カライエの除湿効果のまとめ(三つの効果) | ヒートショックのない家を建てる

ヒートショックのない家を建てる

高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 カライエの除湿機能としては三つあります。

 

〇まずは除湿器としての機能です。

 もちろんデシカント式除湿機ですから当然です。

 

〇次に暖房器具としての機能です。

 デシカント式の除湿機はヒーターで熱した空気を使って集めた湿気を取り出すようになっているので、この熱の一部が屋内に放出されます。

 この熱で室内の温度が上がってしまう訳です。カタログには5℃上がるという記述があります。

 相対湿度というのは温度が上がると下がるので、除湿されていなくても温度が上がれば相対湿度は下がります。

 つまり除湿機ではなくてもエアコンで暖房しても相対湿度は下がる訳です。

 YouTubeにカライエの動画を見つけましたが、これを見ると最初の温度湿度21.6℃ 72%、12時間後の湿度が下がった時の温度湿度23.9℃57%、絶対湿度は最初が13.6g、最終的な絶対湿度が12.3gなので1.3gしか下がっていません。

 エアコンで同じ温度まで暖房するだけでも相対湿度は63%まで下がります。

 

         温度  相対湿度   絶対湿度

 最初の状態   21.6℃ 72%      13.6g

 カライエ除湿後 23.9℃ 57% -15% 12.3g -1.3g

 暖房のみ    23.9℃ 63% -  9% 13.6g -0.0g

 

 カライエの熱源はヒーターですから暖房効率COPは1です。

 それに対してエアコンのCOPは5ぐらいありますので、5分の1の電気で相対湿度を下げることが出来ます。

 

〇意外なのが換気扇としての機能です。

 カライエは室内の湿気を屋外に排出するので、室内の空気を屋外に排出する換気扇の様な働きもあります。

 カライエの仕様表を見ると21㎥/h(0.35㎥/min)ですので結構な風量があることが分かります。

 

 カライエを換気扇として考えてみます。

 家全体で考えると排気と同じ風量の屋外の空気が給気口を通じて室内に入って来ることになります。

 この時、屋外の絶対湿度が室内よりも高ければ室内の湿度は上がります。

 逆に、屋外の絶対湿度が室内よりも低ければ室内の湿度は下がります。

 極端な話、排気するだけでも条件によっては湿度が下がるのです。

 つまり除湿機能のない換気扇でも条件によっては湿度が下がるのです。

 

 家の中だけで考えると、除湿する部屋の空気を屋外に排気すると、隣の部屋の空気を引き込む効果があります。隣の部屋の絶対湿度が低ければ排気するだけで設置場所の部屋の湿度は下がることになります。

 湿度が高い部屋に換気扇を付けて排気するだけでも湿度が下がる効果がある訳です。

 

 換気扇としての機能で除湿するには外気の湿度が室内よりも低い必要があります。

 外気の湿度が高いと屋外の湿気を室内に取り込んでしまうので、かえって室内の湿度が高くなってしまいます。

 

 この様にカライエには三つの湿度を下げる機能があります。

 条件によって使い分けることで効果的に湿度を下げることが出来ます。