これは公式なサイトではなく、見たドラマの筋を忘れてしまった時に、読み直すために書いている個人的な記録です。アメリカドラマが好きで、沢山見ているので、記憶を頼りに、個人の記録として書いているものなので、誤字誤り、記憶違い等、多々あると思います。出来事の詳細、固有名詞、出来事が起こった順番は誤っている箇所があるかもしれません。複雑なストーリーは分かりやすく、または短くするために、変更、簡素化、要約しています。 書いて読み直しをせず、即公開している場合もありますので、誤字、ミスタイプが多くあるかもしれません。英語で聞いて、そのまま書いているので、名前はすべてアメリカ式の読み方です。
ドラマはかなり見ているのだが、ブログを書こうと思うほどの面白いドラマはあまりない。結局テレビでやっているLaw&Orderの再放送を見ている方が面白かったりする。しかし、Homecomingを見て、久々に面白いと感じた。
先日ゴールデングローブをやっていたが、そこで名前の出てきたドラマは一応全部見てみようと思った。まず、アマゾンプライムでストリーミングされている、このHomecomingから見始めることにした。
ゴールデングローブだが、近年、今年は特に、候補になる映画、ドラマがネットフリックスやアマゾン、Huluなど、ストリーミングのみで見れるものが増えてきた。昔だったら考えられないことだ。ネットフリックスのストリーミングの映画、ドラマが面白いので、映画館に行って映画を見る人が激減した。逆に、下手な映画よりもネットフリックスドラマの方がよっぽど面白い、という人も激増した。またストリーミングはパーソナライズ化が特徴なので、携帯や、タブレット、ラップトップなど、好きなドラマを好きな時に、好きな場所で一人で見る、という人がアメリカでは主流になってきている。私はまだテレビの大きなスクリーンで見るのが好きだが、台所や洗濯物をたたんでいるときなどに見るときは、タブレットで見ている。そういう人が増えている。高校生、大学生になった娘たちは全くテレビを見ない。もっぱら携帯、ラップトップのみで、一人暮らしをするようになってもテレビはいらない、と言っている。アメリカでは、若い人はほとんど全員がこうである。映画館だけでなく、テレビも売り上げが激減するわけだ。いつか、VHSやCDプレーヤーのように、どこの電気屋に行ってもテレビを売っていない、という日が来るのだろうか。私は別々のドラマやYouTubeを、それぞれの携帯やラップトップで見ている娘たちを見て、あんな小さな画面で映画を見たって、面白さが半減するだろうに、と思うのだが、娘たちから言わせれば、あんな大きなテレビの前に座って動けないし、場所ばっかりとって不便なのに、昔の人はそれで慣れてるから仕方ないんだろうね、ということらしい。
ゴールデングローブで最優秀作品賞をとったのが、大好きなボヘミアンラプソディー。映画を見終わった後、拍手と「アンコール!」の声が聞こえた。声の上がった方を見てみると、私ぐらいの年齢の人たちだった。気持ちはわかる。この映画のおかげで、クイーンは若い人の間でも有名になり、今復活ブームが起こっている。しかし、フレディーマーキュリーの映画が出るとは思わなかった。私も年をとったものだ。主演男優賞をとったのが、ボヘミアンラプソディーでフレディー・マーキュリーを演じた、レミ・マレック。ロサンジェルス出身のエジプト系アメリカ人だ。両親がエジプトからアメリカに来た移民で、彼は二世ということになる。エジプト語と英語、両方流ちょうに話す、バイリンガル、バイカルチャー人だ。ミスター・ロボットで主人公をつとめていることでも有名だ。レミ・マレックはミスター・ロボットでも、エミー賞を受賞している。アメリカ人から見ると、レミ・マレックは名前も典型的なアメリカ人ではないし、顔を見ても、どこか中東の人なのかな、と感じる。性格的にも、俳優としても、相当アクと個性が強い、というイメージをほとんどのアメリカ人が持っていることと思う。アメリカでは今は中東の人はイメージが悪いことから、家族ともども苦労したのではないか、と察せられる。彼の話を聞くと、やはりなかなか俳優として売れなくて最初は苦労して、親と狭いアパートに同居し、自分は毎日ソファに寝る生活で、ウェイターをやったり、デリバリーの仕事をしていたようだ。実際、こういう移民はアメリカには多い。現にうちも、娘たちもそんなに大差はない。
やっとHBOのミニシリーズPacificに出演し、次にミスター・ロボットの主役に抜擢された。私はPacificで彼を初めて見たのだが、毒気のある兵士の役で、変わった俳優さんだな、と思った。ミスター・ロボットの役が彼の個性にぴったり合っていたこともあって、すぐノミネートされ、賞を受賞し、一気に第1級俳優となった。彼がボヘミアンラプソディーでフレディーマーキュリー役を務めたのも、彼がミスター・ロボットで有名になったから、ということもあるだろうし、フレディー・マーキュリーも、知らなかったのだが、インド人だか、パキスタン系の移民で、相当クセのある、個性の強い人だったようだから、人種的にも、性格的にもレミ・マレックには合っていたのだろう。こうはっきり言うと、アメリカでは人種差別主義者と呼ばれてしまうので、誰もはっきり言わないが、フレディー・、マーキュリーが有色人種の移民で、レミ・マレックもアラブ系移民だから、というのは、みんな自然に受け止めているだろう。
レミ・マレックはHomecomingともつながりがある。Homecomingはミスター・ロボットのクリエーター及び脚本家、サム・エスマイルが制作している。サム・エスマイルもエジプト系アメリカ人だ。サム・エスマイルが無名に等しかったレミ・マレックをミスター・ロボットの主人公に抜擢したのはお互いエジプト系アメリカ人だからだろう。少し調べた限りでは、二人が以前から 知り合いか友達だった、ということは書いていないが、二人ともアメリカには珍しい、エジプト移民の子供、ということで主役を演じることになったのは間違いないだろう。
