【ヒメアノ~ル】は古谷実先生によるマンガを【犬猿】の吉田恵輔監督が実写化したR15+指定作品です。
ビル清掃会社で働く青年・岡田進(濱田岳)の平凡な日常が彼の恋人・ユカ(佐津川愛美)をストーキングするサイコキラー森田正一(森田剛)の凶行と交差していくさまを描いた異色作になっています。人間を“ターゲット=餌”としか思わない殺人鬼役を森田剛さんが震え上がるほど残酷に演じてくれていました。
タイトルの【ヒメアノ~ル】は小型爬虫類のヒメトカゲのことで強い者の餌になる弱者を意味しているんだそうです。映画化に当たり狂気の連続殺人鬼役にV6の森田剛さんが抜擢されました。
まずは映画の予告編からどうぞ🦎
🦎森田正一(森田剛)
岡田の高校時代の同級生。金髪が特徴的。ユカが働いているカフェには通っていないと言いつつも安藤の事をよく知っていて話のつじつまが合わないようなところがある。高校時代にイジメを受けていたが中心人物の河島(栄信)を殺害後、性格が豹変。家族に暴力を振るったり友人だった和草に対して大きな態度を取るようになった。シリアルキラーであり何の躊躇もなく他人を殺す。
🦎岡田進(濱田岳)
清掃会社でバイトをしながら趣味も恋人もいない毎日を悲観してだらだらと生活している。背が小さい事やアイ(信江勇)から言われた「器が小さい」という言葉を気にしている。「ノー」と言えない性格。一度ミスをかばってくれた安藤に頼まれユカと仲良くなる手伝いをすることになる。高校時代に最初に仲良くなったのが森田だったがイジメが始まってから距離を取りイジメに加担してしまった事を気に病んでいる。
🦎阿部ユカ(佐津川愛美)
安藤の片思い相手。ストーカー被害を受けていて犯人は森田だと思っている。毒舌の幼馴染アイ(信江勇)とは幼稚園の頃からの付き合い。将来の夢はお嫁さんになること。タイプの岡田に一目ぼれし告白後は積極的に行動を起こす。
🦎安藤勇次(ムロツヨシ)
岡田のことを「岡村」と間違えるなどどこか抜けている岡田のバイト先の先輩。ユカに強烈な片思い中で運命の人だと信じておりユカを「天使ちゃん」と呼ぶ。時々すごくいい事を言うが基本的には挙動不審の変人。
🦎和草浩介(駒木根隆介)
森田と一緒に河島からイジメを受けていた男性。太っている。同僚の久美子(山田真歩)と婚約中。会社からお金を横領し森田に渡している。河島殺害に関わっていて森田の言いなりになっている。
🔵【ヒメアノ〜ル】のあらすじです。
【起】
バイト先の先輩安藤から好きな人がいると聞かされた岡田。そしてカフェで働く安藤の片思い相手を見に行く。そこで偶然、高校時代の同級生、森田と再会した岡田。安藤は、森田がユカを狙っていると思い込み、岡田に探りを入れさせる。森田と岡田は連絡先を交換した。森田はその日、初めてカフェに来たらしい。
それを信用しない安藤は岡田にユカの周辺を探るよう頼み込む。翌日、カフェの前にいた岡田はユカに声をかけられる。
その後、安藤と岡田はユカの身辺警護を始める。森田と飲む約束をした岡田はさりげなくユカのことを聞く。森田は言っていることが矛盾していたりどこか様子がおかしかった。
周辺警護をはじめて1週間後、安藤と岡田とユカ、ユカの幼馴染アイ(信江勇)を交えて飲み会を開く事になった。しかしアイはユカには好きな人がいると言う。頼み込まれてユカに安藤の気持ちを教える岡田だったがユカは岡田の事が好きだったのだ。
【承】
無断欠勤が続く安藤の様子を見に行く岡田。安藤は親友の岡田がユカを奪ったらチェーンソーでバラバラにすると笑う。安藤の部屋にはチェーンソーが置いてあった。
ユカに事情を話すとこっそり付き合えばいいじゃないですかと提案される。そして2人は安藤に隠れて付き合う事になった。
一方、森田からお金を脅し取られている和草。
会社の金を横領するようになり婚約者に事情を話すよう迫られる。
高校時代、クラスメイトの河島(栄信)からイジメられていた森田と和草。卒業間近になり森田は河島を拉致。和草を呼び出して河島を殴らせ最後は森田が河島を殺害。
森田は別人のようになってしまっており和草にお金をせびったり周囲に暴力をふるうようにもなった。デートの後、岡田はユカの部屋で童貞を捨てた。ユカの体験人数を聞き初体験の年齢を知ってショックを受ける岡田。
ユカのストーカーだった森田は2人が結ばれたと知って岡田を殺そうとする。その連絡を受けた和草は警察に自首しようとする。しかし婚約者の久美子は森田を殺せばすべて丸く収まると考えたのだ。和草と久美子は森田を殺そうとするが逆に森田に殺されてしまった。
【転】
和草と久美子の遺体を燃やし住む部屋を失った森田。岡田とユカが付き合っていると知らない安藤はユカへの想いを募らせる一方だった。
