東海道線、各駅停車は心の車窓。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

この映像は昨年11月脳内出血で緊急入院した従兄を見舞う為に20年ぶりに乗った東海道線の普通列車静岡行きの車内から撮影したもの。東京から静岡まで新幹線なら1時間30分で着くが、障害者の私は各駅停車ならば片道1500円で済む。3時間という時間はそれほど長くは感じられなかった。風と共に流れ行く風景を楽しみつつ30年ぶりに会う従兄の昔のままのサッカーで真っ黒に日焼けした顔を思い出していた。思い返せば25歳で上京した時もやはり普通列車だった。走り行く車窓から思いでもしがらみも何もかも放り出し、揺れる電車と軋むレールの音に心の不安が木霊していた。若かったから出来たことだったのかもしれない。行く先は東京じゃなくても良かったけれど、東京行きの切符を気が付いたら握っていた。もう戻れないと唇を噛み締めながら改札をくぐったあの青春時代。東海道線を見るたびに忘れた筈の過去が蘇えってくる。