【メイクデビュー】土曜デビューのクラブ馬たちの募集時レビューは? | カンパイ氏の一口馬主ライフ

カンパイ氏の一口馬主ライフ

祝★出資馬アスコリピチェーノ賞金2億円突破!
ライター。一口馬主ライフを楽しむため、2020年からブログ開設。これまで、クラブ誌や有名競馬ブログにも寄稿してきた。独自の分析方法を確立し、毎年主要クラブの募集馬を分析している。

みなさま、こんばんは。

カンパイ氏です。

 

 今週も金曜日が終わりかけています。1週間、お疲れ様でした。明日からまた競馬がやってきますね。エリザベス女王杯はもちろん楽しみですが、デイリー杯2歳Sなど、週末は計五つの重賞があります。注目したいと思います。

 

 さて、今週もたくさんのクラブ馬がデビューしてくれます。いつものように、私が去年書いた「全頭完全評価(レビュー)」の内容を振り返っています。まずは土曜デビューのクラブ馬からです。(*青字がレビュー部分です

 

■土曜福島5R(芝2000メートル)

・ヴァリアービレ

9スペルバインドの21

(モーリス、メス、鹿、05/05、1,600万円、40万円、池上昌和)

【耐調教値】B

【血統】A

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【総合評価】B

エピファネイアが留まらずに父との配合に。これは結果オーライかもしれない。非常にバランスの取れた良い血統表に仕上がった。馬体面ではほぼ瑕疵はないのだが、右前の繫ぎが少し内を向いていて、左右非対称な点を割り引いた。5月生まれにしては後肢の緩さは目立たず、意外と早めからいけそうな可能性も感じる。トモの容量は水準級。歩様の躍動感もあって、母の産駒にありがちなスピード不足が、少しは改善されているようにも思う。この価格であれば堅実な活躍を期待して出資する手はありそうだ。

 

・リアルビギニング

23ゴジップガールの21

(リアルスティール、牡、鹿、04/07、2,400万円、60万円、牧光二)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 血統的にはキングマンボとMonevassiaの3×3に目が行く人も多いだろう。同じパターンではダノンシュネラが有名か。血統全体のバランスは悪くないものの、爆発力という点ではいま一つに感じたので、血統評価は水準としている。馬体面では四肢の角度の綺麗さが際立っている。現状のサイズは小さく、今後も劇的に大きくなるということはなさそうだが、馬体重を過度に気にすることなく仕上げていけると思うし、そうすれば早めからの始動が可能とみる。この値段であれば、十分楽しめそうだ。

 

・クラッシファイド

41シークレットスパイスの21

(リアルスティール、牡、鹿、1/24、黒岩陽一、4,000万円、10.0万円)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【総合評価】B

 父の産駒は現状あまり期待に応えられていないようだが、こういう固めの肌が合うような気もしている。本馬は血統のイメージ通り、固い造りに出た。歩様の小ささや四肢の運びはダート馬のそれ。丈夫そうだし、馬格もある程度大きくなりそうなので、ダート狙いで検討したい馬。トモの容量は素晴らしいので、もしかしたらダート中距離で活躍してくれるかも、と期待を寄せたい。この価格であれば芝の王道路線でなくても楽しめそうで、決してクラシック狙いということではないが、一考の価値はあると判断する。

 

■土曜京都4R(芝1600メートル)

・ローガンパス

73トレジャーステイトの21 ▲右飛節OCD除去手術

(サトノアラジン、牡、鹿毛、1月31日、3,500万円、70,000円、奥村豊)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 母の3番仔。父は期待されたほどの活躍馬を出していないが、本馬の成否がまさに正念場だと思えるほど、馬の出来は良い。馬体面は四肢が綺麗で、しっかり鍛えていけそうだ。トモの容量も十分だし、完成された時には迫力のある馬体になるだろう。マイル路線が主戦場になるのだろうが、活躍してもおかしくない。1月生まれにしては後肢の緩さがあるので、まずはじっくり鍛えていきたい。右飛節のOCDが判明したこともあって、そこまで人気にならないだろうが、十分狙いが立つ馬だと思う。

 

・ルージュリリカル

29レッドセシリア21

(エピファネイア、メス、青鹿、04/03、3,600万円、9万円、杉山晴紀)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】A

【総合評価】A

 エフフォーリアと酷似した血統構成。なかなか興味深い配合だ。馬体面も高いレベルにある。前肢の角度は整っているし、厳しい調教を課すにも十分耐えられそう。後肢に緩さが残るものの、トモの容量が良く、完成された時は見栄えがする馬体になっているだろう。体高が低く、その点は今後の成長に期待だ。血統面、馬体面を考えればオススメできる1頭なのだが、値段がかなり高い印象がある。お得感がないという意味で、総合評価はSランクとはしなかったが、余裕のある人は積極的に狙って良い馬だと思う。

 

■土曜京都5R(芝1800メートル)

・ログラール

67ディアデラマドレの21

(モーリス、牡、鹿、3/9、松永幹夫、6,000万円、15.0万円)

【耐調教値】B

【血統】S

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【総合評価】B

 血統的には非常に期待した馬だった。サイズを見ても期待が高まった。ただ、実馬を見るとそこまで高い評価はしづらい。四肢は特に前肢の造りが不安で、繫ぎの角度や着地がバラバラになっている。ここは注意しつつ調整が必要だ。緩さが目立っているのは許容するとして、トモの容量が水準にとどまっている。まだ馬体は大きくなりそうなので、これからトモが発達してくる可能性はあるものの、現状では大きな活躍を見込むまでは酷かな、と思ってしまった。価格が価格なだけに、総合評価はBランク以上にはできなかった。

