病院に行かれず | Tへ

Tへ

ブラックタイガーに濯ぐ .◦☆* 。*◦*~♪

病院へ行く準備をして

朝やることを済ませた。

洗濯や掃除をしたいけどエネルギーが切れてしまう。

怠け者でもいい。

駄目なときは最低限

生きるためのことさえ出来ればと思ってしまう。

病院へ行く2時間前にTが起きてきた。

相変わらず瞼が腫れて凄い人相だった。


「殴られた人みたい。」


私の言葉を無視してコップに注いだ麦茶を

ゆっくりと飲んでいた。

今日はTと一緒に病院へ行く日だった。

それを確認して伝えると


「今日は、しんどい。」


Tが筆談してきた。

薬が切れて無いから心配だけど

無理に行くには距離が遠いから

病院へ連絡して日にちをずらしてもらった。

診察よりも体調を重視したい。

Tにはもっと栄養も必要だった。

本人は食べる努力をしている。

というより

お腹がペコペコみたい。

なのに口が開かないし飲み込んだ物が噴射するのを恐れて

食べる時に慎重になっている。

せめて食欲があるだけ良かったと思いたい。

ネット見ていたら我が家の愛犬に似た子が里親のフェアーで

引き取り手が見つからないのを知った。

その子が気になって見に行きたいとTに伝えた。

でも遠いから運転はしんどいと言われた。

近くのスーパーで買物を済ませて帰宅する。

最近思うのは

Tは出来合いのお総菜を食べたくない様子なのかな。

私が作ると食べてくれる。

でも買ってきた物は食べたくない雰囲気で

料理をサボって申し訳無く思うけど

食べてくれるのなら作るよ。

明日はTのフォロー診に行く。

一か八か

彼のためにセカンドオピニオンの話を伝えたい。

そして医師に紹介状を書いて欲しい。

これは患者の権限でもあるから

その先

どうなるかは解らない。

でも諦めたくないから前に進むしかない。

彼の声を取り戻すためにも本気で伝えたい。

声を失った彼をずっと見てきて私は思う。

たとえ99.9%

無理だとしても

0.1%の可能性があるなら突き進む。

何もせずにうなだれた日々よりも行動して

結果を知りたい。

O医大では却下されたけど他の大学病院で

相談したい。

今の主治医は女医さんだけど

聞き入れてくれるかな。

そして行った先の病院でTの希望を叶えてくれるかな。

希望は限りなくゼロに近くても諦めたくない。

食道発声も電気式喉頭もタピアの笛も

Tは敬遠して練習はしない。

自分の声で話したい。

だから何が何でも彼の望みを叶えたい。

原理的に出来ないはずは無いのに

日本の医療は慎重なのかな。

Tの苦しみを考えたら

その日常を知らない医師に現実の深刻さの

何が解るのだろうか。

医師を敵に回すつもりは無い。

でも一度しか無い人生で病気に罹患して

声を失い再就職すらままならず

塞ぎ込んで殻にこもっていく患者の心情を

理解していただけるのであれば

可能性のある手術が出来る病院への

配慮に耳を傾けて欲しい。


きょうは

あまり食欲も無い様子だったTに

晩酌の準備をした。

昼間に残したスーパーのお寿司は

Tが既にワサビと醤油をかけている。

昨夜作ったポテサラの残りに

夕方Tが食べて残した桃に

作った天とじ丼を軽くよそった。

カツオのたたきは

スライスした玉ねぎを昨夜から水に浸けて冷蔵庫で冷やして

それを敷いて下に乗せた。

スペイン産のニンニクをスライスしてオリーブオイルで熱したら

少し焦げてしまったけど

それをトッピングした。

タレはポン酢とグレープシードオイルにおろしニンニクを

混ぜた物をふりかけた。

これは

ほぼ完食してくれたけど

他のつまみには苦戦しているのか

食欲が無いのか

あまり箸が進んでいなかった。

お酒を飲む量も大夫減ったけれど

まだまだ飲みすぎかな

一部残して

ほぼ食べてくれたけど

明日はもっと美味しい物を食べられるように考えたい。
 

(晩酌料理)↓