【ラヂオの時間】などで知られる脚本家、三谷幸喜さんの映画監督8作目となるオリジナル作品になります。国民から嫌われ史上最低の支持率を叩き出した総理大臣が記憶喪失になったことから巻き起こる騒動を描いたコメディ映画です。主演の中井貴一さんほか、ディーン・フジオカ様、石田ゆり子さん、佐藤浩市さんなど豪華キャストが脇を固めたエンターテインメント作品でした。
映画のキャスト相関図は
あれれ〜今日は写真がないよ〜。
探しても探してもこれしかありませんでした。ごめん🙇
映画のあらすじです✒️
【起】
〝この物語はフィクションである。
登場する人物名、団体名、国名はすべて架空のものである。
実在するものと似かよっていたとしても、それは…
たまたまである。〟
夜、東京都の大学付属病院の病室で目覚めた男(中井貴一)は痛みに思わず声を漏らします。上半身を起こした男はベッドの上の自分の身体にたくさんの点滴の管が繋がれていることに驚きました。廊下から顔を覗かせると自分を見た黒服の男たちがいっせいに「あっ」という声をあげるので男は驚いて病院を抜け出します。パジャマ姿で歩く男は都会の雑踏には目立ちました。
男には自分に関する記憶がありません。酔っぱらいのサラリーマン(近藤芳正)が自分に対して文句をつけてきましたが男にとっては意味不明なことでした。男は慌てて食堂に入り込みます。
食堂の客たちもパジャマ姿の男に一斉に注目していました。食堂で流れているテレビのニュースを見た男はそこに自分の顔を見つけます。ニュースでは男は総理大臣と言われていました。
店主(阿南健治)は男の顔を見て会計はいらないと言います。
追い出されるように食堂を出た男は通りがかった警察官・大関(田中圭)に見とがめられました。大関が男を「誰かに似てるな」と言っていると交差点の中央で黒塗りの車が大関と男を囲みます。男はそうして連れ去られました。
男は第127代内閣総理大臣の黒田啓介でした。啓介は史上最枠のダメ総理として日本国中から嫌われていました。
啓介が率いる内閣の支持率はわずか2.3パーセントです。
啓介は前の日、演説中に市民から投石を受けて頭にケガを負ったのです。
それがもとで啓介は記憶喪失に陥っていました。記憶喪失になる前の啓介は数々の暴言と失態でさんざんでした。
国会における討論では都合の悪いことは「記憶にございません!」とごまかし女性に対しての差別発言を連発しても謝罪することがありません。
啓介はそれらを首相秘書官の井坂(ディーン・フジオカ)に映像を見せられながら教わります。いかに最低のダメ総理といえど記憶喪失になるのは都合が悪いと考えた井坂はこのことを伏せておこうと考えました。
当面は首相秘書官の井坂、事務秘書官の番場のぞみ(小池栄子)、秘書官補の野々宮万作(迫田孝也)の3人だけの秘密にしようと決めます。
啓介は自信がありませんがそこへ早速災難が舞い込みます。内閣官房長官の鶴丸大悟(草刈正雄)が啓介に会いに来たのです。頭が真っ白になった啓介は鶴丸にひとことも発言できませんでした。ところがしゃべらないことで鶴丸に啓介の記憶喪失がばれずにすみました。井坂は啓介にそれでよいと言います。帰宅した啓介は料理人の寿賀(斉藤由貴)を紹介され自分の妻だと思ってハグしてしまい変な顔をされます。
妻・聡子(石田ゆり子)と義兄・鰐淵(ROLLY)、息子の篤彦(濱田龍臣)を見ても、啓介の記憶は戻りませんでした。
啓介は聡子と仲良くしようとしますが夫婦の仲はとっくの昔に冷えていたらしく聡子は接点を持とうともしません。10代後半の息子の篤彦も啓介を意に介さずゲームをして過ごしていました。案内してくれた番場に礼を言うと、驚かれます。
いままで啓介にお礼を言われたことがないと番場は言いました。
こうして啓介は記憶がないながらも総理としてふるまい始めます。
翌日、囲み取材を受けた啓介は転倒した女性記者の手を引いて起こし気遣う言葉をかけます。啓介は自然にそれをしたのですが記憶を失う前の啓介は傍若無人だったようで記者たちはみんな不気味がります。
閣議に出た啓介は来月のあたまに米国大統領(木村佳乃)が来日すると知りました。午後からは山西あかね議員(吉田羊)と会う約束になっていると聞いて啓介は出かけていきます。
山西となんのために会うのか啓介は当然ながら覚えていません。
山西は初当選のときの同期でもとは同じ党に所属していた女性議員でした。現在は野党第二党の党首を務めています。部屋に通された啓介は山西と不倫関係にあったと知り驚きました。急いでその場から退散しました。
