◇吹奏楽の夏ですね!
夏ですね。
全国各地で、
中学生、高校生たちの吹奏楽コンクールが、
盛んに行われています。
この季節になると、
私はどうしても高校時代のことを思い出します。
吹奏楽コンクールというのは、
単なる音楽の競技ではないのですよね。
特に3年生にとっては、卒業を控え、
そのメンバーでコンクールの舞台に立つ、
最後の日になることもあります。
だからでしょうか。
この時期の中高生の演奏には、
技術だけでは説明できない、
想いの籠ったエネルギーがあります。
「このメンバーで、少しでも先へ行きたい」
そんな想いが音になって聞こえてくる。
私は、そんな演奏が大好きです。
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◇私にも、全国大会を目指した夏がありました
今から40年以上前。
私も高校生の頃、
母校の磐城高校で、吹奏楽に夢中になり、
仲間たちと全国大会を目指していました。
高校2年生の時に演奏したのが、
レナード・バーンスタイン作曲、
👉『ウエスト・サイド・ストーリー』
でした。
吹奏楽版に編曲してくださったのは、
昨年亡くなられた恩師、根本直人先生。
根本先生から伺った話では、
その編曲については、
バーンスタインさん本人に手紙を書き、
許諾をいただいたそうです。
今のようにインターネットもメールもない時代です。
世界的な大作曲家に手紙を送り、
許諾を得て編曲する。
根本先生らしい情熱を感じる話です。
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◇「Somewhere」という美しい音楽
『ウエスト・サイド・ストーリー』には、
たくさんの名曲があります。
その中でも、私が忘れられないのが、
👉「Somewhere」
です。
※この演奏、ナディーン・シエラさんの歌が凄いです…
是非、お聴きください。
作曲はレナード・バーンスタイン。
作詞はスティーヴン・ソンドハイム。
対立や偏見によって引き裂かれていく世界の中で、
“There’s a place for us, Somewhere…”
――私たちのための場所がある。
どこかに、私たちを受け入れてくれる場所がある。
そして、その場所には、
平穏と静けさ、そして広がる空が、
二人を待っている。――
そんな願いが歌われています。
なんとも感動的な詞ですよね。
現実の世界には、
人と人との対立がある。
偏見がある。
争いがある。
それでも、
👉「いつか、どこかに、私たちが共に生きられる場所がある」
と信じる。
バーンスタインの美しい旋律と、
ソンドハイムの言葉が重なって、
切なさの中から、
少しずつ光が差してくるような音楽です。
聴くと、
ちょっと泣けてしまいますね!
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◇高校生だった私にも響いた「Somewhere」
高校生だった私は、
まだ、人生経験などありません。
それでも、
この曲の持つ世界には、
何とも言えない魅力を感じていました。
そして何より、
演奏していて、本当に気持ちがいい。
静かに始まった音楽が、少しずつ広がっていく。
👉「どこかに、きっと場所がある」
という願いとともに、
音楽そのものが輝いていく。
私には、そんなふうに感じられました。
全力で演奏した、あの「Somewhere」。
あの輝くような響きは、
今でも忘れることができません。
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◇同点3位。そして……
私たちは、バーンスタインさん公認の、
『ウエスト・サイド・ストーリー』
を引っ提げて、東北大会に駒を進め、
全国大会を目指しました。
本気でした…
そして、東北大会の審査の結果は、
同点3位が2校。
そのうちの1校がうちの高校でした。
しかし…全国大会へ進めるのはたったの3校。
協議の結果、
同点だった秋田の高校が全国大会の代表となりました。
私たちは、全国大会へ進むことができませんでした。
悔しかったですねぇ![]()
本気で全国を目指していましたから。
あと一歩。
しかも、同点。
高校生だった私たちにとって、
その結果を受け入れるのは簡単なことではありませんでした。
盛岡のホテルで、
みんなで大泣きしたことを覚えています。
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◇でも、40年以上たって残っているもの
あれから40年以上が過ぎました。
全国大会へ行けなかったという「結果」も、
もちろん覚えています。
でも、
それ以上に鮮明に残っているものがあります。
それが、
👉「Somewhere」の響き
なのです。
あの時、
仲間たちと一緒につくった音。
根本先生の編曲。
そして、
音楽が大きく広がっていった時の、
あの輝くような響き。
全国大会には行けなかった。
でも、
あの音は、
今でも私の中に残っています。
※これは、東北大会の翌年の5月の定期演奏会での演奏です。
画像と音質が、とても悪いですが、是非お聴きください。
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◇私の中では、今も鳴っている
今年も、
吹奏楽の夏がやってきました。
全国大会を目指している皆さんには、
ぜひ、全力で演奏してほしいと思います。
勝っても、
負けても、
その音楽は、きっと皆さんの中に残ります。
高校2年生だった私たちは、
全国大会には行けませんでした。
でも、
“There’s a place for us, Somewhere…”
あの日演奏した「Somewhere」の、
あの輝くような音は、
40年以上たった今でも、
私の中で鳴っています。
音楽というのは、
不思議なものですね。
たった数小節の旋律を思い出すだけで、
一瞬にして、
高校生だった自分に戻ることができる。
仲間たちがいて、
根本直人先生がいて、
全国大会を本気で目指していた、
あの夏へ。
今年もまた、
全国各地で、
そんな「一生忘れられない音」が、
生まれているのでしょう。
吹奏楽の夏ですね!