ユカが岡田の家に泊まった日、森田はユカの部屋のドアを執拗に蹴り続けた。その様子を目撃していた隣人から話を聞かされ怖くなるユカ。
安藤はユカに告白する決意を固める。黙っていられなくなった岡田はユカと付き合っていることを安藤に告げる。
警察が当てにならないと知りユカは岡田の部屋に避難することにした。
一軒家に住む井上夫妻を殺害し家に住み始めた森田。怪しんだ警官が様子を見に来るが井上はいま入院していて自分は弟だと言い張った。
その後、家に上がり込んだ警官を殺害し銃を奪った。同じ頃、森田は幻聴に悩まされるようになっていた。ユカが姿を隠したと知った森田はユカが住んでいた部屋の隣人を殺害。
井上家の事件も明らかになり和草と久美子の死にも森田が関わっていると警察は考えていた。
警察に行った岡田はそれを聞かされる。
【結】
安藤は何とか一命をとりとめた。
その後、岡田と暮らす部屋に帰ったユカの前に森田が姿を見せる。帰宅途中だった岡田の携帯に実家の母から着信が入った。実家の母は森田に騙され岡田の住所を相手に伝えてしまっていたのだ。岡田は警察に通報後急いで部屋に帰る。レイプされそうになっていたユカを助け、過去の行いを謝罪する岡田。
しかし森田はその事をよく覚えていなかった。
パトカーのサイレンに気を取られた森田と共に2階にある部屋の窓から飛び降りた岡田。近くに止まっていた車の運転手を殺害しその車に岡田を乗せて逃亡を図る。しかし散歩中の犬を避けようとして車は事故を起こしてしまう。
片足を失った森田は事故で記憶を無くしたのか善人だった頃に戻ったのか、高校生の時仲が良かった頃のように岡田に笑いかけた。
そして岡田は気を失ってしまった。
🔵邦画としては短めの99分という枠の中に、前半はラブコメ風映画を、後半は森田剛さん中心になるグロすぎるサイコキラー映画の2本立ての様な今まで観た事の無いタイプの映画を見せて貰いました。視聴する前からエログロ注意とのレビューは読んで少しばかりは覚悟してたんですよね。
たしかに森田剛さん、無差別殺人も込みこみでたくさんの人を殺しまくります。R15指定なのでそれなりにキツい場面は多々あり、苦手な方も多いかとは思うんですが、いや〜森田剛さんってこんな演技出来ちゃう凄い逸材だったのに今まで映画界は気付かなかったの?ドラマだと【ランチの女王】や【喰いタン】などなどチャラいお兄ちゃん的な役柄が回って来てましたよね(私が知らんだけかもなので森田剛さんファンの方、ごめんなさい💦)
映画【ヒメアノ〜ル】が始まって最初の方、一目惚れなんだ〜❣️あなたの方が好き
❣️気味悪い人にストーカーされてるんだよね
……のこれってラブコメじゃないのかとも思わせてくれた30分強、突然映画の中盤にタイトルコール【ドーン】で違うタイプの映画に観客を無理やり(笑)引き擦り込みました。この演出も新鮮で好きです。
🔵原作とは違うラスト。
警察から追われ、怪我をしている岡田を人質に車で逃走する森田。と、その時に目の前に犬が出て来る。森田は犬を避けようとして電柱に激突してしまいます。
大怪我をした森田は高校1年生のあの懐かしい頃の自分に意識が帰ります。
「岡田くん?」「岡田くん、来てたんだ」
「そうだ、借りていたゲームを返さなきゃね」
「あれ?ゲームどこにやった?」
「おかあさ〜ん!麦茶2つ持って来て!」
事故で頭から血をダラダラ流しているのに、岡田くんがかつて言っていた【昔の優しい森田くん】がそこにいました。逃走していたさっきまでの悲しく怖い叫び声をあげていた森田の影は無かったんです。森田は高校1年生のあの穏やかだった日に1人だけ取り残されたみたいでした。当時犬を飼って可愛がっていたから思い出が蘇ったんだね。
警官2人に両脇を掴まれ運転席から引き摺り降ろされた森田の片足は潰れていて頭からは血が流れているのに全く痛がる素振りは見せず、岡田に笑ってこう言ったんです。
「岡田くん、またいつでも遊びに来てよ」
力なく頷いた岡田の「うん...」は森田の心に届いたのか、この【ヒメアノ〜ル】も視聴者にラストを委ねる形で幕を閉じます。
最後に森田の人間らしさを見られて安心した反面、森田の今までのキツいバックボーンを考慮しても、記憶喪失になってしまったかも知れなくても、殺された遺族の気持ちになると
凶悪な殺人事件を起こしているのに【心神喪失】で刑事責任を免れたりしないで欲しい。実際の事件でも良く聞く話ではあるけどもし自分が遺族、ことに父親、母親だったら自分の子供にされた事と同じ形で死んで欲しいと思うんじゃなかろうか。それが不可能とは分かってはいるけど。ただ、森田剛さんはこの救いのあるラストだったから【ヒメアノ〜ル】の出演を受けたそうです。
暗いブログ内容で終わりたくないので森田剛さんが出演していたヒットした【喰いタン】主題歌の【愛しのナポリタン】を聴いてホントの剛くんを思い出そうじゃないか🍝