【承】
同じ頃、井坂は啓介の幼馴染の建設業者・小野田(梶原善)から啓介の代わりに賄賂を受け取っていました。
記憶を失う前の啓介がいつもしていたことだからです。自分のことをもっと知りたい啓介は義兄の鰐淵に「自伝を書く」と言って聞きます。
啓介はもともと一介の議員でしたが鰐淵の父が内閣総理大臣を務めるほどの政治家で聡子と結婚した啓介が後継者になったと知りました。
鰐淵も衆議院議員でしたが実子である自分を差し置いて父が啓介を後継者に選んだことにコンプレックスを抱いていました。
古参のフリーラーター・古郡祐(佐藤浩市)に呼び出された啓介は会話のはしばしからどうやら自分は写真をネタに脅されていると気づきます。
しかし何をもとに脅迫されているのかが分かりません。
証拠の写真が入ったメモリーカードを渡されたそうなのですが手元にありません。帰宅した啓介は探しますが見つかりませんでした。息子の篤彦が未成年にもかかわらず夜遊びで飲酒をし警察に補導されました。
篤彦は井坂と番場が迎えに行きました。井坂は息子の補導の件は啓介の耳には入れずにいました。それが篤彦としては不満だったようです。
啓介に投石した人物が残っていた監視カメラの映像から判明しました。
昔気質の大工・南条(寺島進)です。
投石した理由を聞かれた南条は政府に不満を持っていました。
最近はパソコンで図面を引く者が重宝される世の中で昔からの大工が軽んじられていることに南条は不満を持っています。80歳を過ぎても現場に立っていた松ジイが負傷して働けなくなり生活保護で生活しているのですが国が手厚く保護をしないことに対し南条は松ジイの代わりに怒っていました。
「本当に困っている者の暮らしを考えたか?見てみたか?」といきどおる南条に啓介は「あなたのおかげで生まれ変われました」と感謝をします。
記憶を失ったことで総理としてのありかたを再考できたと思った啓介はこれからの道を考えます。
啓介は小学時代の社会科の恩師・柳(山口崇)を呼びました。記憶を失ったことを話し政治について教えてくれと頭を下げます。
柳は「総理大臣に政治を教えるなど、教育者としてこれほどの名誉はありません」と言い1から啓介に教え始めました。番場もいっしょになって啓介とともに授業を受けました。
政治に真摯に向き合おうとする啓介の姿を見て番場はいい印象を抱きます。
啓介が一度断ったはずの製菓会社の献金を井坂が仕切っていました。
それを知った番場は啓介に変化があると教えます。
井坂も半信半疑で啓介を見守ります。
【転】
山西に別れ話をした啓介は妻の聡子とやり直したいと思います。
聡子と篤彦と3人で食事をした啓介は自分は生まれ変わったと宣言しました。
聡子も篤彦も首をかしげますが啓介は見ていてほしいと言います。
番場、井坂、野々宮に対し啓介は「日本をよく変えたい。力になってほしい」と協力を仰ぎます。
そのためにはどうすればよいかと啓介が聞きますが反駁したのは井坂でした。井坂は啓介に記憶を失う前の啓介が立ち上げた「K2プロジェクト」がいかにくだらないものか話して聞かせます。K2プロジェクトは国会議事堂の横にスーパー銭湯のついた第2の国会議事堂を作ろうとする計画でした。
幼馴染の小野田にいい顔をしようとしてそんなプロジェクトを立ち上げたのです。それを聞いた啓介はK2プロジェクトを中止させると言いますが井坂は「無理だ」と答えます。
啓介は小野田をすぐに呼び出すと昔の話を持ち出して小野田を説得しました。すると小野田はあっさりと計画の中止を諦めます。
K2プロジェクトの中止を通した啓介を見て井坂も啓介に手を貸すと決めました。いまの国会のいちばんの問題は内閣官房長官の鶴丸でした。鶴丸を失脚させればよいのです。
それを聞いた啓介は先手を打ってまず会見を開きいままでの自分の失策をすべて謝罪しました。
そののちに古郡を呼んだ啓介は記憶喪失であることを告白し鶴丸のスクープを掴んでくれと頼みます。
古郡は1週間時間をくれと答えました。
米国大統領のスーザン・セントジェームス・ナリカワ(木村佳乃)が来日します。記憶を失い英語が分からない啓介に対し井坂は「me too(私も)で乗り切ろう」と助言しました。
いままではどうやら接待ゴルフと手料理を振舞う外交で啓介はスーザンをもてなしていたようです。
ゴルフも忘れた啓介に義兄の鰐淵が付け焼刃の特訓を施しました。
官房長官の鶴丸とともに啓介はスーザンとゴルフをします。
