チェ・ナラの夢 ウリナラの夢 :『シャイニングスター』샤이닝스타 考察編(1)
-日本アニメとの対峙から生まれた奇跡の星・『シャイニングスター』-ジン:それで、お前たちのスタイルは?-『シャイニングスター』第11話ヘラ:真似したいやつには真似させとけばいいのよ。カボチャに線を引いたって、スイカにはなりゃしないのよ。ローズ:その「カボチャ」って、私たちも入れてない?-『シャイニングスター』第11話【ネタバレ注意】『シャイニングスター』샤이닝스타(Shining Star)は、女性アイドルを題材とした韓中合作の3Dアニメーションである。2017年から2018年にかけて、韓国文化放送(MBC)でテレビアニメ1期が放送された。主人公チェ・ナラは、一見平凡な女の子だ。しかし、「歌で人々を幸せにしたい」という、大きな夢を胸に秘めている。アイドル養成学校シャイニングスタースクールへの入学を果たした彼女は、スクールで出会った他のアイドル候補生たちと切磋琢磨しながら、次々と友情の輪を広げていく。そして、女性アイドル界の最高位「ミューズ」を目指し、日夜奮闘を重ねる。『シャイニングスター』を製作したのは、以下の3社である。・マロスタジオ(MARO STUDIO)…韓国のアニメーション制作会社。3D魔法少女アニメ『シークレットジュジュ』シーズン1の製作で知られる。・SMエンターテインメント…韓国の大手芸能事務所・レコードレーベル。・奥飛娯楽(ALPHA ANIMATION AND CULTURE)…中国のアニメーション・玩具企画会社。アニメーション制作を実質的に担ったのは、韓国のマロスタジオだ。3Dアニメーション専門の会社で、ギャグ表現のテンポ感には定評があるが、高品質な映像を徹底的に作り込んでいくタイプのアニメスタジオではない。どちらかというと、低予算・早撮りを得意としている。この他、韓国のケーブルテレビ事業者・映画会社であるCJ E&M(現在のCJ ENM)や、韓国のアニメーション制作会社ICONIX ENTERTAINMENTも、本作が『マジックアイドル』という旧題で呼ばれていた企画段階では参加していた。最終的には、この2社は製作陣からは外れている。そして日本企業は、『シャイニングスター』の製作・企画にほぼ関与していない。しかし言うまでもなく、アイドル物アニメーションの分野において、日本アニメには一日の長がある。韓国のアニメ業界が、日本の力を借りることなくゼロからアイドルアニメを作るなんて、果たして本当に出来るのだろうか?結論から言うと、『シャイニングスター』は、日本のアイドルアニメのテンプレを基本的に踏襲した。しかし、単なる模倣から脱して独自色を出そうと相当に工夫を重ねた跡が見られ、重層的な深みのあるストーリーと強いメッセージ性を備えた作品に仕上がっている。1980年代、日本芸能界で松田聖子・中森明菜などの女性アイドルを中心に巻き起こったアイドルブームは、「時事ネタ」「流行ネタ」として、アニメーション作品の中にも盛んに取り入れられるようになった。このことが大きな契機となって、徐々に確立されていったアニメーションの比較的新しいジャンル。それが、「アイドルアニメ」である。魔法少女アニメ『クリィミーマミ』やロボットアニメ『超時空要塞マクロス』のように、既存ジャンル作品のメインキャラクターとして「アイドル」が登場する時代を経て、00年代には『満月をさがして』『ぴちぴちピッチ』『きらりん☆レボリューション』などの、主に少女マンガ原作から「アイドル」を主題に据えたアニメ作品が、次々と華開いた。近年は『アイドルマスタ-』や『ラブライブ』など、ゲームを中心とするメディアミックス展開の中で、アイドルアニメ製作はさらなる隆盛を迎えている。現実のアイドル業界の流行と呼応して、アニメのアイドルたちも、複数人数でユニットを結成するのが定番となっている。女児向けアイドルアニメ市場でも、アーケードゲームを中心に据えたプリティーシリーズとアイカツシリーズの2強体制が固定化の兆しを見せつつある。一方、いわゆる「ご当地アイドルアニメ」の分野では、町おこし・観光振興タイアップを当て込んで、『Wake Up,Girls!』や『ゾンビランドサガ』などの作品が、日本各地を舞台に続々と作られ続けている。