わたしの気まま日誌

わたしの気まま日誌

好きなアメリカドラマについて。アメリカの生活について。旅の記録。

 

そして、完全な秘密の中で地球が終わる日と、その後の準備がシナトラの指導の下で行われた。このことを知らされる人は、ごくわずかな、選ばれた人間だけだった。キャル・ブラッドフォードは大統領になったが、キャルもこの計画の一員だった。そして、キャルのボディーガードとしてコリンズが選ばれたときも、コリンズはこの秘密と計画を知らされた。

当時のシークレットサービスでこの秘密を知っているのはコリンズの周りでは彼だけだった。バンカーに入ってからのシークレットサービスのメンバーは、コリンズの知らない人たちで、地球が終わる日以前は何をしていたのかなぞだった。

この時コリンズは知らなかったのだが、コリンズとコリンズの家族もコラベ先生に選ばれたのだった。キャルが大統領になった時、コラベ先生がコリンズをボディーガードとして雇うよう、キャルに勧めたのだった。

 

そして、10年後、地球上で異常現象が起こるようになり、(今みたいに)シナトラたちはロード博士の推論が正しいことを確信した。と同時に、地球最後の日が近いということも。ただ、それがいつになるのか、だれにもわからなかった。

その日に備えて、コラベ先生と彼女のチームが選んだ25000人に連絡が行き、ブレスレットが配られた。しかし、もちろん、その日が来るまで誰も言ってはいけないし、ブレスレットも付けてはいけなかった。

 

コリンズの妻は学者だった。地球でいろんな異常なことが起こっており、最後の日がいつ来てもおかしくない状態だったが、一般の人々にはそれは知らされていなかった。知っている者は、極秘中の極秘情報なので、誰にも、家族にも、そのことは言えなかったが、用心して、心の準備をするように、とは言われていた。なので、コリンズは妻に地球の終わりの日が近づいている、とは言えなかった。そうした中、コリンズの妻テリーは、どうしても重要なことがあるので、アトランタの研究所に行かないとならない、と言った。大統領付きのコリンズは、今にも最後の日が訪れようとしていたのを予感していたので、妻に行かないよう強く懇願したが、一度言い出したら聞かない妻は、夫が止めるのも聞かずに、たった3日間の出張だから、と言って、無理やり出て行った。コリンズも、妻のそういうところを知っていたので、正確な日付がわかっているわけではなかったので、3日経ったら戻ってくるということで、出て行く妻をしぶしぶ見送った。

コリンズは心配でたまらず、仕事にも身が入らなかったので、大統領がどうしたのか聞いた。コリンズは、「Xデーがやってきたときに、妻がアトランタにいたらどうなさいますか?」と聞いた。キャルは、「それは迎えに行くしかないだろう。飛行機を奥さんのいるところまで飛ばそう。約束する。」と言った。それを聞いてコリンズは少し安心した。

それから間もなく、地球最後の日がやってきた。突然、世界中の大きな火山が噴火し、地震が起こり、その影響で何十メートルもある津波が世界各国を襲った。それは昼間起こった。人々は普段通りの生活をしていたので、不意打ちを食らって逃げ惑った。知らなかったのだからシナトラたち以外、誰も逃げる計画を立てていなかった。

 

ホワイトハウスでは、皆不安になって全員テレビを見た。高いビルの屋上で中継をしていた女性レポーターの後ろに大きな爆発が起こって、彼女の長い髪の毛が宙に舞い上がり、レポーターが悲鳴を上げた。それでも持ち直して中継を続けていたが、彼女がいるビルより数倍高い津波が背後に音もなく、大きな、横幅の長い壁が押し寄せてくるのが見え、テレビを見ている人たちがひーという奇声を上げた。テレビ局でレポーターと話していたアナウンサーが、「あなたの後ろ!」と叫んだ次の瞬間、津波が彼女の真後ろまで来て、レポーターの画面が真っ黒になった。それを見ていたホワイトハウスの人たちは、これはただ事じゃない、という気持ちが決定的になった。そして大統領の指示を仰ごうとしたが、大統領の姿はなかった。

 

 

大統領は「すぐ逃げなければなりません。私たちについてきてください。」とコリンズをはじめ、シークレットサービスに言われた。大統領は練習したとおり、黙って従った。最初は全国に向けてテレビ放送をすることになっていた。キャルとテレビ放送を行うスタッフとシークレットサービス、それと彼の内閣が、オーバルオフィスに入って、中から、誰も入ってこれないようにカギをかけた。そして、大統領はアメリカの人民に向かって語り掛けた。スピーチの内容は、アメリカを含めて世界中が大災害に見舞われていること。今一番一緒にいたい人といるべきだ、というものだった。

このスピーチが終わらないうちに、ホワイトハウスの人たちは次から次へといなくなった。残っている者もいた。コリンズたちがオーバルオフィスを出ると、スタッフとともに長年キャルの秘書を務めていた女性が立っていた。彼女は大統領に「ミスター・プレジデント、私の姉と、障害を抱えている私の息子がそこで待っています。今連れてきますから、一緒に連れて行ってください。わたしはいいですから。」と言ったが、大統領は、「マーシャ、それはできないんだ。」と言った。アシスタントは怒気を含んだ声で、「なぜですか?私は最初からずっとあなたについてきたのに。」と言った。「あんたはいつからこのことを知ってたんだよ?!」とスタッフの一人が大統領に向かって怒鳴った。「僕たちはどうなるんだよ!?」大統領につかみかかろうとするものや、シークレットサービスが持っている銃を奪おうとする者もいた。

