ハリー・ポッター論 不死鳥の騎士団篇 | 神鳥古賛のブログ

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古典。読めば分かる。

映画「ハリー・ポッター」の第五作「不死鳥の騎士団」より、原作に忠実になりたらんか、我が身の上には覚えなき事多くして、劇的の上にも劇的なり。

冒頭部分に身に覚えあるは、ダンブルドア校長の指示によつて監視役を受持ちし隣家の老女なりき、こは、実際に老夫婦ありて監視役として存在を誇示したりけり。

しかれども、裁判の被告となりたるが如き事実はこれなく、或ひは感知せざる処にて物議を醸したるやうの事ありしか知らざれど、日々の暮らしは平穏なりき。

これのDVD 版特典映像も重要情報を秘めたれ、その「メイキング」なる特典に制作スタッフや出演者のメッセージは散りばめられあり、ハーマイオニー役は語りぬ、「ハリーの孤独を紛らはさんとダンブルドア軍団の創設を計画したり。」と。

これ或ひは、最後の課題を終へんまでの間の無聊を慰めん為の慰安を用意したると云ひゐたるやも知れず、そのあひだ、多くの政治に関する発言を行ひたりき。

ハリー・ポッター、「不死鳥の騎士団」なる第二次大戦の魔法界に於けるレジスタンスの存在を知る、そこには当然に、スネイプ即ちソ聯も参画しゐたり。

ハリーの登場と伴にヴォルデモートとの戦争は不可避となりたれば、人々恐れて、この事実より目を背け、唯一の目撃者、ハリー・ポッターの証言を否定せんとし、ハリーを魔法界より締め出ださんとす。

映画のテーマは稍や単純と思はるれど、怒りや憎悪による独裁者への道と云ふものの如し。

映画の新しき登場人物に、ルーナ・ラブグットと云ふ娘ゐたり、こは、原作者本人ならずやと思へれど、特典映像にこれを示唆せる情報ありしと思ひゐたりしかど見出せざりき。

(参考、神鳥古傳ー新潟篇ー3)