審判奇譚 第八章41 | 神鳥古賛のブログ

神鳥古賛のブログ

古典。読めば分かる。

 弁護の士、これ直ぐさま返り言せざりしかば、ブロク、今ひと度、せちなるねぎ事を繰り返し、あはや、跪かんばかりに身をかゞめたり。


しかるを、かゝる処へ、K、ブロクを罵り喚きけれ。「何でふ事か為す。」とK、叫びしなり。


レニは、叫ぶを障へらんとしたれば、Kは、をみなの今ひとつ残る手をもつかみける。およそ、情け立ちたる手の握りやうならず。


をみなも、溜め息もらしもらしゝつゝ、いとせちに左右の手をもぎ取らんとしたり。


しかるに、Kの叫びしが為に、ブロク、これ罪なはれたれ。弁護の士、かくこそ問ひけれ。「爾の弁護の士たる、誰そや、それなる。」と。


「御まへさまに御座りまする。」とブロク云ふ。「さてもや、余のほかには。」と弁護の士問ひぬ。


「御まへさまのほかは、何ぴとも御座りませぬ。」とブロク云ふ。「さらば、余の何びとの云はんずる事も聞く勿れ。」と弁護の士云ひぬ。


ブロク、弁護の士の言葉を、しかながら仰せ付かつて、憎くさげなる目付きにて、Kをなめげに眺め入り、こちたくかぶり振り振りしつ。


これなる身振りを言葉に改めんとするならば、らうがはしかるべき罵りなりしなるべし。


かゝる奴ばらと親しうして、我が身のうへを語らはん心づもりなりしとは矣。


「はや、横槍は入れざれ。」とK、椅子の背に身を持たせて云ひぬ。


「跪かんや、はた、這ひつくばるや、いづれ、心に任せて為すべきなり。我れ、関せず。」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://twitter.com/f136668b2db245d&ved=2ahUKEwit4_G4mv3kAhVvwosBHYlGD-8QjjgwAHoECAEQAQ&usg=AOvVaw2nI1qh59sKtDPZm_bNThw8

 

フォローしてねフォローしてね!フォローしてね…アメンバーぼしゅう中!ペタしてねペタしてね