みなさま、こんばんは。
カンパイ氏です。
今週も金曜日まで来ました。週末はまだまだクラブ馬がたくさんデビューします。
日曜日は実は、アスコリピチェーノの祝賀会です。何とか都合がつきそうなので、ちょっと顔を出していこうと思います。
それでは、いつものように、土曜、日曜デビューのクラブ馬も含めて、私が一昨年書いた「全頭完全評価（レビュー）」の内容をいつものように振り返っていきましょう。（＊青字がレビュー部分です）
■土曜京都４Ｒ(ダ1400メートル)
・ベイステート
70ペニーウェディングの21
（シルバーステート、牡、鹿毛、4月23日、3,000万円、60,000円、清水久詞）
【耐調教値】Ｂ
【血統】Ａ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｂ
母系は非常にスピードが豊富。母自身は成績を残せなかったが、繁殖としては注目だ。本馬はワールドエースが留まらずに父との配合となった。結果的に、かなりスピードが期待できる血統表に仕上がったように思う。馬体を見ても、背が低い割に歩様に躍動感があって、好感をもった。ただ、両前肢を巻き込むような歩きは好みじゃない。トモの容量は水準をやや上回るものがある一方、緩さが目立つ。清水厩舎に入る馬は緩い馬が多いという印象があるが、本馬もご多分に漏れずだ。じっくり仕上げて、血統の良さが引き出せれば。
■土曜東京５Ｒ（芝1600メートル）
・ディヴァイネスト
42モアザンセイクリッドの21
（リアルスティール、牝、鹿、5/5、勢司和浩、2,000万円、5.0万円）
【耐調教値】Ａ
【血統】Ａ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ａ
【総合評価】Ａ
この馬はなかなかの出来に見える。血統的には母系の優秀さが目立ち、この母はいつ活躍馬を出してもおかしくない。父母の相性も良さそうだ。四肢は丈夫そうだし、しっかり鍛えていけるだろう。現状で小さいし、華奢に映る反面、トモの容量はしっかりある。馬体も400キロ台半ば以上にはなってくれると思う。全体的に地味な印象があるが、実は穴馬的に十分狙える。人気もさほどないだろうし、下位指名で取れればもうけもの。活躍を見込んで上位でとってもおかしくない良駒だと思う。
・レイククレセント
4ジュリエットシアトルの21 ▲旋回癖
（ハーツクライ、ﾒｽ、鹿、02/02、3,000万円、75万円、大竹正博）
【耐調教値】Ｃ
【血統】Ａ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｃ
兄のドライゼはダートで２連勝中。母が日本に持ち込まれてから、２年連続でハーツクライを付けられている。シアトルスルーの血脈を意識した配合で好感がもてる。ただし、馬体が何とも残念だった。測尺を見ての通りの幼さ。加えて右前肢が湾曲していて、故障のリスクは高めと判断する。トモの容量は十分で、うまく成長してくれれば走ってきそうだが、小さい身体を無理やり大きくすることはできない。血統に照らしたら破格の安値だが、ここは見送りが妥当と判断する。
■日曜京都５Ｒ（芝2000メートル）
・チェルビック
77オールザウェイベイビーの21
（アルアイン、メス、鹿毛、4月14日、1,800万円、36,000円、池添学）
【耐調教値】B
【血統】B
【早勝値】C
【潜在能力値】C
【総合評価】C
母21歳時の産駒。父の良さを生かし切れるか疑問なところがあり、血統面の評価は上げられなかった。馬体を見ると、まず右前肢の湾曲が気になる。繫ぎの角度は綺麗なので、そこまで心配はいらないかもしれないが、注意が必要だろう。馬体重はまだまだ増えてきそうで、脚元への負担に気をつけながらの仕上げとなるだろう。後肢に緩さが見られることもあって、あまり早くから力を発揮できるようには感じなかった。トモの容量は不足気味。価格はかなり抑えられたが、現状ではオススメできる点を見つけられなかった。
■日曜東京５Ｒ（芝1800メートル）
・スカイブライトネス
18セウアズールの21
（レイデオロ、牡、鹿、05/07、3,000万円、75万円、蛯名正義）
【耐調教値】Ｂ
【血統】Ｂ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｂ
レイデオロの登場で、母父ディープインパクトの牝馬との配合は、ウィンドインハーヘアの４×３となる。今後はそうした馬がたくさん出てくるので、大事なのは母系だ。本馬の母系は少し重い印象で、スピード不足に陥る可能性を感じた。実馬を見ると、両前肢の湾曲が少し心配。その反面、後肢の踏み込み、全体の身のこなしは目を惹いた。トモの容量も結構あって、うまく鍛えれば堅実に走ってくれる可能性は感じた。その意味では、藤沢イズムを引き継いだ蛯名厩舎は合うように思う。父が産駒に伝える成長力に期待したい１頭。
