前に、うちに来た管理事務所の人に話をした。『人間誰でも死にますから、私が死んだとき見つけてほしいんですよ。例えば、玄関の街灯が昼間でもついていたら、中を覗いてくれませんか 。いつもパトロールされてるのはそれも考えてのことなんでしょう？管理事務所の所長に聞いといてくれませんか』
管理事務所の若い人は『うーん』と言って返事はしなかった。そして、その後しばらくして、管理事務所で防災訓練があったとき、所長に直接聞いてみた。『死んだら見つけてもらえませんか』
所長は人格者のような雰囲気のある丁寧な挨拶、応対をする男らしい感じの人だった。彼は即座に言った。『できません。パトロールは道に木が落ちてないかとかを見るだけです。警備会社に頼んでください』
人間関係ってそんなものなのかなあ、と思う。お互いいつか死ぬんじゃないの？お互い様じゃないの？それが『できません！』か。
深沢七郎さんの『人間滅亡教』ってこれを言ってたのかなあ。