エアコン1台で家中暖房は本当に良いのか | ヒートショックのない家を建てる

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高齢の母のために考えた家を建てた経験を通して、注文住宅全般、特に換気関係について考えます。

 エアコン1台で家中暖房できるという触れ込みのシステムが増えました。

 確かに、メリットは多いのですが、本当にそれで良いのでしょうか。

 

 YouTubeの2年前のJJJ Channelを見ていて気づきました。

 この動画はエアコンの暖房効率(COP)のことを論じています。

 

 今年の冬の電気代が安かった理由にエアコン暖房の負荷分散が考えられます。

 今年は空調室、リビング、和室の3台のエアコンを全部作動させて、暖房負荷を分散させました。この効果で電気代が安かった可能性があります。

 残念ながらエアコンの電力消費量を個別に測定するためのセンサーを付けていないので、本当にこれの効果があったかどうか、はっきりしたことは分かりません。

 

 エアコンにはCOPが一番良いところがあります。一般的にはエアコンの定格の半分と言われています。この付近でエアコンを運転すると一番効率が良くなります。

 しかし、外気温は変動するので、それにつれてエアコンの負荷も変動するため、この一番おいしい所を常に使うことは不可能です。

 エアコン1台で対応するとなるとCOPが悪い所も使わざるを得ないのです。

 

 しかし、エアコンを複数台使うことが出来れば、COPの良いところで運転することが可能になります。

 冬の初めは1台だけで暖房し、寒くなるにしたがって2台目、3台目と動かしていきます。

 こうする事でCOPを落とさずにエアコンの出力を上げていくことが可能になります。

 

 例えば、一番小さい6畳用のエアコンを複数台使い、負荷が重くなるにしたがって順に作動させていくのが一番効率よく運用でき、電気代が安くなります。

 エアコンのCOPは暖房能力の小さいものほど良くなる傾向があり、暖房能力の大きなエアコンを使うとCOPが悪くなってしまいます。

 

 エアコン1台で真冬に対応させようとすると、どうしても暖房能力の大きなエアコンを使うことになってしまいます。

 しかし、複数台の暖房能力が小さいエアコンで必要な負荷をクリアできる様にすれば、COPの悪化を防ぐことが出来ます。

 

 エアコンが複数台必要なので取り付け費が複数かかり割高にはなりますが、エアコン自体は暖房能力が大きなものに比べて安価なものが使えます。

 エアコンのクリーニングについては、2台目、3台目のエアコンは稼働率が低いので、主にクリーニングするのは常に動かしているエアコンだけで済むので、それ程かからないと思います。

 

 エアコンを複数台使うメリットは故障したときの対応にも役立ちます。

 エアコンは故障する物ですから、複数台あれば故障したときも寒い思いや暑い思いをすることがありません。

 1台しかないエアコンが故障したら大変です。

 

 ただ、エアコンが目障りだという方には向かないかもしれません。