日本製アイドルアニメの歴史を紐解けば、あらゆるパターンの設定・ストーリーが、既に膨大なテンプレとして蓄積されている。もはや、やれることはやり尽くした感すらあるとも言えるのだ。『シャイニングスター』も当然、この日本アニメのテンプレの呪縛から決して自由ではない。本作と日本のアイドルアニメの類似点を列挙し始めればキリがないが、以下、作品の理解に資すると思われる部分のみ、その概要を振り返っておこう。そもそもアイドルアニメの世界では、「シャイニングスター」という言葉じたいが、アイカツのアルバムにもプリパラの楽曲にも似たような名前があって、既に相当紛らわしい状況になっているのが現状だ。日韓両国のアイドルアニメ関係者たちは、「シャイニングスター」という言葉を気に入り過ぎである。私の場合、「シャイニングスター」と聞いて真っ先に思い出すのは、2008年の時点で「これからはゲームアイドルの時代が来る」と鋭く予見した、若木民喜原作の『神のみぞ知るセカイ』だ。作中に登場するピンク髪の女子高生アイドル・中川かのんのメインエピソード最終話が、そのものズバリ「Shining Star」というサブタイトルである(原作コミックス2巻、アニメ1期7話)。「存在感が無かった」過去の根暗な自分に強烈なトラウマを抱える中川かのんは、『シャイニングスター』のヤン・ソンイによく似ている。さて、2017年の『シャイニングスター』誕生にまで一筋に繋がるアイドルアニメの伝統、その歴史的原点を辿っていくと、1971年にテレビ放映された虫プロ製作の『さすらいの太陽』という作品に行き着く。「芸能界」という華やかな舞台の中に泥くさい「スポ根要素」を持ち込んだ演出、そして作中に大量のヒット歌謡曲を登場させると共に、アニメと連動してリアルでも歌手をデビューさせようとするタイアップ戦略など、『さすらいの太陽』はこの時点で既に、『シャイニングスター』へと通じるアイドルアニメの基本路線を確立していたのが凄い。常に優しい心を失わない主人公の峰のぞみ、財閥令嬢として育った意地悪な香田美紀、峰のぞみをなかなかデビューさせようとしないで理不尽な試練ばかり与える師匠の江川いさおは、それぞれ『シャイニングスター』の主人公ナラ、ライバルのヘラ、そしてビッグジェイ校長を思わせる。楽曲盗作騒ぎが持ち上がる展開や、多忙なスケジュールで歌の訓練がおろそかになるエピソード。そして、主人公がドサ回りと野外コンサートでの公演を通じて大衆の熱狂的な支持を獲得し、主要メディアを押さえている金持ちのライバル歌手を打ち負かすという、世直し的な逆転ストーリー。すべて、『さすらいの太陽』の中に既にあったものだ。『シャイニングスター』は韓国の地方都市・光州広域市を舞台にしている。そこで、光州の姉妹都市・仙台のご当地アイドルである『Wake Up!Girls』とも対比してみよう。人気アイドルグループを脱退してアイドルへの夢を諦めていたが、真摯なスカウトを受け、葛藤を経た末にWake Up!Girlsの7人目のメンバーとしてセンターを飾る島田真夢の姿は、『シャイニングスター』で、人気絶頂のドールズを解雇された後、主人公チーム・メロディに加入して芸能界に復帰するかどうかを悶々と悩み続けたヘラの姿と重なる。地方都市の一公園から巻き起こる、グローバルでローカルな民の抵抗。山本寛監督の劇場版『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』のラスト、7人が学校の制服のままで勾当台公園野外音楽堂のステージに上がるデビューライブも、『シャイニングスター』でメロディのナラ・シア・ソンイが制服のまま踊った第26話のデビュー組オーディションや、第30話の錦南路公園野外ステージでのゲリラライブに通じるものがあるだろう。プリティーシリーズからも、『シャイニングスター』は多くを学んできた。ごく表面的な部分を眺めただけでも、たくさんの類似点が見つかる。「天才か努力か」「孤高か友情か」など多くのテーマを、『シャイニングスター』は『プリパラ』と共有している。作中でアイドルたちが変身に使用するミューズカード(衣装カード)は、タカラトミーの『プリパラ』ミルフィーコレクションにそっくりだ。