Tへ

Tへ

ブラックタイガーに濯ぐ .◦☆* 。*◦*~♪

看護師さんが来る日。

起きたときに把握したけど

ゴミを出すのを忘れていた。

愛犬とのんびり過ごしている途中で

慌てて気付いてまとめて運んだ。

起きてきたTに栄養補助飲料を渡す。

それとプリン。

これだけでは力が出ない。

コロッケを切って小松菜の煮浸しを

少しだけ盛ったら食べてくれた。

逆流で歯が溶けて

嚥下障害だけで無く開口困難に歯もない。

これでは食べられないのが解る。

どうしたものかと悩むけど

100%の解決など無く

食べて貰うしかない。

時間になり看護師さんが来てくれた。

Tが一番信頼している方だった。

彼女が来ると気のせいかTは活発に動く。

そして要求もストレートに伝えている。

出来ればずっと彼女に来て欲しいと私も思う。

他の看護師さんの言うことは断っても

彼女の言うことは聞くから

きっとTは心を許しているのだろうな。

サバサバとしたベテランさんで

私も彼女が来ると嬉しい。

ぬかりなくTのケアをしてくれる。

そして私へのアドバイスもストレート。

本当に助かるし頼もしい。




昨日スーパーで買ってきた鮎をコンロで温めた。

食べる身は少ないけどTにほぐして出した。

小骨は怖いから細かく刻んだら食べやすかった様子で良かった。

出来れば炭火で焼いた鮎を丸ごと食べたい。

そんな願いは難しいけど

食べてもらえて安堵した。

新しい動画をアップしました。↓

 

 

病院の予約が朝早い時間だった。

目が覚めても動けない。

いつも目覚めは疲れている。

深夜や明け方にTが起きてきた様子だった。

動けず対応できなかった。

車椅子で冷蔵庫の前まで行ったのだろう。

栄養補助飲料のパックが潰されて

テーブルの上に無造作に置かれていた。

中身が少し残っているのは

ストローで吸い込むことが出来ないから

パックをぎゅっと押して何とか飲んでいるのだろう。

普段はコップに移し替えて渡すけど

本人は自分ではやらない。

彼が3度目に起きてきたときに

ようやく重い腰を上げて布団から出た。

ゴミをまとめて出しに行かないと

洗った食器も片付けたいし

愛犬の世話もある。

乱れたTの布団も整え直さなくては。

洗濯する時間は無いからやめておこう。

いつからか同時進行で行動できなくなっている。

やりかけたまま他のことに手を出すと

それまでやっていたことを忘れる。

時間をかけてでも

一つのことを終えてから次のことをするしかない。

内臓がシクシクと痛い。

山ほどのゴミを車椅子に積んでガタガタと運ぶ。

青空で気持ちの良い朝なのに

こんな時間が何故かいつも空しい。

早めに出かけて早めに帰ってこようとTに伝えた。

大きくて広い病院だから

機械で受付を済ませても

受診する科へ辿り着くまでの距離は長い。

Tの車椅子に荷物もかけて彼を押す。

結構おもたいから

また腕の血管が太くなりそう。

呼ばれるまでの待ち時間は

予約通りには行かないから

いつ終わるかも未定だった。

待合室で静かに順番を待つ。

胃が痙攣して痛みがこみ上げてくる。

その都度

お茶を口に含み胃酸を薄める。

Tの車椅子の横に座り

会話したり笑い合うこともなく

目を閉じたりボンヤリと遠くを眺めて

その時間を凌いだ。


突然

大きな音で院内に放送が流れた。

暗号で話しているけど

解ってしまった。

屋上にドクターヘリが到着したのだろう。

数名のスタッフが足早に出て行った。

Tは救急搬送を何度もされているけど

屋上に運ばれたことはない。

救急患者をヘリコプターで運ぶなんて

凄いなと思う。

まるで映画の世界の様。

命に関わることだから一刻を争う。

処置が早いほど救われる確率も高い。

そんな事に思いを巡らせていたら

命の尊さに切なくなる。

胃の痛みが波になってキリキリと襲ってくる。

それをTに話したところで

彼はうなずくばかりだった。

病院以外に楽しみのない彼を

帰りに院内の売店へ連れて行った。

食べたいものをいくつか手にしていたけど

きっと持ち帰っても

食べられないのだろうなと黙ってレジを通した。
 

日々

車椅子を押しているから

腕の血管が太くなってきた。

嫌なのだけどこの年齢だし諦めていくしかない。

深夜に何度も脱ぎ捨てて着替える行為に

朝から怒ったけど解っているのかな。

汚れてもいないのに何度も着替えたり

箪笥をあさる。

引っ張り出した服を放置するから困る。

そんな状況を目の当たりにすると

私も怒りが止まらなくなる。


もう


嫌だなと思う。

怒ることに疲れた。

彼に怒る自分も嫌だから

離れた方がいいのではと考える。

事情があってここを出られないけど

私はTに何度も心情を伝えている。

病気の彼は言葉を発することも無く

何も反応はない。

いつもいつも



目覚めたときから心が辛い。

終わりのない家の整理に

無言の彼。

本人の心情は解らないし

Tは自分の要求だけ私に伝えるだけで

他の会話など一切無い。

まるで私は家政婦な気分。

家政婦さんを見下しているわけではない。

ただ立場的にそういう状況で要求だけ言ってくる。

声が出ないからと思っても

他に同じ症状の御主人は電気式喉頭で話したりして

コミュニケーションをとっている。

でも

彼は何も頑張らない。

だから

私はTを見損なったし何も期待しない。

身体もしんどいと思うしやる気も無いのなら好きにすればいいと思う。



起きてきて少し食事して寝ると行って

又起きてきて更に寝ると行って又起きてきて

こんな事を繰り返す。

2階でパソコンを操作していると

気になって何度も必死で登ってくる。

その都度

促して階下へ連れて行くけど

疲れる。

階下でTと過ごすと気持ちは落ち着くのか

食事も摂ってくれた。

ひとりにすると不安なのかな。

まだ

入院中のトラウマがTの中に宿っているような気がする。
 

ブログを打っていたらTが来た。

何が不安なのだろう。

一緒に階下へ行こうと思う。