よりどり地鶏。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


鶏 白の次は赤、赤の次は…何の事か?皆さんならお分かりでしょう。白い恋人、赤福餅。日本が誇る銘菓が次々と消えて行く。赤福の場合30年も前から偽装されていたと言うのだから驚き。
そんな赤福の影に隠れて少し目立たないのが、やはり食品関連での偽装。食肉加工・製造会社「比内鶏」の特産である「比内地鶏」も秋田の名産として有名ブランド品である。
こちらも赤福に劣らず20年前から偽装されていた。これら食品関連会社の不祥事が立て続けに明るみに出たのは内部告発によるもの。社員に知らされることなく上層部だけでの企ててあれば、責任を取るのは関係者だけで済むが、今回のように長い間に渡って偽装が行われていたとなると、おそらく暗黙の了解或いは偽装マニュアルなどが在った可能性もある。
それを承知の上で働く社員に上からの圧力がかかっていたものと思われるが、さすがに良心がとがめ、会社を辞めた元社員から告発を受けるという形がここ最近増える傾向にある。
鶏肉は「低カロリー、低脂肪、高たんぱく」で、ダイエットによく使われる食材。手羽先の部分は新陳代謝を高め美肌効果もあり、女性がもっとも気にする「コラーゲン」がたっぷり含まれている。コラーゲンが生活習慣の予防にも役立つことは今更言うまでもない。
「比内地鶏の加工品」として出荷していた製品は15品目にも及ぶらしいが、赤福同様に本来であれば廃棄処分にする言わば残飯を他の製品に混ぜコスト削減を狙うと言う、悪質でなお且つ高利益を生む方法に消費者の口が騙され続けて来たというわけである。
これは資本主義社会の歪が産み落とした現代の象徴とでもいうべきか。日本は消費大国でもあり、食品の殆どを輸入に頼っている。地球温暖化がもたらす環境の異変は人間の想像を遙かに凌ぐ猛威となって近い将来訪れるだろう。
世界中の至る所で干ばつが発生し、食物の供給が止まるような事態が起これば真っ先に影響を受けるのは日本である。食べるものが乏しくなれば賞味期限や消費期限など目に入らなくなるだろう。飢えで苦しみ、餓死する子どもが5秒に1人と聞きながら、期限切れは商品でなくなるというこの矛盾。人間には臭覚という五感のひとつがあるが、臭いをひたすら消したがる風潮の中で、その一部が殆ど使われることなく退化していく。腐っているかどうか判断すら出来なくなる人間が将来生き延びていく可能性は非常に低いだろう。