紫の女王 | kanoneimaのブログ

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私的備忘録

書名:紫の女王
作者:小森香折(こもりかおり)
出版:偕成社
内容:ラベンヌ王国の王都で育った孤児の少年ノアは、魔法の書である『サロモンの書』に選ばれた『青の読み手』だ。ルドン派修道女の末裔である熾火(おきび)のサンドラを師としてノアは秘術の修行に励んでいた。ザスーン帝国で起きた反乱を征して皇帝となったアレクセイは、大導師サロモンを裏切った弟子であるレトの生まれ変わりがノアだと言う。アレクセイとの縁談が破談となったラベンヌ国女王セシルは、王家に双子が生まれた場合は片方を殺すという法律を廃止しようとしていたが上手くいかない。セシルの双子の姉妹でノアと同じ下町で育ったロゼは、女王と対立する国教会のヒウス大司教にさらわれていたところをノアに助け出されたが、忽然(こつぜん)と姿を消して行方不明になっている。ソロモンの生まれ変わりを自称するアレクセイは黒魔術で人をあやつり、世界をほろぼすための戦を仕掛けようとしていた。ラベンヌ王国東部にそびえるキトラ山にいるノアのもとに、熾火の導師七名のうち六名が集まる。消息不明の姉妹を案じるセシルはルドン派修道院がロゼを保護したという情報を女官長から聞き、セザールの森へ忍んで行ったが其処で待っていたのは王位を狙ういとこのヘンリ公と大司教ヒウスだった。双子の存在が露見したことで国法を破ったと責められたセシルは離宮で謹慎の身となる。ヘンリ公はルドン派修道僧たちを拘束しようとするが、濃霧に行く手を阻まれて修道院に辿り着いた時にはもぬけの殻になっていた。実はそれは熾火の導師・霧のネベリンの秘術によるもので、ルドン派と熾火は協力して国を守ることになった。ザスーン帝国とアレマン王国の国境には「馬喰い沼」と呼ばれる沼地が広がりザスーン軍の侵入を阻んでいたが、逆賊としてアレクセイに討伐されたゾラー将軍の直属隊の幽霊が現われて攻撃を仕掛けてきた。アレマン王国北方国境軍司令官の父親であるサクソン公は、ザスーン美女のナターシャに骨抜きにされていると言う。アレクセイがサクソン公に術をかけたと考えたノアたちは、サクソン公の屋敷の天井裏に忍びこんでナターシャの様子を窺う。ノアは秘術を使ってナターシャから情報を聞き出そうとしたが、鏡台の鏡にアレクセイの姿が浮かび上がって黒魔術を掛けられてしまう。すると、ノアの眼前に神殿でサロモンとレトの会話する姿があらわれ……。それぞれの思惑と、陰謀が渦巻くなか、ノアは人々を守るために戦う。【青の読み手】シリーズ最終巻。