審判奇譚 第八章46 | 神鳥古賛のブログ

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古典。読めば分かる。

 さればよ、これぞ、弁護の士の為成せる事の表れにこそあれ。


此方はさいはひ、これに身を侵されん事、久しからずして巳みたれど、これに罹りなば、果ては、頼み手、並べてうつそみの事をうち忘れ、


かゝる忌むべき道をたどり、沙汰の果つるまで、這ひもとろふをのみ望みと為すべう仕向けられんとはするなれ。


こは、はや、頼み手なんどゝ云ふものにあらず。こは此れ、弁護の士の犬と云ふべきのみ。


例へば、弁護の士、犬を小屋に入らしむるが如くに、臥しどの下たに這ひ入りて、


それより吠えよと云ひ付けなば、これなる男、小躍りして、しか為さんとすらめ。


かくなん、語らるゝ言のことごとくをつぶさに受けて、うへつ方へ此れを申し継ぎ、申し合はせんずるべう承りゐたる者の如くに、


K、思ひ入れたるさまに、かつ冷やかに聞きゐたりしなり。


「日がな一日、この男よ、何事をか為せる。」と弁護の士問ひぬ。


「我れ、これなる人を、」となんレニ云ふ、「我が為すわざを妨げられざらんが為に、つね泊まりぬる女中の間にこそ籠め置きしか。


何をか為しゐたるや、透き間よりおろおろ見えたり。


寝台のうへにひざまづきゐつゝ、我が君の貸し与へたるふみをば、窓のしきゐにうち拡げて読みゐたりしか。


こは此れ、我れも、善きかなと感じ入り参らせつ。そは、窓は風通しの穴に繋がれるのみにて、日のかげは、およそ差さゞれば。


さるべきに、ブロク、これ読みゐたるとは、あはれ、従ひ奉らんとする心ばせにこそは。」となん。


「さ聞かば、喜ばしきかな。」と弁護の士云ひぬ。「さりながら、まこと心得て読みゐたるにや。」と。


ブロク、かう語り合はすうちにも、絶えず唇をおごめかしゐたれど、これ、レニに云はせまく欲りする返り言をつゝめけるものなるらし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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