大統領付きのシークレットサービスも、コリンズ以外、このことを知らされていなかった。ということは、25000人の中に含まれなかったのだ。彼らは混乱していたが、リーダーのコリンズの指示に従って、大統領に近づこうとか、禁止区域に無理やり入ろうとする人たちがいたら銃で撃って阻止した。

そして最後、ホワイトハウスの庭にヘリコプターが着陸した。大統領と、コリンズと、長官たちはそれに乗り込んだ。コリンズとずっと一緒に大統領の護衛を勤めていた若いエージェントも、自分も当然ずっとこのまま護衛を続行すると思っていたからヘリコプターに乗ろうとしたら、コリンズが「申し訳ないが、君はここまでなんだ」と言った。若いエージェントはショックを受けて「僕も乗るべきだ」とむきになったが、コリンズは阻止した。「君の分の席はない。」

ヘリコプターの周りにはマーシャを含めて、ホワイトハウスのスタッフが集まってきていた。無理やり乗ろうとする者もいたが、撃ち殺された。皆一歩引くしかなかった。そして、ヘリコプターは飛びあがった。マーシャはじっと無言でコリンズの顔を見ていた。大統領とコリンズは、自分たち以外の人々を置き去りにしたのだ。二人はヘリコプターの中でうなだれた。

 

コリンズは大統領の護衛をしながらずっと妻と子供とショートメールや、実際話したりして連絡を取り合っていた。この大掛かりな計画は極秘だったので、家族にも言ってはいけなかったから、突然のことで、家族がちゃんとやるべきことができるかどうか、心配でたまらなかった。高校生の娘、プレスリーは怖がっていたが、しっかり者だ。ちゃんと同じ学校に通う弟を見つけ出していた。また、娘は大統領の息子、ジェレミーとはクラスメートでお互い友だち同士だった。娘にはしっかり大統領の息子と一緒に行動するように言った。ジェレミーはシークレットサービスに誘導されて、コロラドのバンカーに向かう飛行機に乗った。おびえながらもプレスリーたちもそれについて行って、飛行機に乗ることができたらしい。それは一安心だった。しかし、「ママがいない。ママはどこ?」と二人とも仕切りと言っていた。

問題は妻のテリーだった。テリーは事が起こった時、まだアトランタにいた。早くコリンズが言う飛行場に移動するように言ったが、携帯が混線してうまく連絡が取れなかった。話していても切れたり、ショートメールを何度も打っても返事が来ない。そうやっているうちに、あと1時間半で飛行機が飛び立つというのに、テリーはまだ遠い場所に取り残されたままだった。しかも、途切れがちな連絡によると、人々はパニックしてアトランタから一斉に出ようとし、交通手段もパンパンになり、車で移動しようにも渋滞、電車等は走ってない、などで立ち往生してしまった。どう考えても、1時間半で軍基地の飛行場にたどり着けるわけなかった。コリンズは、大統領に、「こんな混乱を極めている状況で、こんなことを言うのは大変気が引けるのですが、」と大統領と二人きりになったすきに言った。「以前、妻が遠方に取り残されたらヘリコプターで迎えに行ってくれるとおっしゃいましたね。今がその時です。」とコリンズが言った。大統領は、コリンズの子供たちのことを訪ねた。「あなたの息子さんと一緒に無事飛行機に乗ったようです。」とコリンズが言った。「それはよかった。奥さんに関しては、どうしても最寄りの軍の飛行場に行ってもらわないとならない。」と大統領が言った。

 

ここから大事なので、詳しく書くことにする。

飛行場に到着した。コリンズは大統領が乗るのを確認してから、自分は後ずさりした。

「コリンズ!」と大統領がコリンズに飛行機に乗るよう、促した。「妻が飛行場に到着してないんです。どこにいるかわからない。」「どうしようもない状況だ。子供たちは乗ったんだから、君も乗らないと、子供たちが困るぞ。」と大統領が言った。「妻の居場所がわからないのに、乗れません。」とコリンズは言った。「コリンズ、聞いてくれ。子供たちが君を必要としている。僕もだ。」と大統領が言った。コリンズは、大統領の目をじっと見て、「間に合わないっていつわかったんだ?」と聞いた。「彼女がまだアトランタにいる、と君に聞いた時だよ。」「どうしてこんな風になるって言ってくれなかったんだ?わかってたんでしょう?どうして警告してくれなかったんですか?」「こんなに早い展開になるとは思わなかったんだ。」「でも、自分の家族はいるじゃないですか?」「言葉に気を付けろ」「知ってたら手放さなかった!僕も、皆も準備したさ!皆に言うべきだった!」「言ったさ!」「世界が崩壊する10分前に言っただけじゃないですか?もっと前から、10年前に言うべきだったんだ。それじゃなくて、あんたはゲームみたいにこの状態を扱った!」「僕だって難しい状況の中で最善の努力をしたさ!」「こんなの努力とは言わない!周りを見てくださいよ!カオスだ!」「こうなったのは僕のせいじゃない!」「あんたのせいでこの体たらくだ!」「うるさい!もう黙れ!お前があの席に座りたくないなら、ほかに80億人座りたい人がいる!奥さんはもういない。それは気の毒だが、今すぐそのことを受け入れないとならない!君の子供たちはたった今母親を亡くしたんだ。子供のところに行くべきじゃないのか!乗るのか、乗らないのか!」コリンズは涙を流しながら、「どうしたらいいのかわかりません。」と言った。

 

 

結局コリンズは飛行機に乗った。涙を拭いて、おびえている子供たちのもとに行った。子供たちは父親の姿を見てほっとしたようだった。「間に合わなかったと思った。」「いいや、ここにいる」「ママは?」それには返事をしなかった。「ママはどこ?」とジェイミーが何度も聞いた。

 

だから、気の良い人だけど、大統領のことをよく思ってない人はたくさんいたのだ。

 

続く