野球~ローテーター・カフ=ケガ予防?~について考える | スポーツの楽しさと健康を応援するパーソナルトレーナー奥藤健

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タグ:野球 ピッチング ケガ ローテーター・カフ インナーマッスル 予防 卒論 哲学


皆様、いつもブログを読んで頂きありがとうございます。

今回は、ピッチングが好きな私が、最近疑問に思ったことを書きたいと思います。間違えたことを話していたら必ず教えてください!!

最近、ゼミの一人が卒業論文で、『ピッチングに必要なトレーニング』について書いた方がいらっしゃいます。

まだ私はその方の論文を読んでいないので詳しいことは何もわかりません。

しかし、気になることがありました。

「ケガの予防のためにローテーター・カフを・・・」という言葉です。

私が昔野球をしていたときも同じように言われたローテーター・カフの役割です。

どうやらピッチングではケガの予防のためにローテーター・カフを鍛えることが一般的なようです。

肩関節を固定、安定させてケガの予防をするためと教わりました。

しかし、私は勉強していく中で疑問が湧いてきました。


「果たして、本当に、ローテーター・カフはケガ予防のための役割だろうか?」


なぜこのように考えたかと言う理由には、二つのキーワードがあります。

「関節を固定するのは靭帯」「アクセレーションマッスル」

この二つのキーワードが原因で、疑問を持つようになりました。


まずは「関節を固定するのは靭帯」について説明したいと思います。


関節の固定は、基本的に靭帯が行っていると学んだ覚えがあります。

靭帯は骨と骨を繋ぎ止めておく役割をします。ヒザの前十字靭帯などは有名です。


ではローテーター・カフとは何かと言うと、、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という筋のグループのことです。


つまり、ローテーター・カフは筋であり、靭帯ではないのです。

よって、最大の働きは筋収縮だと考えられます。


『身体運動の機能解剖』という本によると

棘上筋の機能は「肩関節外転の補助と上腕骨を関節窩に近づけての安定」

棘下筋の機能は「肩関節の外旋、肩関節の水平伸展」

小円筋の機能は「肩関節の外旋、肩関節の水平伸展、肩関節の伸展」

肩甲下筋の機能「肩関節の内旋、肩関節の内転、肩関節の伸展」

となっています。


これらの筋の機能は、靭帯の機能である安定・固定ではなく、アクセレーションマッスルとしての機能となっています(棘上筋には、上腕骨安定の機能がある)。

「アクセレーションマッスル」とは、動きを加速させる筋です。

例えば上腕二頭筋は、肘の屈曲運動のアクセレーションマッスルです。

ジャンプ運動では、大殿筋や大腿四頭筋などがアクセレーションマッスルだと考えられます。

よって、ローテーター・カフを鍛えるとケガしない、痛くなくなる、とは一概に言えないのではないでしょうか。

なぜなら、ローテーター・カフの働きは上記のような外旋、内旋、などだからです。


ローテーター・カフはインナーマッスルと言われています。

インナーマッスルというものはいろいろな定義で使われるので、どこの筋を指すのかなどややこしいです。

だから、話が飛びそうなので一言にしますが、腸腰筋がインナーマッスルの定義に入るとすると、

「黒人の腸腰筋は白人の3倍の太さがある」という話を聞きました。

腸腰筋とは、腸骨筋、大腰筋、小腰筋、この三つの筋の総称です。

腸腰筋の機能は「股関節の屈曲、股関節の外旋」です。

すると、スプリントなど走る競技で記録を出しやすいという話を聞きました。


もし仮にこの話を用いて、ローテーター・カフの機能を見ると

「インナーマッスルであるローテーター・カフが強い=ケガ防止」

ではなく、

「ローテーター・カフ=競技力アップ」

と、考えることはできないでしょうか。


ローテーター・カフは靭帯でないゆえに、脱臼しやすいという欠点があるそうです。

しかし、筋だからこそ、可動域を多方向に広げることができると習いました。


ここで、私なりのピッチングの簡単な解説を行います。


ピッチングでは、ボールのリリース前に一度、肩関節が強く外旋されます。

その後、アクセレーションマッスルとSSCの作用によって肩関節が力強く内旋されながら肘関節が勝手に伸展し、ボールのリリースを迎えます。

リリース直後は、一瞬ですが、手のひらが空を向くほど大きく腕が内旋を起こします。

そしてフォロースルーへ移行していきます。

テニスやバドミントン、バレーボールなどでも、同じような動きになっているはずです。


以上のことをまとめると、

ローテーター・カフは、リリース時の強い内旋で肩甲下筋がアクセレーションマッスルとして働き(大胸筋と後背筋が肩関節内旋の主働筋だろうが)、その後のフォロースルーで棘下筋、小円筋が強い内旋の拮抗筋としてブレーキをかける

と考えられます。


このように考えると、頭ごなしに「ローテーター・カフ=肩の安定、ケガ予防」と定義したトレーニングを行ってしまうと、競技力向上への遠回りになってしまうかもしれないです。

せっかくの筋の機能を存分に利用できなくなるかもしれません。



皆様、私の考えは間違えているでしょうか?

「ピッチングに必要なトレーニング」の卒論も参考にしてみたいと思います。




ちなみに、ローテーター・カフのことを調べていたらおもしろいことを知りました。

普通、筋トレでは筋の力を出し続けたまま反復させると思います。

しかし、棘上筋を鍛える場合は、一回反復ごとに力を抜くと良いそうです。

棘上筋が力を出し続けていると、三角筋が働きやすいそうです。


もうひとつ、

筋トレは80%1RMくらいの負荷をかけるのが基本なのに、ローテーター・カフはゴムチューブ程度。

負荷が足りなすぎて鍛えられなくない!?

と思ったことがあります。

しかし負荷をかけすぎると、ほかの筋肉が働いてしまうそうです。



以上でした!!

長くなったうえに、下手アな文章で申し訳ありません。

「間違えてる!」や「おもしろい!」などありましたらコメントよろしくお願いします^^

奥藤 健   NSCA勉強ちう。。。




追記2013/4/22
【新しいホームページが完成!】

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それではまた明日もお楽しみに!