『シャイニングスター』シリーズ後期(27話-52話)で採用された2段変身シーン「ドリームステージオープン(スターライト・トゥインクルチェンジ)」は、曲の途中でアイドルたちが脈絡もなく空を飛んでいったかと思うと、光の輪からニョキッと生えてきて、新たなコーデに着替えるという映像である。韓流アイドルアニメの先輩格『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』における「プリズムアクト」の強い影響は否めない。第4話で主人公の最初のファンが登場して、第5話で3人チームの結成を促されるのは、『プリパラ』1期の構成をなぞっている。主人公チェ・ナラが見た夢からストーリーが動き出していくパターンを多用した点も、『アイドルタイムプリパラ』の夢見る主人公・夢川ゆいを想起せずにはいられない。もともと本作は、韓国でアイカツの権利を持っているCJ E&Mが中心になって進めていた企画だった(前述のとおり、現在はCJ E&Mは『シャイニングスター』のプロモーションからは外れている)。そしてプリティシリーズとは、同じ放送局(MBC)の番組である。このことからか、『シャイニングスター』では、アイカツシリーズとプリティーシリーズから気軽にネタを引用している部分が非常に目立つ。新旧ミューズのカリオペとリナは、『アイカツ』のマスカレードの2人さながらである。生き別れた母親のことを常に想い続けているヘラも、『プリティーリズム』シリーズの天宮りずむや『アイカツスターズ!』のエルザフォルテと比較ができそうだ。『アイカツ』シリーズからは、プロ志向のアイドル養成学園という舞台設定や、権威ある称号としての「ミューズ」(意味が異なるが)などのタームもちゃっかり取り入れている。アイカツは韓国では、아이엠 스타 アイエムスター(「I am star」の意)というタイトルで放映されている。샤이닝스타(シャイニングスター)と아이엠 스타(アイエムスター)は、ロゴも非常に良く似ている。シャイニングスターのテレビ放送開始が決まってロゴが発表された瞬間、韓国のアニオタ層は一斉に批判の声を上げたものだった。「タイトルもロゴもアイエムスターのパクリじゃないか!」と。韓国のアニメファンたちは、過去に日本アニメ剽窃が横行した黒歴史への反動からか、近年は日本以上にパクリ疑惑に対して神経過敏になりやすい傾向がある。しかし、これは単純な「パクリ」というよりは、『シャイニングスター』=旧題『マジックアイドル』が、元来はCJ E&Mの主導で、アイカツの韓国ローカライズ版的な感覚で企画されていたことの名残だったのではないかと私には思われる。日韓合作アニメである『プリパラ』は、地上波で、ディテールを韓国風にローカライズしながら放送されている。一方、純然たる日本アニメの『アイカツ』はCATVのみの放送であり、韓国語吹替版の内容は必ずしも韓国ローカライズされておらず、キャラクター名などをはじめ、日本文化要素の強い部分から単純に日本色を消すだけの、「無国籍化」というコンセプトで製作されている。韓国アニオタ層の評判としては『プリパラ』よりも『アイカツ』の方が良いのだが、女児向けキャラクター事業の売り上げとなると『プリパラ』の方が上回るのは、上記の理由による。一般に、無国籍風の世界設定の話よりも、自分の身の回りの文化に密着した話の方が、対象年齢女児の共感は得やすい。CJ E&Mは『プリパラ』の牙城崩しに『シャイニングスター』を使う思惑だったのだろう。物語の舞台となるシャイニングスタースクールも、元々は「M ACADEMY」という名前だった。CJ E&M傘下の音楽チャンネル、「Mnet」の「M」である。『マジックアイドル』の企画は、当初は異世界転生要素があったり、天上の神々が地上のアイドル業界で代理戦争を繰り広げるという、魔法少女アニメっぽさを前面に押し出したストーリーであったりと、『シャイニングスター』とは大幅に異なった内容が構想されていた。[B]erph@Berphegore 뭐 결국엔 좀 못생겼던 친구들을 뜯어 고치는 역할도 했었죠.. 오덕 본성 어디 안갑니다.. https://t.co/88aHwIFm5a2018年12月03日 16:31『シャイニングスター』の製作にスタッフとして参加された[B]erph氏の証言によれば、当時はマロスタジオにもアイドルアニメのノウハウがなかったため、過去のアイドル物作品を大いに参考にしながら製作が進められていったようだ。