太陽光パネルの設置場所 | ヒートショックのない家を建てる

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高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 春から実際に見積もりをしてもらっていましたが、太陽光発電導入が遅れてしまった原因の一つに太陽光パネルの設置方法の検討に時間がかかってしまったということがあります。

 

 太陽光パネルを屋根の上に乗せる場合に考えておかないといけないことに雨漏りがあります。

 

 新築の南向きの屋根材はガルバリウム鋼板の縦櫨平葺きです。

 この屋根材を選んだのは屋根を出来るだけ軽くして耐震性能を上げるためです。

 5年前の新築時には太陽光を乗せることは考えていなかったので、太陽光を前提に屋根を施工していません。

 

 屋根材に穴を開けるアンカー方式はできるだけ避けたいと考えていました。

 防水の要となるガルバリウム鋼板とアスファルトルーフィングに穴を開けるのには抵抗があります。

 

 最初、下見をして頂いたときは新築建物の小屋裏をみて、断熱材が吹き付けになっていて野地板が見えないので雨漏りの点検が出来ないという理由で、断熱がなく野地板が露出している倉庫に付けた方が良いと言いうことになりました。

 倉庫でもいいのですが、倉庫の屋根は東西向きで南向きではありませんので発電量が落ちてしまいます。

 また、倉庫は新築建物よりも面積が少ないのでパネルの量に制限があります。

 

 新築の方で屋根に穴を開けなくても良い縦櫨キャッチ工法での再見積もりを依頼しましたが、取り付け強度不足で返事が返ってきました。

 確かにガルバリウム鋼板の屋根は太陽光発電を設置することを前提に施工していませんから、ガルバリウム鋼板を野地板に止めるビスの本数が少なかったのかもしれません。

 強度が足りなければ強風で太陽光パネルが屋根ごと吹き飛ばされる可能性があります。

 

 それならばアンカー方式の方が野地板に太陽光パネルを直接固定することになるので良いのかもしれません。

 この時は、屋根の構造を良く知っている、この家を建てて貰った工務店に依頼先を変更しようかと思いました。

 

 アンカー方式のせいで雨漏りしたところで、この家にはその下にもルーフィングがあるので実害が出ることは無いでしょうし、施工ミスでもなければ大量に雨漏りすることは考えられません。

 ただし、雨漏りで野地板が濡れて傷む可能性はあります。

 野地板が痛むとアンカーの取り付け強度が落ちて、太陽光パネルの取り付け強度が下がってしまいます。

 とにかくこの場所は風が強いので雨漏れよりも風で吹き飛ばされることを心配してしまうのです。

 

 結局、今は何の心配もなく住んでいる新築建物の上に、今一つ理解できないものが乗るのは不安だという母の言葉で、倉庫の上に乗せることになりました。

 倉庫は雨漏りの可能性、地震に対する強度では不安がありますが、そこに住んでいるわけではないので、安心感の面では有利です。

 

 倉庫は小屋裏に入れば野地板が目視できるので雨漏りに対しては点検がし易く、雨漏れの発見がし易い、地震に対しては平屋なのでそれ程弱くはない、屋根は以前の重い瓦を外してカラーベストにして軽くしている。

 太陽光パネルは南面に設置するのが一番だが、東西でも南面の85%は確保できる。

 

 まあ、倉庫の屋根でも太陽光パネルの発電量5kW/hを確保できるので良いのではないでしょうか。