(当記事の画像は全てイメージです)
2023/8/30,JR西日本は多くの発表を行いました.最も重要なのは,
北陸新幹線 金沢〜敦賀の開業が2024/3/16(土)
になったことですが,これ以外の発表に少なくとも筆者は肝を抜かれてしまいました.山口県に近い順から紹介します.
2023/10/14 「瀬戸内色」復活
JR西日本では近年「懷鉄(読み方は「なつてつ」です)」シリーズと称して,過去にJR西日本が運行した列車の写真を印刷した入場券・料金券を各地で販売していますが,その流れで,なんと,115系3000番台に「クリームに青帯」の瀬戸内色が施されることになりました.これは115系3000番台の新製当初に施された色です.
筆者としては噂には聞いていましたが,2023年に「宇部市100周年」「シン・エヴァンゲリヲン劇場版:||」の関係で105系が「白地に青・赤帯」に塗装変更されていたこともあり費用的に微妙に感じていました.実現は嬉しいです.
運行開始は10/14の下関始発9:30の岩国行きとなります.
模型的に見ると,復刻瀬戸内色の編成はベンチレーター(および,3500番台の場合は強制換気装置)が撤去されていることが特徴といえます.
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230830_00_press_revival.pdf
「やくも」関連
こちらは2点です.
- 同じく「懐鉄」シリーズとして,いわゆる「緑やくも」が復活します.初列車は11/5のやくも10号で,その後11号・28号・29号で運用されます.こちらも秘密裏(とはいえませんが)に計画が進められており,「やくも」の復刻塗装は3編成目となりました.11月までは「ゆったりやくも色」のモハユニットを組み込んだ6両で,それ以降はこの緑やくも4両での運行が基本となります.他の2編成と異なり,固定運用はありません.また,10/28に実施される予定の後藤総合車両所の公開で公開されます.模型的に見ると,ナンバーの構造が異なりますが,だからといってKATOの「復活緑やくも」の製品化の要望を行うことができません.KATOではすでに「緑やくも」を製品化しており,すぐに製品化すると,主に量販店を中心に混乱する可能性があります.
- その381系を置き換える273系には,「セミコンパートメント席」が用意されますが,専用ロゴが用意されること,その料金が普通車指定席と同額であることが発表されました.なお,2名用は2名で,4名用は3〜4名での発売であり,1名では利用できません.
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230830_00_press_yakumo_revival.pdf
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230830_00_press_yakumo.pdf
2024/3/16開業 北陸新幹線関係
北陸新幹線 金沢〜敦賀の開業日は2024/3/16になりました.おそらく,同日にJR各社でダイヤ改正が行われるものと思われます.
金沢〜敦賀での運行形態は以下の通りです.
- 「かがやき」は東京発着で,金沢〜敦賀で途中福井駅にのみ停車する列車が5往復,他の駅にも停車する列車が4往復用意されます.整備新幹線では,新規に開業した駅では東京駅または新大阪駅へ直行する列車が少なくとも1往復用意される慣例があります.ただし,金沢発着の列車も含めて,定期列車は新高岡には停車しません.
- 「はくたか」は,少なくもと上越妙高〜敦賀が各駅停車となる列車が5往復用意されます.
- 「かがやき」「はくたか」は敦賀駅で「サンダーバード」「しらさぎ」とは接続しません.北海道・秋田・山形方面の遅れを関西地区に波及させないという点では妥当な判断です.
- 「つるぎ」に関しては,敦賀〜富山で途中福井・金沢・新高岡にのみ止まる列車が5往復,各駅に停まる列車が13往復設定されます.金沢発着では速達型が4往復,各停がたが5往復です.その25往復全てが,敦賀駅で「サンダーバード」「しらさぎ」を受けます.
- また,在来線の特急と接続しない「つるぎ」が朝夕に合計5本用意されます.事実上の「ダイナスター」などの後継列車です.
- 「サンダーバード」「しらさぎ」は敦賀止まりとなります.場合によっては「しらさぎ」は途中の駅に停車しない列車があるかもしれません.
- 北陸新幹線と接続できない「しらさぎ」1往復は廃止になります.
- 「能登かがり火」は「サンダーバード」からの立て替えも含めて5往復が維持されます.
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230830_00_press_hokurikushinkansen.pdf
http://www.ishikawa-railway.jp/info/712
ちなみに,北陸新幹線の開業日は,本日の北國新聞・福井新聞などで報道がなされていました.
まとめ
北陸新幹線の運行については,「かがやき・はくたか」の延長と「サンダーバード・しらさぎ」の立て替えという側面を両方とも生かし,輸送能力が激増する形となりました.「かがやき・はくたか」が「サンダーバード・しらさぎ」に接続しないのは残念ですが,最悪の場合,北海道のダイヤ乱れを関西に波及することになりかねないのでこれで良いのではと思います.新快速の拡充も予想でき,ダイヤ改正の詳細発表が楽しみになりました.
一方,実は273系は8/30時点で落成していません.場合によっては,273系のデビュー・381系の引退が2024/3/16ダイヤ改正でなされないということも容易に考えられます.
筆者の対応について
- 10/14は「第55回鉄道もけい展示会」を開催する予定です.所定の時刻では,下関9:30の列車は大畠駅に12:54に到着し,折り返しの列車は大畠駅に14:11に到着します.撮影の絶好の機会といえます.ぜひ,大島大橋での撮影の前に「鉄道もけい展示会」にお越しください.いずれも「鉄道もけい展示会」の終了後になります.
- 筆者はこの記事の執筆時点で,2024/3/15泊の出雲市駅および金沢駅の徒歩圏となるホテルをすでに予約しています.まだ予約を受け付けていないホテルも多々ありますが,3/15泊の出雲市・金沢市のホテルで1万円以下で宿泊することは難しくなっているかもしれません.他の筆者の行動にもよりますが,可能であればいずれかは訪問しようと思います.よろしくお願いします.
追記:JR西日本宮島フェリーについて
JR西日本宮島フェリーについての制度変更も実は8/30に発表されていましたので,8/31に,この記事に追記します.
JR西日本宮島フェリーでは「PASPY」を使用していましたが,9/13に「ICOCA」に切り替わります.ICOCA定期券も発行できます.改札方法も,下船時ではなく乗船時に行うことで統一されます.
また,10/1からの「宮島訪問税」導入に伴い,宮島の桟橋でJRの駅へ行ける切符は9/30 19:00ごろで買えなくなります.
「乗りものニュース」の報道によると,「青春18きっぷ」などでの航路利用は運賃のみ有効で,乗船する場合は別に「訪問税」専用のきっぷを購入してきっぷと共に提示する形となります.宮島も外国人観光客に非常に人気の高い観光地ですが,「ジャパンレールパス」でもそのようになると思います.ご注意ください.
なお,「宮島訪問税」は1回の訪問につき100円です.未就学児・住民・通勤通学者・障害者・修学旅行など学校行事としての訪問(大学のぞく)には課税されず,複数回訪問する業者などの訪問者に対しては事前の申請で500円/年になる制度があります.
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230830_00_press_miyajimaferry_icoca.pdf
https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/110/59551.html