と共に報じられるような事がない事を、切に願います


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【このブログの関連記事・・・今回は起訴事実は認めており、冤罪の可能性はありませんが、量刑判断においても、弁明が上手くできなかったり、不利なことまでべらべらとしゃべってしまうなど、発達障害の被告が取った行動についてのレポートとして、ここに貼っておきます。】

事件報道で、発達障害が誤解され猟奇的に扱われてしまう、本当の理由 :互いがわかり合う為に

実際、発達障害当事者が、盗撮と間違えられた冤罪の事例 :状況把握の困難(6)

なぜ当事者は、罪をかぶせられてしまうのか(弁明がうまく出来ない悩み):状況把握の困難(5)