千葉県白井市は、2014年度から「政治的中立」を理由に、九条の会など市民団体の集会・イベントに対する後援を自主規制していく方針を決めました。市民団体から、これまで市が行っていた集会などの「後援」が得られなくなるとの懸念が広がっています。
白井市と同市教育委員会は「行事の共催及び後援に関する規程」を4月1日付で改定。
これまで「後援」を承認しない基準としていた「政治的目的を有するもの」を、「政治的色彩を有するもの」に改めました。また、「政治的に賛否等の議論が分かれている特定の政策」を支持しないことなどを、新たな承認基準に盛り込みました。
2月24日の市議会一般質問で、保守系会派の市議が「しろい・九条の会」の講演会を市が後援したことを問題視。後援基準の見直しを求められた市側は「検討する」と答弁していました。
「しろい・九条の会」共同代表の伊藤利弘氏は、「大規模な集会で市の後援を受けられなくなる不安はあるが、会として憲法9条の大切さを訴え続けます」と語りました。
日本共産党の鳥飼博志市議は、保守系市議の質問について「議会の場で特定の団体を名指しで攻撃するもの」と批判。市の自主規制の問題とあわせて、他の議員や市民と連携して解決に取り組む意志を表明しました。
白井市総務課は「市が政治的中立の立場を守る上で、後援の承認基準を改正したもの。政治的な集会を規制する意図はない」としています。
「しんぶん赤旗」より転載
憲法や原発をテーマにした市民団体のイベントなどの後援申請を拒否する自治体が相次いでいる問題で、千葉市も四月から、平和に関する行事の後援などの申請要件を厳格化し、実質的に拒否していることが分かった。市ではこれに先立ち、一月の平和集会の後援を拒否していた。 (砂上麻子)
市は、行事の共催や後援に関する基準を四月から変更した。従来は、共催や後援を見送るのは政治的・宗教的中立性を侵したり、営利目的のケースだったが、新たに平和関連行事を念頭に「一般的に論点が分かれているとされる思想、事実等について主観的考えを主張すると認められるとき」や「そのおそれのあるとき」を加えた。
市男女共同参画課によると、平和行事の定義は、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝える行事。担当者は「東日本大震災以降、脱原発や憲法をテーマにした行事の後援申請が増えた。政治的中立性という従来の基準はあいまいで、判断に困る場合が出てきた」と説明している。
市は、一月に中央区の市文化センターで開かれた「平和を願う市民のつどい」の後援申請を断った経緯がある。護憲派の伊藤真弁護士が「自民党の改憲案で何が変わるか」と題して講演する予定だったため、市は昨秋の時点で「政治的な中立性が保てない」と判断。主催した市民団体「平和を願う市民のつどい実行委員会」の申請を受け付けなかった。
同課の宍倉和美課長はこの後援拒否と今回の新基準の関連を否定し、「行政として政治的に中立な立場を維持するために必要な基準だ」と説明している。
市民のつどい実行委は「市は気にしすぎだ。過剰反応ではないか」と疑問を投げ掛けている。
「東京新聞」より転載
これらの地方自治体の主張する政治的中立とは、憲法改悪に反対する集会や平和を守れと主張する集会を後援しないことらしい。
公務員の憲法擁護義務なんてどこかに飛んでいっているようで、憲法そのものも読んだことがないのだろう。
「公務員は憲法を遵守し」云々の就職時の誓約なんかどこかに行っちゃったね。
平和を守れが政治的とはこれまた恐れ入る主張で、憲法9条を学ぶことも政治的だから市としては関わらないと言っているのと同じだな。
こうした政治の右傾化を先取りするかの如き自治体の動きには、住民側から反撃の声を上げていく必要があるだろう。
戦争と平和のせめぎ合いの中で、一人一人の住民にどう動くかが問われているように思う。