メーカーの熟考の産物 KATO 10-1505 四国2000系 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

先日の,KATO社員によるジオラマ教室の際に,JR四国2000系(以下四国2000)の商品構成について尋ねてみました.この製品群には「客用ドア窓が小窓で,アンパンマンラッピングがされていない2004号車が『しおかぜ』セットに含まれている」ため,背景が気になっていました.実際に運行されたとは言い難い編成が製品化されていることについては受注開始時の記事(最近でもこの記事はよく読まれています)に書きましたが,その裏にはメーカーの熟考がありました.

 

もともと,KATOは四国2000を製品化すると決めた後,当初は「南風」「しまんと」を軸に商品展開を検討していたようです.客用ドアを小窓にしたのは,子供や子育て世代の方,現在の旅行者にとってより印象深い現在の姿にするためだそうです.そのようななか,地元の要望により,「しおかぜ」が追加されることになりました(これに関しては愛媛新聞にも掲載されたことがあります).「しおかぜ」の場合,客用ドアを小窓にすると編成・時代の組み合わせが限られてしまいます.だからといって客用ドアを大窓にする考えはなかったとのことでした.「しおかぜ」は1回限りの特別企画品となりました.

客用ドア小窓の車両が並べられて,客用ドア大窓の車両では並ばない車両は,後継となる四国8600,四国2700程度です.客用ドア大窓でも,四国2000の大まかな印象は変わらないですが,いずれにしても意見・要望が大きく出ることは想像にかたくありません.

メーカーで抱えられる金型・製品数は限られます.メーカーにおいても熟考の末の決断だったことがよくわかりました.

 

このようなメーカーの苦労話を聞くと,とたんに特別企画品「10-1505 『しおかぜ・いしづち』7両セット」が欲しくなりました.

本当によくできています.

結局「2004号車」は,「南風」にしました.4両セットもお持ちの方は,「2009号車」を「しおかぜ」にする方が自然な編成になります.

ボディーAssyパーツは高額な設定でしたので断念しました.四国2000の1両組が欲しい場合は,むしろセットを購入する方が良いと思います.販売店によってはバラ売りもされているかもしれません.

岡山・高松方の先頭車2100型です.連結できるカプラーに変更,さらに「しまんと」に変更しました.後でホロと電連パーツを用意しないといけません.

筆者はマイクロエース製品も持っていますので比較してみます.

下部の膨らみが,KATO製品の方がそれらしいです.

全体的にはKATO製品がよくできています.時代設定の違いから,マイクロエース製品も当分の間は持っておこうと思います.

 

KATOの四国2000は,メーカーの想定としてはよく売れており,3両セットと7両セットはメーカー完売となっています.4両セットは在庫を多く持つようにしたため,今年中は入手できるチャンスがあるかもしれません.さらに「N2000」などのバリエーション展開も期待できそうです.

 

...このセットを買うかどうかは発売後もずっと悩んでおり,その予算できたぐに旧塗装を購入していました.結局両方とも購入していましたが,コレクションの質を高めることができたので満足しています.そして,少しでも車両を活かすための改造なども行なっていこうと思います.

(当ブログでの改造は,基本的にKATO・TOMIX製のパーツを使用し,比較的容易に元の製品に戻せる内容になります.)

 

※この記事の内容の記事化については許可を得ています.

 

2020/7/3 追記:

おかげさまで,この記事は大変よく読まれています.

四国N2000系もKATOから製品化されることになりました.こちらです.