審判奇譚 第八章48 | 神鳥古賛のブログ

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古典。読めば分かる。

 「あるべかしうはあらざりしとや。」とレニ問ひ返しぬ。「あら、如何なればか。」と。


ブロクは、いとゞ険しきまなざしもて、をみなのおもてをまぼりしかど、


これなるをみなには、遙か昔にも云ひ渡されけん判官の言葉を、己れに勝りざまに導くを得る力、これ備へゐたると思ひゐるがさまなりき。


「あるべかしうあらざりき。」と弁護の士云ふ、「我れ、ブロクの事を云ふや、即ち、判官殿、ゆゝしと云はんばかりの面持ちさへしたりしか。


「ブロクの事は、な云ひそよ。」と云ひしは。「かの男よ、我れが頼み手なる。」と我れ云ひたり。


「汝しは、ならず者に使はれゐたるなり。」と云ひぬ。「かの男の事のわづらひを、ならずとて、諦めゐたる者には、我れあらず。」と我れ云ふ。


「汝しは、ならず者に使はれゐたるなり。」となん、更に繰り返されたり。


「さるものとは思はじ。」と我れ云ひ、「ブロクは公事に心を入れ、事柄の成り行きを、つぶさに尋ねゐたり。


我がいへに住まゐすると云ふとも、さま異ならず、常に常に新たなる事のさまを習ひなんとしゐたり。


かゝる心ばせ深きは、めづらかならずや。そは其れ、人のほど、好ましき奴ばらには、これあらず。


仕来たりには、およそ敵はず、卑しき奴つこなれど、公事に於いては、望月の欠けたる事はひとつとて無し。」となん。


望月の欠けたる事の無く云ひ成して、殊更に云ひそしけるは。しかりしかば、かく云はれしか。


「ブロクはあざときのみなるは。繁けく聞き合はせて、広く知り得、公事を延び延びに為すゝべを心得ゐたり。


さりながら、あやつの物知らずなるかた、あざときなるに増して、遙かに大きかりし。


己が公事、これ未だ緒にも就かずなどゝ聞きなば、更に、公事の始まりを告ぐる鐘さへ、未だ鳴らずなどゝ教へ立てなば、かの男よ、何とか云はん。」と。


控へてゐよ、ブロク。」と弁護の士云ひぬ。将にブロク、膝よりよろめきつゝ立たんとし、その心を問はんとする兆しを見せければなり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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