サム・エスマイルが作り出すミスター・ロボットと、Homecomingの世界も、レミ・マレック同様、独特だ。二つのドラマとも、アメリカが舞台で、日常にあるアメリカの題材を扱っているのだが、エジプトの人がアメリカを見るとこういう風に見えるんだろうか、という具合に、日常風景の描写の仕方がユニークだ。この独特の雰囲気、非常に惹かれるものがある。
Homecomingとは通常は戦争に行っていた兵士が帰郷するときに使う言葉だ。しかし、このドラマではその意味にかけて、帰還した兵士たちを、政府機関と見せかけて、実はある大企業が、秘密プログラムに受け入れて何やら不気味な人体実験をしており、そのプログラムの名前をHomecomingプロジェクトと呼んでいて、タイトルはそこからきている。その実態はなかなか明かされなくて、エスマイル独特の描写と、ストーリーが重なって、謎に満ちた、不気味な雰囲気が醸し出されながら、物語は進んでいく。なので、ドラマのタイトルは「帰郷」ではなく、そのプログラム、施設の名前Homecoming、そっちの方の意味だ。
主演はジュリア・ロバーツ。ジュリア・ロバーツは初めての連続ドラマ出演だと思う。このように、近頃ではアメリカ人の映画離れ、猫も杓子もストリーミングの傾向がはなはだしく、ロバーツのような映画界の大物女優もストリーミング上でのドラマ出演を無視できなくなっている。むしろ、映画にこだわってテレビや、ストリーミングのドラマには出ない、という俳優は露出機会が少なくて、忘れ去られてしまうだろう。だから、近頃は大物映画俳優も生き残りをかけて、こぞってHBOや、ネットフリックスなどのドラマに出演している。
まだ最後まで見ていないので、どういったプログラムなのか、ジュリア・ロバーツがどうこのプログラムに関わっているのか、まだわからない。最初は全く何のことかわからなくて、エピソードを見て行くうちにだんだん「そうだったのか」とつじつまが合ってくる、そういう手法である。
雰囲気としては、ブラックミラーに似てなくもない。最初は何が何だかわからなくて、見て行くうちに、ああ、そういうことか、と分かってくる、というところも似ている。ああいう雰囲気、そういう手法が今は流行ってるらしい。
このドラマはベストドラマとしてノミネートされ、主役のジュリア・ロバーツもノミネートされた。結局、BBCで放送しているKilling Eveの主役を演じている、韓国系アメリカ人、Sandra Ohがテレビドラマ主演女優賞を受賞した。(Greys Anatomyでクリスティーナ役だった人)Killing Eveもとてもいいドラマで、今お気に入りのドラマの一つなのだが、また別の機会に書くことにする。確かに、Killing Eveのサンドラ・オーは素晴らしいから、受賞はうなずける。Grey’sに出ているときは、アジア人なのに、中身は完全にがつがつした白人女性みたいな感じだったので、サンドラ・オー自体、あまり好きではなかったのだが、Killing Eveのオーはとてもよく、見直した。
Killing EveはBBCの新しいドラマ。MI6役サンドラ・オーと殺し屋役のジョディ・コマー主演。
ジュリア・ロバーツに話を戻すと、ジュリア・ロバーツはプリティ・ウーマンでデビューしてから、どうしてもあの映画のイメージをぬぐいさることができていない、と感じていた。今までずっと、美人ではなく、「汚れ役」も数々やってきてるけど、一回として納得したことはなかった。どんなにみすぼらしい人の役を演じても、「きれいな人がわざとみっともない役を演じている」という風にしか見えなかった。エリン・ブロコビッチでアカデミー賞を受賞した時でさえも納得しなかった。どの映画を見ても、あのプリティ・ウーマンの女優さんが、わざと「普通の女」を演じている、という風にしか見えなかった。世間の人は、別に無理して汚い役をしなくても、きれいな人のままでいいじゃない、と思っていたと思うが、本人としては、ただ美人だけの女優ではなく、演技派として世間に認めてもらいたかったのだろう。今回このドラマを見て、初めてそれに達することができた、と思う。あの年になって初めて。(50?)このドラマでは、すっぴんで、年をとったことも隠さない。しわもあって、この頃HDなので、毛穴も、目の下の黒ずみもはっきり見える。しかし、取り繕うことはしていない。むしろ役柄をもっとリアルにするために、それらをわざと見せている感がある。真に「地味な」ジュリア・ロバーツを見ることができる。ああ、普段はこういう人なのかな、この人も、年を取って人並みに苦労して、平凡な人間の苦労がわかるようになったのかな(笑)、と思わせるほど、落ち着いた、説得力がある演技だ。このHomecomingを面白く見れるのは、そのことが一つある。
共演者がBobby Cannavale。彼はノミネートもされなかったようなのだが、相変わらず好演技だ。やはりロバーツがノミネートされて、キャンナバールがされないのは、ロバーツが大物で、彼がそうじゃないからだと思う。Bobby Cannavaleはテレビにはよく出てくる俳優さんで、私の一番印象に残っているのはBoardwalk Empireだ。https://ameblo.jp/kandmsmama/entry-11418885865.html 最初Law&Orderかなんかに犯人役で出てきたときは、そう思わなかったのだが、今はどの役をやっても、うまくこなす俳優さん、というイメージがある。
Part 2 に続く