[B]erph@Berphegore 어쩌다 저쩌다 이런저런일을 했던 그런 작품이었는데.. 지금은 스튜디오는 그만 뒀지만요.. 정말 아이돌물에 관해서 공부하려고 별별 걸 다했던 그런 때였습죠.. 80년도 부터 국내/일본/해외의 아이돌물 분석… https://t.co/hNWP4LWwnr2018年12月03日 16:25以下引用。-----------80년도 부터 국내/일본/해외의 아이돌물 분석 부터 시작해서아이돌물의 의상의 테크트리 분석..가극 분석, 에세이 분석..등등-----------引用終わり。https://twitter.com/Berphegore/status/1069492880798961664※拙訳:「80年代の国内/日本/海外のアイドル物の分析から初めてアイドル物の衣装の技術ツリー分析…歌劇分析…エッセイ分析…等々」しかし、そこへSMエンターテインメントとMBCが入ってきて、大幅に路線が変わった。魔法少女にこだわっていたCJ E&Mは、女児アニメの分野においては3D魔法少女アニメ『レインボールビー』の世界展開へと注力することになり、『マジックアイドル』の企画からはフェードアウトしていった。現在の『シャイニングスター』において、魔法少女要素は「マジックエージェント」などのアイテム名に僅かに痕跡をとどめている。そして、日本のアイドルアニメのテンプレを踏襲しながら製作が進められていた『マジックアイドル』に、真っ向から疑問を突き付けた人物がいる。その名前は、イ・ウジン(이우진)氏。マロスタジオと共に初期段階から企画に携わってきた、ICONIX ENTERTAINMENTのアニメーション監督・プロデューサーである。ICONIX ENTERTAINMENTは『マジックアイドル』から撤退した後、新たに自社メインで、2D魔法少女アニメ『フラワーリングハート』플라워링 하트(2016-2017)を製作した。その『フラワーリングハート』では総監督を務めたイ・ウジン氏が、2016年のGAME FOCUSのインタビューに答え、アイドルアニメ全般と『マジックアイドル』に言及した記事がある。非常に興味深い内容なので、少し長いが、抜粋して拙訳する。以下拙訳----------イ総監督:既存の女児アニメーションは、日本の作品がほとんどですが、その流れを見ると、商業化が高度に進展し、子供の日常を扱って共感を引き出したというよりも、商品マーケティングのためのCF傾向が強調されたものです。子供が好きになる対象として作成されたというより、物を売るために製作されているようで、素材が画一化されている傾向が見られます。ダンス、歌、アイドルに集約されます。初期には少し別の試みをしていた作品も、最終的には、アイドル路線になってしまいました。文化的差異を考えると、こういう部分で、日本の最近の女児アニメが国内の子供たちに不人気なんじゃないかと。男の子に比べて女の子はそういう部分にとても敏感ですよ。これは私たちの学校、町内、私たちのクラスじゃない...という違和感を感じます。「私の話じゃない」と。共感してないんです。----------拙訳終わり。日本式アイドルアニメというジャンルそのものに対する、重大な疑念の表明である。そして、同じインタビューの別の箇所で、かつて自分自身が企画参加したアイドルアニメについても触れられている。明らかに『マジックアイドル』のことだ。以下拙訳。----------実はアイカツが始まる前にアイカツと同様のコンセプトで、子供たちがアイドルに変身して歌う作品を構想したこともありました。実際に有名な芸能事務所とのコラボレーションを打診したこともあり、私の思い入れを込めた企画でした。ところが、アイカツがちょうど出てきて、私に娘が生まれたのも影響を及ぼし、企画が変わりました。娘はアイドルやお姫様も好きでしたが、それらにふさわしからぬ性格や関心も持っていて、とても多様性に富んでいました。この子と同じ年頃の子供たちのための作品を作らなくてはいけないのに、私はやりたいことだけを投影しようとしていたのではないかと、大いに悩みました。それで2年ほど準備した企画を放棄し、「アイドル」というコンセプトから解放されました。