介護より愛を込めて。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


介護 訪問介護サービス最大手のコムスンが不正申請を起こした問題で、親会社のグッドウィル・グループトップの座に就いている折口雅博氏が記者会見で謝罪した。眼を真っ赤に腫らし、血のような涙を浮かべ深々と頭を垂れる。バブル絶頂期に急成長した同社はその勢いに便乗し、人材派遣業を中心として幾つものグループ会社を取り込んで来た。
介護保険制度が始まり、おそらく誰もがこれはビッグビジネスに繋がると連想したに違いない。時代は高齢化社会へと突き進む中で、介護サービスは注目を集めることとなる。しかし、理想と現実は経営者を落胆させていく。思うように利益が出ない、儲けの少ない商売ほど効率の悪いものはなく、利益追従の矛先が不正申請へと繋がっていったのだろう。
わたしは障害者なので、この訪問介護については非常に身近な問題だ。在り難い事に今は元気に毎日を不自由なく過ごせ、そして家族もあり余生を心配するほど切迫している訳ではないが、自分が寝たきり状態になってしまった時、家族に負担をこれ以上掛けたくないという気持ちがある。コムスンは年中無休で24時間営業。車のキーを無くした時電話一本で飛んで来てくれるJAFのように頼もしい存在である。コムスン自体も6万人を超える介護利用者を抱えているが、今回の不正問題で一番困るのは利用者だ。
介護はビジネス以前にボランティア精神がないと務まらない。そして人々が最も嫌う、気力、体力、忍耐などがなければ到底長くは続かないし、最も重労働な職業でもある。日本に介護を必要とする人間がどれほどいるか、その殆どは障害を持っている老人たちと思われる。介護を受けたくても受ける事が出来ない人も多くおり、それらを含めれば数十万人以上になるのではないだろうか。核家族化が進み、孤立する老後を送る人たちも増えている。
経済力のある人は特別養護老人ホームなどの完備の優れた施設に入所する事が出来、安心したサービスを受けられる。だが、それは一握りの人でしかない。老夫婦のどちらかが病気で倒れ、寝たきり状態になった時、連れ合いがその介護に回る。遺された人生と老体に鞭打って、辛い日々を送るのである。やがて時は巡り、いっそ殺して欲しいと頼む妻がいる。介護疲れの果ての無理心中。国は棺おけまで用意するほど面倒は見てくれない。
人はいつまでも若くないし、健康で居られる保証もない。取り残された介護を待つ人たちの叫び声が聞こえてくるようだ。そういえば安倍総理が官房長官の時代にコムスンを随分褒めちぎっていた記憶がある。介護制度の未来について安倍晋三氏は如何なる解決策を持っているのだろう。