KATOのオシ17 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

 

明日は1月7日です.本日はKATOから発売されたオシ17を紹介します.1960年代までの特別急行・普通急行列車には欠かせない車両でした.

10-1422 6号車

当初は「かもめ」などの特別急行列車用の食堂車として使用されていました.筆者は持っていませんが,青大将の製品にも入っています.

10-1301 8号車

1960年代には普通急行列車に使用されるようになりました.

この時期が最も輝いていた時期かもしれません.

5065 2018号車

過去に単品売りされていたものです.非常口はなくなっています.所属は「大ミハ」で,急行「きたぐに」などで使われていました.

ところで

このオシ17は,1972年に北陸トンネル内で火災事故を起こしたことで有名です.「きたぐに」で運用中,電気暖房装置の漏電(「石炭レンジやタバコの火の未始末」ではありません)により発火した2018号車はトンネル内に停車.救援に手間がかかり,最終的には30人もの犠牲を伴う大事故となりました.この事故をきっかけに車両の難燃化,トンネル内での連絡・確認方法確保などが行われました.一部の長い鉄道トンネルに蛍光灯が付いているのこのためです.そして,オシ17は1両(当該車;警察の捜査のため)を除き全廃となりました.

さらにところで

実は1969年に「日本海」の電源車が北陸トンネル内で出火,その際にはトンネルを出てからの緊急停車する事故がありました.その際の機関士は規定違反ということで処分されていたと伝えれられています(のちに撤回).利用者を守る判断をするということがいかに重要かということがよくわかります.これを教訓に,現在の車内にあるSOSボタンは「トンネル内では使用しないでください」という但し書きがあります.

 

KATOは,この事故当該車を製品化してしまったことになります.この形式に限らず,10系寝台車の単品売りは長らくされていません.最も,今回紹介した製品である「客車急行シリーズ」はいずれも優秀な製品です.5月には「きたぐに」も登場しますが,「きたぐに」として出すには既存のセットも利用する「客車編成セット」として企画されてしまったことが,「客車編成セット」として企画されるにはもっと適切なモチーフがあったのではないかという点はあったのではと思う点でやや残念と言えます.

末期の寝台普通列車ですとか,20系1000番代ですとか,C57 1用集煙装置を封入した国鉄時代の「SLやまぐち号」ですとか.

(「きたぐに」の製品に「オシ17」を入れるのは上述の関連で難しいと思います.)

 

参考: