~乳酸=疲労物質?~について考える。ちがうよ!! | スポーツの楽しさと健康を応援するパーソナルトレーナー奥藤健

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タグ:乳酸 スポーツ 生理学 トレーニング 疲労 八田秀雄 加圧トレーニング



さっき雑誌を読んでいたのですが、乳酸と疲労についてのおはなしが載っていました。


八田秀雄先生の書いた研究の論文だと思うのですが、疲労=乳酸!と考えていた方も多いのでは?


疲れた!!乳酸溜まった!!


僕にもこんな時期がありました。


疲労という意味は非常に多くの意味を持っていますが、今回はスポーツ動作中の活動能力が低下していくことを思い浮かべてください。



さて、本題に入ります。


筋は収縮をするためのエネルギーとしてATPというものを使います。


このATPは、クレアチンリン酸、糖、遊離脂肪酸と酸素、この3種類から作られると言われています。


乳酸は、高強度の運動時に糖を分解してATPを作る際に出てくる物質であると言われています。


今まではこの乳酸が溜まると筋が疲労してくると言われてきました。


しかし、八田秀雄先生の研究によるとこれは間違いではないかとのことです。



スポーツを思い浮かべてください。仮に乳酸が疲労物質だとしたら、乳酸が溜まらないような工夫をすれば、スポーツの競技を高いレベルで続けられるということになります。


つまり、乳酸は糖から作られるので、マラソンやサッカーをする前日から糖である砂糖類やパン、ゴハンなどを食べなければ良いという話になります。


しかし、実際には食事抜きでスポーツなどすることはできませんよね!?



ここでもう一つ考えてほしいことがあります。


高強度の運動時には糖を分解する解糖系と、もう一つ、ATP-PCr系があります。ホスファゲン機構とも言われます。



このホスファゲン機構では、クレアチンリン酸をクレアチンキナーゼという酵素によってクレアチンとリン酸に分解します。


すると、クレアチンとリン酸に分解する際にATPが作られます。



ここからが重要です。


実は、分解されたリン酸は、筋内で筋小胞体にあるカルシウムと結合してしまいます。



カルシウムの働きは、骨を作るだけでなく、筋収縮のために筋内でカルシウムイオンとして放出され、アクチンとミオシンに接触し、ATPを使って筋収縮させる働きがあります。



しかし、リン酸がカルシウムと結合してしまうので、カルシウムが筋を収縮させる信号として働かなくなり、すぐに筋は動かなくなってしまいます。



ここで八田秀雄先生の研究内容が登場です。



乳酸は、リン酸がカルシウムと結合するのを防ぐ働きを持っているそうです。


つまり、乳酸によって筋が動かなくなるのを防いでいるのだというのです!!


さらに言うと、乳酸が筋収縮しなくなることを防ぐ物質、つまり疲労しなくなるための物質だと言うことになります!!




高強度の運動をすると、ホスファゲン機構が素早く働き、リン酸が作られてしまいます。


本来ならこの時点でカルシウムと結合し始め筋が動かなくなるのかもしれません。


通常は、ホスファゲン機構では8秒程度でATP枯渇により活動停止になると言われています。


しかし、ホスファゲン機構がATPの枯渇によって短時間しか働かないとは言えないのかもしれません。


八田先生は、どのような運動でも3種類のATP産生方法が助け合っていると話しています。


つまり、解糖系が作り出す乳酸によって、ホスファゲン機構の働きを維持したりATPを作り出すのを補助したりしていると考えることができます。


解糖系では30秒~3分ほど活動することができると言われていますが、以上のように考えるとかなり怪しいのではないでしょうか。。。?




今回の話まとめると、乳酸があれば疲れない!と言うことになりました。




八田秀雄先生は今年の2月19,20日に行われる日本加圧トレーニング学会にいらっしゃいます。


ここの会では乳酸と疲労についてお話頂けるようです。



とても楽しみです^^




追記3013/4/22
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