 

・クイーンズウォーク

157ウェイヴェルアベニューの21

(キズナ、メス、黒鹿、03/14、7,000万円、175万円、中内田充正)

【耐調教値】A

【血統】S

【早勝値】B

【潜在能力値】S

【総合評価】A

 スピード豊富な母系で、父とは好相性。父の産駒はこういう繁殖から活躍馬を出すイメージで、血統面では文句なしの評価をしたい。馬体を見ても大きな瑕疵は見当たらなかった。四肢は綺麗だし、トモの容量も水準以上のものがある。一方で緩さが目立つので、あまり早めからいくのではなく、じっくり鍛錬した方がいいと感じた。厩舎も含めてかなり人気になるだろうが、正直そこまで他の募集馬に比べて突出してオススメしたいかというと、そうでもなかった。もちろん活躍できる素養はあるし、総合評価Aランクには十分値するのだが、この血統であればSランクを付けたかった、という意味で、コメントが厳しくなってしまった。

 

■土曜東京5R(芝1800メートル)

・ルージュグレイシア

7ドライヴンスノー21

(ドゥラメンテ、メス、栗、03/26、2,400万円、6万円、高柳瑞樹)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】A

【潜在能力値】B

【総合評価】A

 姉ルージュスティリアはフローラSでも人気になった。父がディープインパクトからドゥラメンテに代わって、血統面ではあまり目立たなくなった。やはりこの繁殖には、ディープインパクト系が合いそうだ。馬体面では大きな瑕疵はなかった。四肢の角度は綺麗だし、しっかり鍛えていけそうだ。トモの容量は水準。後肢の緩さもマシで、早めから能力を出してくれそう。血統面では姉より1枚落ちる印象だが、この価格はかなりお買い得。値段も加味して総合評価は高く付けた。

 

・ワイマング

60レディオブヴェニスの21

(アルアイン、牡、鹿、02/24、2,800万円、70万円、池江泰寿)

【耐調教値】B

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】A

【総合評価】B

 母18歳時の産駒。堅実に走る一族だが、父とのカップリングはもちろん初めて。なかなか面白い血統で、こういう馬が走ると、父の配合相手も広がる。馬体面では前肢の出が硬いのが気になった。特に左前肢を必要以上に持ち上げるような歩き方は、どこか痛めているのかな、と思ってしまった。後肢の緩さもあり、あまり早くから力を発揮するタイプではなさそう。一方で、トモの容量は十分で、この辺の長所に上積みがあれば、堅実に走ってくれそうだ。値段は抑えられた印象だが、総合評価をAランクにするほどの魅力は感じなかった。厩舎で人気になるなら、逆らってみたいとも思う。

 

■土曜東京6R(芝1600メートル)

・パロサント

2パララサルーの21

(ロードカナロア、メス、鹿、01/26、3,200万円、80万円、国枝栄)

【耐調教値】A

【血統】A

【早勝値】B

【潜在能力値】B

【総合評価】B

 母の産駒はなかなか競走馬としてデビューできない。本馬を産む前は1年間種付をせずに休養した。牧場としても、満を持して送り出すのが本馬だ。血統は素晴らしく、走ってきてもおかしくないと感じた。四肢は丈夫そうで、しっかり稽古を積んでいけそうだ。一方、後肢の緩さが目立っているので、力を発揮するには少し時間がかかると思う。トモの容量は少し足りない。これからしっかり鍛えていって、どこまで変わってくるか。血統の良さが出てきて欲しいところ。

 

・アルセナール

6サンブルエミューズの21

(エピファネイア、牝、鹿、3/30、木村哲也、7,000万円、17.5万円)

【耐調教値】B

【血統】A

【早勝値】C

【潜在能力値】S

【総合評価】B

 母の繁殖能力は論を待たない。父とのカップリングは初めてだが、相性は良さそうだ。馬体に目を転じると、動きはキビキビしていて躍動感があるし、何よりトモの容量が秀逸だった。ただ、右前肢の内向が残念だった。どの程度走りに影響するかは不透明だが、決してプラスにはならない。加えて、後肢の緩さがかなり目立つ。あまり焦らず、じっくり鍛えていった方がいいように思う。爆発力はあるのだが、牝馬でこの値段ということも考えると、総合評価は厳しくせざるを得なかった。

 

・ルージュベルベット

15プラトリーナ21

(ドレフォン、メス、鹿、04/17、2,400万円、6万円、黒岩陽一)

【耐調教値】A

【血統】B

【早勝値】C

【潜在能力値】B

【総合評価】C

 血統面では、スピードに特化した配合で好感を持った。血統評価をAランクにするほどではないものの、短距離路線で活躍できる素地はありそうだ。馬体面では四肢の角度が整っていて、丈夫に鍛えていけそうだ。ただ、後肢の緩さが顕著。4月生まれということを差し引いても、時間をかけた方が良さそうに思う。デビューが遅そうな牝馬は、個人的にはその時点で大きくマイナス。トモの容量は水準級で、値段もそこまでお得感はない。あえてこの馬を狙わなくてもいいかな、というのが正直なところ。

 

 以上です。今週も大量出走です。【総合評価】Aランクの馬も複数出てきます。楽しみです。今週もとにかく全馬無事に。みなさま、ご武運を!

 

カンパイ氏