----------拙訳終わり。原文:http://gamefocus.co.kr/detail.php?number=55653初期に『マジックアイドル』の企画に参加したが、娘さんが生まれて現実の女児の姿を知り、アイドル物というコンセプトそのものに疑問を抱いて企画から撤退した。そして、「アイドルだけが女の子の夢じゃない」「受験戦争を勝ち抜いて一流企業に入るだけが人生じゃない」と訴える『フラワーリングハート』を新たに作るに至ったというのが、イ・ウジン氏の述懐の意味するところだ。『フラワーリングハート』は、『シャイニングスター』(旧題『マジックアイドル』)の派生企画ではない。むしろ、一種のアンチテーゼなのだという立場表明である。単純に「日本式アイドルアニメ」を作ろうとしていた『マジックアイドル』の企画の安易さに対して、イ・ウジン氏が浴びせた痛烈な批判。その要点は、以下の3つにまとめられる。(1)キャラクターグッズを売るためだけの企画になっているのではないか?(2)韓国の女の子が観て、ウリ(우리,私たち)の話として共感して楽しめる、ウリナラ(우리 나라,我が国)のアニメになっていないのではないか?(3)女の子の夢を「アイドル」という狭い枠に押し込めることは、多様な生き方への可能性を抑圧することに繋がるのではないか?ICONIX ENTERTAINMENTが抜けたことによって、『マジックアイドル』を2Dアニメーションで製作することは、事実上不可能となった。残されたマロスタジオの側で、イ・ウジン氏の疑問がどのように受け止められたのか、詳しい内情は分からない。今後出てくるであろう製作陣のコメントを期待するほかはない。ただ、『シャイニングスター』の中で、本作の二転三転した企画の内幕を自虐ネタとして活用しているのではないかと考えられるエピソードがある。第11話「右往左往☆ステキに撮ってね!」がそれである。第11話では、シャイニングスタースクールの練習生たちに、「自分たちのチームの写真集作り」がミッションとして課される。写真写りに自信が無いメロディのナラ・シア・ソンイの3人は、他チームの撮影風景を見学して回り、他人のスタイルを真似して、迷走に次ぐ迷走を重ねる。結局、メロディはぎこちない模倣に終始してしまい、ロクな写真が撮れない。大事なのは、ウリ(우리,私たち)のスタイルは一体何か、ということである。他人の心を揺り動かして感動を与えることができるのは、人が自分の潜在可能性を発揮して、最も自分らしく輝くその瞬間に他ならない。そしてメロディのスタイル=「メロディらしさ」とは、チームが一丸となって日常の中で練習に打ち込む、ひたむきな姿に他ならなかった。第11話の展開を通じて、ナラたちはそのことに気づきを得る。本作も、旧題『マジックアイドル』のままでは、やはり、迷走の果てにきっと駄作が出来たことであろう。しかし、そこから企画を再度練り直し、新たなタイトル『シャイニングスター』の名の下に生まれた3Dアニメは、全52話X30分の堂々たる年間シリーズ作品として完成した。韓国人にとっての、「ウリナラのアイドルアニメ」として、十分な存在感を示すことが出来たのではないかと思う。イ・ウジン氏が提示した疑問点のうち、(1)の「キャラクターグッズを売るためだけの企画になっているのではないか?」という懸念に対して、『シャイニングスター』は、地上波放映開始から終了に至るまで、とうとう何一つグッズを発売せず、純粋に作品の内容のみで勝負するというストイックぶりを示すことで応じた。では、上記の(2)と(3)、すなわち、日本のアイドルアニメの模倣から一歩踏み出してウリナラの女児アニメをどう作っていくのか、そして韓国の女の子にどんなメッセージを送るのかという問題について、『シャイニングスター』はいかなる解決策を採ったのだろうか?日本アニメとの対峙を迫られ、設定・ストーリーを根本から立て直すにあたって、『シャイニングスター』製作陣が参照したものは大別して3つあったと私は見ている。第一に「アメリカ」、第二に「中国」、第三に「韓国・光州の歴史と文化」である。次回の記事では、『シャイニングスター』の作中で積極的に使用されていた米国アニメ・映画や欧米児童文学のモチーフについて、詳しく見ていきたいと思う。