挫折 | Tへ

Tへ

ブラックタイガーに濯ぐ .◦☆* 。*◦*~♪

頭も心も優れない日がずっと続いている。

仕方ないよね・・・と自分に言い聞かせる。

丁寧な暮らしとか居心地の良い家とか

そんなことは今の自分には程遠い。

家の隅々まで掃除の手が回らないし出来ない。

私にとってはガラクタでも

彼にとっては以前居た家族との思い出だから

廃棄できない。

仕方なくリビングで寝ているけど

寝心地は良くない。

贅沢を言ったら切りが無いけれど

落ち着かないし背骨も痛い。

そう言えば一昨日も深夜に


「ピザが食べたい」


そうTが筆談してきたので軽く炙った。

スーパーの安いピザであるのに

凄く柔らかくてモッチリとした生地で相当美味しい。

マルゲリータだから

具はチーズとバジルにケチャップだけなのに

とっても美味しいと私は絶賛している。

ケチャップを足して炙って持っていったら

あっさりと完食していた。

こういうのが食べやすいみたい。

買物先でも再びTが

ピザが欲しいと言う。

相当気に入っているらしい。

昨日の朝はお米を炊いたけど

お弁当は作らなかった。

納豆巻と牡蠣フライを

少し逆流しながらも食べていた。

夜遅くになって再び喧嘩したら


「顔も見たくないから出てけ」


そう書かれた。

潜在意識の中に

そんな思いがあるのかな。

記憶に無いTの暴言が

私の心に突き刺さる。

でも私は

弱くはないから

そんな子供じみた言葉にはひるまないようにしている。

頭にきたところで記憶の無い状態の相手に

何を言っても意味をなさない。

その後

案の定、眠ってしまったけど

もう振り回されるものかと思う。

記憶障害と言うより

薬の影響で本人は記憶が無い。

しばらくしてクッキーの箱を片手に

Tは起きてきた。

さっきの件を怒りながら伝えたのに

きょとんとしながら

クッキーの箱を開けてバリバリと食べ始めた。

さっきの喧嘩の一見を話したけど

何の事?という状態だから


「本当は解っているんでしょう!?」


そう問い返したけど

全く解らない様子だった。

私の言っていることにポカーンとしている。

散々言うだけ言ってから私も素に戻る。

伝えても意味が無い。

証拠もないしビデオに撮ることも難しい。

気付くと買ってきたばかりのクッキーを

あっけなく一箱完食していた。

それ以前にねぎトロと牡蠣フライを食べていた。

少量だから足りなかったのかもしれない。


「ピザ食べる」


食べながらそう筆談してきた。

食べていても時折

逆流をしている様子だったけど

食べたい様子だからピザを温めてきたら

しっかり完食してくれた。

飲みかけのビールを放置して寝床へ行ってしまったけど

食べられて良かった。

明日は、お弁当を作ろう。

今日もハッピーに起されて早起きした。

沢山ある缶を捨てに行く日だった。

家の中にゴミをためたくない。

だからゴミの日に神経質になっている。

ぼさぼさの髪に眠気まなこなまま

缶の入ったビニールを階下へ運ぶ。

寝不足だから気持はすぐれない。

玄関で準備をしていたらTが起きてきた。

車で運ぶとジェスチャーで言ってきた。

ゴミ袋を抱えて外で待つ。

最近

車のキーが自動的に開かない。

待つ間の時間がもどかしい。

開いて後部座席を開けたけど

狭くて断念した。

むしろ車にゴミを積みたくはなかった。

直接持っていくと伝えてゴミ捨て場まで運ぶ。

重すぎて何度も休憩した。

大した問題ではない。

なのに嫌になる。

ここまでゴミをためたくない。

前回捨てそびれたから2倍の量だった。

いまは辛うじて運べるけど

力が無くなったらどうしようと不安がよぎる。

いつもいつも心配性になっている。

出来てきたことが出来ない自分に自信を失っていく。

やっとゴミ置き場に辿りついてゴミを捨てて振り返ると

クラクションの音がした。

Tが車で迎えに来てくれた。

1人でゴミを抱えて捨てに行った私を

気にかけてくれたのかな。

それだけで充分嬉しい。

苛立つ気持が穏やかになぞられる。

Tの思いに心が救われる。

帰りにコンビニに行こうと思ったけれどやめた。

きっと

Tと行ったらアルコールを買い込んでしまいそう。

帰宅して

早朝から仕込んだお弁当を作ったけど

納得がいかずに記録に残すのをやめた。

こんなことははじめてだけど

いい加減な写真をインスタにアップして

見てくれる人の時間を無駄にしたくは無い。

作ったのに落ち込んだ。

いままでも中途半端な写真は

アップしてきたけど

納得のいかないものはやめたい。

作りながら悩んでいたけど

無理だと思った。


「挫折した。やめる。」


当てつけるようにTにそう伝えた。

ボツになったお弁当のおかずを

晩酌のアテにしたら彼は食べてくれた。

私の中では納得の出来ない仕上がりだった。

インスタにアップできないくらい

落ち込んでいた。

挫折するなんて初めてだった。

気が散って気持が安定していないから

思うように作れないもどかしさで情緒不安定なのかな。

心が正常ではないと料理にも影響する。

ダメダメで嘆くばかりになる。

中途半端に作りかけたおかずを

Tは黙って食べてくれた。

毎日お弁当を作る主婦の人たちのように

私には出来ない。

そんな私をTはけして責めないけれど

明日は頑張ってお弁当を作りたい。

ハッピーの世話もままならないのにね。

出来ない事だらけで情けない思い。

ちゃんと作れば食べてくれるのに

なまけてしまう。

正せない暮らしの中で辛うじて生きている気分。