・ブリージョドラード
44ワンブレスアウェイの21
（レイデオロ、牡、青鹿、02/13、6,000万円、150万円、中内田充正）
【耐調教値】Ｃ
【血統】Ｂ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｃ
血統面では爆発力という点で物足りないものの、母系は素晴らしいスピードを有している。短距離狙いになってしまうかもしれないが、一定程度の能力はありそうだ。しかし、馬体面があまり良く見えなかった。特に右前肢が湾曲していて、ちょっと心配になるレベル。後肢の緩さも顕著で、本当に２月生まれだろうか、と思ってしまう。仕上がるまでには少し時間がかかりそうだ。トモの容量は水準以上のものがあるが、値段が高く、全体の要素を考慮して、総合評価は厳しく付けた。
・マリガーネット
32マリアライトの21
（レイデオロ、牝、黒鹿、2/15、久保田貴士、5,000万円、12.5万円）
【耐調教値】Ｃ
【血統】Ｓ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｃ
血統的に、母は父の相手としては最高峰だと思う。文句なくＳランク。とても期待したのだが、馬体を見て非常に残念だった。左前肢の内向が顕著で、歩様もぎこちない。２月生まれにしては全体的に幼く、馬体もこれから劇的に大きくなる印象は抱かなかった。トモの容量も水準を下回るし、後肢も緩い。血統は抜群なので、その良さが出てくることを祈るのみ。総合評価はＢランクとすることも考えたが、値段が高いために厳しく付けた。なかなか思うように良駒は出てくれない。競馬の難しさを感じさせられた。
・マルコタージュ
11プロヴィナージュの21
（ドゥラメンテ、ﾒｽ、鹿、05/10、2,400万円、60万円、小島茂之）
【耐調教値】Ａ
【血統】Ｂ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｂ
全兄オリノコはセレクトセールで６千万円以上の値が付いた。あと一歩のところで初勝利を逃したが、素質の片鱗を見せていた馬だ。本馬は兄と違って非常に小さく出てしまった。競馬にいっても４００キロそこそこだろう。ただ、馬体の出来は悪くない。四肢は丈夫そうだし、歩様に躍動感もある。トモが寂しいことと、後肢の寄り付きが見られることから、すぱっと切れるタイプではないだろうが、じわじわ力を付けてクラスを上げていくイメージか。馬体が小さい分、休み休みの競馬になるだろうが、そこを我慢できる人は一考してもいいかもしれない。
・モルトマエストーソ
18ラッドルチェンドの21
（ドゥラメンテ、牡、黒鹿毛、4月27日、7,000万円、140,000円、国枝栄）
【耐調教値】Ｂ
【血統】Ａ
【早勝値】Ｂ
【潜在能力値】Ａ
【総合評価】Ｂ
キングマンボとミエスクのクロスが印象的な配合。母系はスピードが豊富で、父との相性は良いだろう。馬体面では、このレビューをこれまでに読んでいる人にはおなじみだが、前肢を巻き込むように歩くのはキングカメハメハ系種牡馬の産駒によくある特徴で、個人的には故障のリスクが上がると思っている。本馬もこの点はマイナス。遅生まれなので仕方がないが、後肢の緩さも顕著だ。一方で、四肢の踏み込みは深く、運動神経の良さがにじみ出る。故障のリスク、そしてあまり早めからというよりも古馬になってから、という点を加味し、この値段を出せるかどうか。もう少し安ければ総合評価はＡランクも考えたが、この価格ではＢランクが精いっぱい。
・ルージュランブル
6サンダーカップ21
（ドゥラメンテ、ﾒｽ、栗、03/03、2,200万円、5.5万円、萩原清）
【耐調教値】Ｂ
【血統】Ｂ
【早勝値】Ｃ
【潜在能力値】Ｂ
【総合評価】Ｂ
母はサンダーガルチの直仔でスピード感のある配合だ。ただし、父の産駒の成功例とは違うイメージで、血統面は評価しづらかった。馬体面では左前肢の繫ぎが外に向いていて、そこは注意が必要だ。後肢の緩さも顕著で、あまり早くから力を発揮するタイプには見えなかった。トモの容量は水準をやや上回る。母が良血であること、また全姉が活躍していることは認めるものの、仕上がりが遅そうな牝馬。本馬の持つ要素をフラットに評価すると、オススメとまでは言えないレベルだった。
以上です。日曜の東京５Ｒは、各クラブの馬たちが対決しますね。この時期は新馬戦が本当に混み合いますから、仕上げも難しいです。しっかり勝っておきたいですが、果たして。
それでは、今週もとにかく全馬無事に。みなさま、ご武運を！
カンパイ氏