亀田大毅が出家する日。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


坊主 亀田大毅が頭を丸め坊主になり出家して仏門に入り、精神修養をすると言うのであれば、それは切腹に値するほど価値があるだろう。有り得ない話だが、坊主頭の似合う大毅君を見てつい袈裟姿の彼を想像してしまった。
しかし、坊主になるのは彼ではなく、むしろ父親である史郎氏の方である。子どもの失態は親の責任、それはどこの家庭でも同じこと。記者会見では史郎氏が大毅君をかばうように説明、謝罪したが、本人は終始うつむいたまま無言であった。その姿はまるで学校に呼ばれ担任の教師から注意を受ける親子に見えた。
大毅君がもし仮にあの場で「申し訳ありません」と発していたら、おそらく大粒の涙を流し、小学生のいたずらっ子が叱られ泣き出すのと同じ状態だったかも知れない。
史郎氏は自分が果せなかったボクサーへの夢を自分の子どもたちに託したわけだが、人を殴る方法は教えてもボクシングを教えることは出来なかった。どんな相手の選手であれ、まず敬意を表する、それがスポーツの基本。その基本を忘れ、勝つために何でもやってやるという意味合いの喧嘩ファイトで世界を手に入れても、真の世界チャンピオンにはなれない。
TBSは亀田親子を長い期間にわたり取材し続けてきた。当然のごとく、ドキュメンタリーとしての親子の絆がボクシングというスポーツを通して成長し、やがて日本の誇る世界チャンピオンの誕生というシナリオは日本中に感動を呼び、視聴率もアップ。TBSだけでなく日本ボクシング協会も莫大な利益を得るという、一石三鳥のシナリオだったが、それが途中から狂い始め、亀田家が一人歩きし始めてしまった。
暴走を続ける亀田一家、そしてそれを止められないTBSとボクシング協会。ボクシングに興味の無かったファン層までもが、亀田の試合を見るという娯楽番組への変貌。彼らの試合にはビッグマウスと同じでビッグマネーが動く。後ろでどんな駆け引きが在るかは大抵察しが付く。興行に付き物の暴力団との関係であったり、リングの外では金をめぐっての揖屋らしい取引がある。
謝罪の仕方についても順番が違うなどの声が聞こえ、謝り方さえ知らないこの親子たちに未来はあるのだろうか。兄弟3人はそれぞれ違うジムに所属し、基本のマナーからスタートすべきであると思う。ファンは君たちを見捨てたりはしない。いずれ不死鳥のように蘇る彼らの姿を心のどこかで待ち望んでいるはずである。