審判奇譚 第八章49 | 神鳥古賛のブログ

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古典。読めば分かる。

 弁護の士の、およそ明らけき言葉もて、ブロクに語り掛けしは、今これぞ初めなりけれ。


気怠るきまなこを、半ばゝ当て処もなく、半ばゝブロクを見下ろしゐたれど、このまなざしを受くるやブロク、またも畏まりて、やをらうづくまりける。


「判官殿の、かゝる言葉、爾には何らのゆゑよしとては無し。」と弁護の士云ひぬ。「事々に、な驚き入りそ。


さあらん事、繰り返しなば、はや、うち明かさん事、最早ならず。


ひと言も、もの云へば、すは、つひの御裁きと云はんばかりに、我がおもてに見入りける。


これなる、我が頼み手をまへにして、およそ恥を知れかし矣。


我れへの、これなる人の頼みとする心さへ、おぼめかしう成さんは。事がましう、何にかは。


爾、生きて此処にあり、我れなる後ろ見、此処にあり。要らぬ思ひわづらひたるべきのみ矣。


いづくにか読みたりけん、つひの御裁きと云ふは、得てして、思はざるほかに来たるべきものなり。


何びとたれ、そこらの人の口を借り、何ん時たれ、いづれの時にこそ。


様ざま、思ひ合はすべき事々はあまたあれど、こは、まこと確かなり。


しかるに、等しきさまにまことしきは、爾の思ひわづらひは、我れの心苛れなる事と、


我が目には、其処に、あるべき頼みとする心を事欠きたると見ゆる事と、これなり。


如何んや、我れ、何をか云ひし。さる判官殿の言葉を、さながら言伝へしたるのみなるは。


知るが如く、ことごと様ざまの見立て、これ、公事の吟味筋のめぐりに積もり積もつて、如何な見通す事あたはずなりぬるなり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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