昨日ご紹介した「新年のご挨拶 その1」の続きは次回以降にupしますね。
今日はちょっと別のお話をします。
10年ほど前はそこかしこの塀の上に寝転んでいたり、人んちの庭から庭へ走り回ったり、ごはんやさんの裏手で食べ物をもらっていたり、そして春などの季節にはあちこちで仔猫の泣き声が響いて、ものすごい数の猫ちゃん達がいた下町エリア。
先日、捕獲箱を借りにその下町を訪れました。
継続は力なり。
あれだけたくさんいた猫たちが10年の歳月をかけてほとんど見なくなりました。
町ねこは見ていてかわいい光景はもちろんたくさん見せてくれます。しかし人間が通りがかりに見るほんわかした光景などわずかなもので、毎日のごはんにありつける子もいるけど、飢えに苦しむ子達もたくさん。縄張り争いでケガをしたり病気になったりしても病院にも行けません。生まれても育たない仔猫、カラスなどに連れ去られる仔猫。こんな下町でも野生の厳しさはあります。
夏や冬場の過酷な環境、野蛮なクソガキどもや酔っぱらいオヤジどもなど悪気のない虐待、そして悪意をもって命をもてあそぶ虐待野郎、そしてクルマ。町ねこの24時間は命がけです。
先日訪れたのはそんな町ねこたちへのTNR活動を続けてきた地域なのです。
町猫としての一生を終えた子たちはもちろん、保護されて里子に出た子もいます。残念ながら病気や事故で亡くなった子たちもいますが、それでも寒い中凍えたり、暑い中バテバテになったりする子がほぼいなくなってよかったなって思います。
まだ、ごはんをあげている子たちもいるので活動は終わりではないですが、心ある人たちが、町の方々の理解を得ながら一代限りの猫たちのお世話をしていくことで、10年経つとこんなにも風景が変わるものなんですね。
別のボランティアさんが活動している繁華街エリアでも猫たちが少なくなったおかげでネズミが増えたと別の苦情が出ているそうです。
人間ってなんて身勝手なんだろうな。
町の方々の理解を得ながら猫たちのお世話をするっていうのも簡単ではありません。
やはり猫嫌いな人もいるでしょうし、住民の中にそういう人がいると大変です。
でも別の町内会でも猫嫌いな人がいましたが、そういう人を説得して猫たちのTNRを進めたこともありました。まだ話ができるだけ恵まれてるんですね。
TNRの活動をしているボランティアさん達にも色んな思いをもってされていると思いますが、NOAとしては外で暮らす猫はいなくなってほしいという思いなんです。そうじゃない人も多いので別に押し通すつもりはありませんけど、お外に住んでいる子たちは常に事故と虐待の恐怖はつきまといます。そういう子を何度も見てきただけに、お外では暮らしてほしくない。みんな優しい家族のもとで暮らしてほしいと思っています。
簡単ではないし、時間はかかるけど、多くの町々でTNRが進むことを願っています。