五木寛之氏の小説❗️「四月の海賊たち」や「ヒットラーの遺産」等 | 巫kannagiのお喋りブログ

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古い話だが、高校の時、五木寛之氏の小説ばかり読んでいた記憶がある。それは、五木流に言わせると、「噛まれる」と呼ぶそうだ。要は、バンパイヤに噛まれ、歯型がつき、それに没頭してしまったり、夢中になってしまうところから来ている。所謂、「五木に噛まれた」と表現していい、私の時代だった。



文庫本で、沢山持っていたはずが、気が付いてみると、ほとんどなくなっていることがわかった。


好きだったのは、映画化になった『青春の門』とかではなく、「四月の海賊たち」や「ヒットラーの遺産」、「さらばモスクワ愚連隊」や「ソフィアの秋」、「青年は荒野をめざす」などだった。





特に今持っている本に収録されている、「ヘアピン・サーカス」や「Qの世界」と言った短編小説も、気に入っている。


もはや、これらの本は絶版になっているだろうから、読むなら、図書館で借りるか、古本屋で探すしかないのだろう。


「ヒットラーの遺産」は、ヒットラーが晩年に完成させたと言われる、伝説の大砲・超カルル砲の弾で、直径1mもある弾が、日本の大手鉄鋼所に発注されて、海外に輸出されたことで、業界紙のゴロツキ記者のところに、外国人から、輸出先を探すと言う任務を受けて、追うストーリーである。なかなか、今読んでも、時代感が伝わってくる作品ですね。


「四月の海賊たち」は、10代の少年少女たちが、海賊ラジオ放送局を、作るために、少女が身体を売り資金集めする内容だが、海に浮かべた船から、法律に縛られない自由な放送をするために海賊ラジオ放送を行おうとしている少年少女に対して、資金提供を申し出る主人公が現れ、高額な資金を出す。何故、そんな資金を出すのかを、主人公が自問自答しながら、ストーリーは続くのが、時代を表現していて良く、懐かしさを感じさせる。


この両方の本にも収録されている「ヘアピン・サーカス」も時代としては、良かった。

個人に車の免許を取らせるために教える、26歳の男性個人教官が、まだ若い18歳の少女に、運転を教えるのだが、反抗的な態度でうまく進まない。で、少女は、途中で、教官に内緒で、試験を受けて、免許を一発で取ってしまう。少女は、その後、今で言う走り屋になり、相手を自分の得意なT字路に誘い込み、チキンレースを挑んで、相手の車が事故り、自分が勝つと、菊の花びらを車に一枚ずつ記して行く。教官だった男は、危険だし、車はそう言う乗り方をしないようにと説得するも、言うことを聞かない。男は、元プロドライバーだったが、少女の走り屋としての行為を止めさせるために、変装して、少女に挑むと言うストーリーだ。

最後は、悲しい結末だが、今読んでも、良い作品だった。


「Qの世界」も、素晴らしい作品だ。

五木寛之氏が、レコード・音楽業界や、テレビ業界の世界について、当時の経験や知識があったために、仕上がった作品ですね。

公共放送局で、新人歌手のオーデションを行う。前々から、目をつけていた女子高生の歌い手に、オーデションに出るように言い、優勝する。公共放送に出ることになった少女は、日本の民謡をジャスやポップスにアレンジした番組に出演することを喜ぶが、辞退しようと考える。しかし、出演することを選ぶが、1通のクレームの投書が届き、上層部は、少女は、番組にそぐわないと判断して、少女を外してしまう。理由は、日本の民謡に、何故、外人を使うのかと…哀しいストーリーであるが、日本の戦後から、心の奥底に眠る価値観が、描かれているが、少女に目をつけていたテレビマンの主人公が、熱く上司を説得するシーンや、少女の歌唱力の描写が見事に描かれていることで、テレビマンの裏側の努力が、ひしひしと伝わってくるストーリーで、最高だと、感じてしまいますね。


是非、機会があれば、一読下さい。古い小説ですけども…

☝🏻😅👍🏻