物流の危機に立ち向かった愛知機関区の機関車たち | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

本日は,「平成30年7月豪雨」による山陽本線の不通により設定された,伯備線・山陰本線・山口線経由の貨物列車(以下「迂回貨物」)が山陰本線・山口線に入線してから,ちょうど1年に当たります.豪雨が発生したのは2018/7/7ですが,その直後から国土交通省・JR西日本・JR貨物が周到に検討・準備され,第二種鉄道事業免許取得・訓練運転が実施,そして,1年前の本日,ついに列車が山陰本線・山口線にやってきました.

JR貨物のニュースリリースは以下をご覧ください.

(URL無効にご注意ください.JR西日本も同様のリリースを出しています.)

https://www.jrfreight.co.jp/storage/upload/66c2a0b89432238f368fa0293a3caf38.pdf

 

山陰本線・山口線をコンテナ貨物列車が走るには,法令以外にも課題が多く,「本当に走らせるのか」と疑問に感じていましたが,実際に運行されました.運行期間中の沿線での大変なフィーバーぶりは記憶によく残っています.結局,山陽本線復旧直後に再度台風の被害があったため,10/11まで運行されていました.日程の後半では警察によるマーク(スピード違反・駐車違反など)が厳しく感じました.

 

そして,この列車の運行により,本来山口県では走っていない車両の模型製品が,山口県内でもよく売れました.

当然,筆者も購入しています.

KATO 7008-A DD51 800 愛知機関区 JR貨物色

これまでのKATOのDD51よりよくできていると評判の製品でした.迂回貨物には857・1802・1804号機が使用されていましたが,製品では1802・1804号機が再現できます.1804号機のスカートも付属しています.

TOMIX 98990 JR EF64-1000形電気機関車(1001号機・1028号機・復活国鉄色)セット

 
迂回貨物運行時にはたまたま1028号機が伯備線の運用に入っており,ラッピング・ヘッドマークを用意して運用されました.
他のEF64にもラッピングが用意されました.
列車としては名古屋貨物ターミナル〜福岡貨物ターミナルの運行で,機関車の送り込みとしてEF64がDD51ごと引いて伯備線を下っていき,その後はDD51が米子駅・門司機関区を拠点に1日1往復するという形で運行されました.
幡生機関区〜門司機関区はEH500がDD51ごと牽引していました.
貨車はコキ104型のみの6〜7両でした.
タンクコンテナが搭載されていることが多く,重量があり,比較的速く輸送する必要があり,かつ事故の際の危険(爆発・炎上など)が比較的高いために,航空機でも船舶でも自動車でも輸送できない貨物があるということを考えさせられます.

実車の写真

思えば,よく撮りに行ったものです.
現在は「日本丸・海王丸」旅行の連載を行っていますが,こちらに関しても今後詳しくお伝えできればと思っています.
 
この記事を書いている日も,佐賀県を中心とした大雨が続き,鉄道網でも佐世保線・筑肥線(西部)・松浦鉄道を中心に大きな被害が出ています.
このような被害をもたらす大雨・台風・地震などの災害が起こらないに越したことはないのですが,これは避けられません.これらの災害が起こった際に,その被害・影響・復旧を最小限にできるかどうかということは,よく考えなければならないです.
 

動画

筆者が迂回貨物を撮影した動画です.全ての動画に高い反響をいただいています.

 

 

 

 

 

 

 

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おまけ

実際には運行されませんでしたが,この塗装の車両にもラッピングを作ってみました.

 

※これらの車両は愛知機関区所属です.従って,テーマは「【模型車両】静岡・名古屋」になります.

 

2019/12/27 追記:

今回活躍した機関車が,2020年5月に再生産されます.詳しくはこちら