ソマリア内戦とアメリカの思惑。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


ターゲット ソマリアに血の雨が降っている。およそ16年間にも及ぶ民族紛争の影には、部族同士を更に追い詰めているイスラム教の顔が見え隠れしている。しかし、純粋な宗教対立という訳ではない。元を辿ればイタリアとエチオピア間で勃発した国境紛争が発端である。ソマリアの人たちはその殆どがイスラム教徒。エチオピアはキリスト教であり、単純にこの内戦を捉えてみれば宗教を逆手に取った神との代理戦争にも思えて来るが、ソマリアを巡り欧米諸国の醜い利権争いが見えて来るだろう。今年1月北朝鮮の港から大量の兵器や部品を積んだ貨物船がエチオピアに向けて出航している。アメリカはそれを容認した形となっている。米軍は現在、ソマリアに展開するテロ組織アルカイーダの討伐に乗り出しており、イスラム原理主義「イスラム法廷」を排除する為、エチオピアの本格的な武力介入の後押しをしている。エチオピアとの関係を揺ぎ無いものとする為の一つの手段とも受け止められる武器輸出の黙認であるが、北朝鮮の核実験を受けて国連決議された武器輸出阻止を各国に訴えているアメリカ政府の矛盾した行為には今後批判が強まるものと予想される。米国ほど身勝手で戦争好きな国もないだろう。火薬の煙が立ち昇れば消防車の如く軍隊を投入する。平和維持を盾に暴力のオンパレードが始まる。朝鮮戦争、ベトナム、ソマリア、湾岸、アフガン、タリバン、イラクなどアメリカの関わった戦争から平和の二文字は浮かんで来ない。9.11同時多発テロを境に始まった対テロ撲滅作戦はトカゲの尻尾を切るより困難だろう。ソマリアの状況は益々混迷を深め、まるで日本の戦国時代を思わせる。米軍を操るラムズフェルドは「次なる敵」を求めて世界を奔走している。野蛮な国ほど武器を作り使いたがる。それには標的が必要だ。紛争を求めてアメリカの悪夢が眼を覚ます。