審判奇譚 第八章42 | 神鳥古賛のブログ

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古典。読めば分かる。

 さはれ、ブロク、少なくもKに向かひては、人としての誇りを持ちたるらし。


拳を振り立てゝKに迫り来たり、弁護の士、これ無くば出づる能はざるべき大なる声もて、かく叫びけれ。


「我れに向かひて、かゝる口つきをば、な為そ。さるは、許されまじ。何ゆゑ、我れをば罵るものぞ。しかも、弁護の君の御まへにて。


こゝにては、其処もとも我れも、たゞに情けをもつて侍らせ奉るのみならずや。


其処もとこそ、訴へられ、公事沙汰ともなれゝばこそ、我れより優ぐれたる者と云ふべきにはあらざれ。


さても、なほ、其処もと、それ雅びかに振る舞はんとならば、其処もとに優れりと云はんほどならずとも、我れもこそ等しく風流士(みやびを)なるは。


我れにも、なほ、風流士の如く、口をば利かつせ、況してや、其処もとにこそは。


しかるに、其処もと、爾はそれにゐて、おいらかに耳傾ぶけゐたるに、此方は、其処もとの言葉によれば、


這ひつくばりゐるなど云ひて、己れ、優れる持て成しなりなど思ふものならば、例の、古きことわりをこそ、思ひ出でしめんか。


疑ひを掛けられし者は、休らはんより働くが良し、何んとなれば、休らふ者は、我れ知らず秤の皿にうち乗り、罪の重みを計られん恐れ、恒ねなる事なればなり、と。」となん。


K、ものとも云はで、これなる、なづきの心乱れしたる男を、まじろきも得せで見入りゐたり。


およそ、半時がほど過ぐる間に、この男よ、何でふ変はり果てたる矣。


この男を、右を左へと振りまはし、敵も味方も、得わきまへられず為しゐたるものは、訴へ沙汰なりしや。


弁護の士、これ殊更に、この男を卑しめゐたり、これ此の弁護の士の目論見ゐたる事と云つぱ、たゞに此の我れをまへにして、力のほどを誇らんとしゐたり、


思へらく、かくて此の我れをも降らしめんとしゐたるばかりなれど、果たして、この男よ、かゝる事、得わきまへざるや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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