ノックは何回? | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


ノック 何度ノックしてももう彼は返事をしない。「ノックは3回」なんて言うドーンのヒット曲もあったが、「漫画トリオ」で一世風靡した横山ノック氏。これも突然の訃報である。彼の生き方も波乱に満ちた人生だった。
大阪を代表する漫才芸人としては現在のお笑いブームの原点に位置する人物だったかも知れない。漫才から足を洗った後、政界からデビューする事になるが、人気者だけに政治の扉は1回ノックしたのみで当選。参議院議員からそして大阪府知事へと一気に彼は政治の頂点に立った。芸人としての地名度が高い事は選挙を有利に進め得票数も桁外れだったが、有頂天に立った時の人間には必ず何処か隙が出来るもの。
本人に取って見れば些細な事だったかも知れない「女子大生セクハラ事件」結果的にこの問題が引き金となり、彼の政治家人生は歯車が大きく狂ったと言わざるを得ない。この程度の事は今の自民党内の議員からセクハラとも取れる発言が多く飛び出している。しかし、現状は本人が頭を下げてそれで揉み消されてしまい、それ以上の追求はない。
党(国)に守られている政治家たちのモラル低下はいま始まった事ではないが、横山ノック氏のセクハラ事件が当時は大きくマスコミに晒され、所詮芸人と一蹴され政治家たちからは芸人に政治など出来る筈もないなどと陰口を叩かれていたのも事実だろう。しかし現在そのまんま東氏が宮崎県知事として当選したように、国を代表するプロの政治家に嫌気が指した国民が藁をも掴む思いで、自分達の国や地域を何とか良くしたいと本気で考え始めた今、自分達の代表は常に市民或いは国民に背を向けない政治家を望んでいる事は間違いない。
横山ノック氏自身はおそらく、最後の復活に闘志を燃やしていたかも知れない。もうそんなに頑張らなくてもよいのに。病魔は人の夢まで容赦なく食い尽くして行く。頑張っても勝てない時もある。心からご冥福をお祈り致します。