手料理ができない啓介は料理人の寿賀を拝み倒して料理を作ってもらいました。ここまでは多少ぎくしゃくしたものの啓介はなんとかやり過ごします。
食後、アメリカンチェリーの関税の引き下げをスーザンに求められた啓介は「日本の農家を守りたい」と断りました。鶴丸に注意されても啓介は毅然とした態度を貫きます。
啓介の態度を見た鶴丸は不審に思いました。ひそかに調べさせて啓介が記憶喪失だったと知ります。
【結】
アメリカに戻る前に啓介と共同会見をしたスーザンは啓介の態度をマスコミの前で褒めました。
率直に意見を言う啓介の態度を評価し新たな日米の関係を築くと言います。
会見は成功しましたが鶴丸は啓介の成功が面白くありません。啓介が記憶喪失だと知った鶴丸は啓介に「後進に道を譲れ」と辞職を勧めます。
大臣の名前が言えなければ失格だと言いパネル形式でクイズをしますが啓介は議員の名前と役職を完璧に言えました。鶴丸は口惜しがります。
その後古郡に写真を見せられた鶴丸は辞任しました。啓介は新しい内閣官房長官に義兄の鰐淵を指名します。
SPが増員されると知った啓介は希望を言って大関という警察官をSPにします。啓介が町に出たときに声をかけてきた警察官でした。
大関は大喜びし、張り切ります。
啓介が政治家として腕を振るおうとしたそのときスキャンダルが勃発しました。
啓介の妻・聡子と首相秘書官・井坂の不倫関係を示す写真が、雑誌に掲載されました。この写真は古郡が啓介を脅していた内容です。聡子は後ろめたく思い暖炉の裏にある隠しトンネルを使って家出しました。
啓介はスキャンダルを鎮火する方法を考え山西議員に協力を仰ぎます。
国会中継の党首討論の際に山西議員が聡子と井坂のスキャンダルを話題にします。コメントを求められた啓介は中継のさなかに妻の聡子に対して「やり直そう」と愛の告白を始めました。
国の政治を決める国会中継でしかも公の電波を使い私的な愛の告白をえんえんと続ける啓介は非常にクレイジーに映りました。そのおバカさが却って国民には好印象に映ったみたいです。
だれもがまさかの総理の行動に毒気を抜かれやがて笑顔になります。
家出した聡子はその中継を見て啓介のもとへ戻りました。
マスコミは聡子と啓介の復縁を話題にしました。中継を見た鶴丸だけは啓介を快く思わずスナイパー(川平慈英)の手配を頼みます。バルコニーから国民に手を振る啓介と聡子にスナイパーの影が近寄ります。
スナイパーはなんと啓介にパチンコで石をぶつけました。それにいちはやく気づいたのが大関でした。
石をこぶしで受け止めた大関はバルコニーから飛び降りて犯人を追いかけます。古郡は啓介の息子・篤彦が飲酒で補導されたネタを書けと言われますが「そこまでクズにはなれない」と断りました。啓介のスキャンダルの続報はもう出て来ないでしょうね。
夜、番場が啓介の前で啓介の幼いころの作文を読み上げます。
啓介は昔、総理大臣になりたいという夢を持っていました。
「内気で地味な自分には無理そうだが頭にボールが当たってもし記憶喪失になればちがう自分になれそう。ボールが当たらないかと望んでいる」
作文にはそう書かれていました。
作文を読んだ番場に対し啓介は記憶が途中から戻っていた事を認めます。
しかし敢えて記憶喪失のフリを続けていたのです。
啓介は番場に「これ(幼いころに自分が書いた作文と、記憶喪失から回復していたこと)は国家機密だ」と言いました。夜中まで机に向かって仕事をする啓介のところへ息子の篤彦がやってきます。おやすみを言ったあと、篤彦は「僕もいつか総理大臣になりたい」と啓介に言いました。
それを聞いた啓介は満足げに微笑みました。
【記憶にございません】みたいな政治家ばかりになれば良いのに。
中井貴一さんの演技がすごく上手くてあれ程独裁者だった総理の事をどんどん好きになってしまっていました。
映画の冒頭に出てくる記憶喪失前の暴君な総理とは別人の様に変わって謙虚で少し自信なさげなオドオドした感じが可愛い。中井貴一さんの周りを固めたキャストもみんなチョイ役でも個性豊かでしっかり爪痕が残っていました。
史上最低の総理が記憶喪失というかなり強引でインパクトがある冒頭から、三谷幸喜さんの作品だよなぁって感じられてすごく面白かったです。
私のツボは斉藤由貴さん。
不倫をリアルに何回もしようが、記者会見で天然な受け答えをしようが可愛いもんは可愛いんです。
奇跡のアラフィフです。いっときぽっちゃり期はありましたが(小公女セイラ辺りかな?)そん時も可愛かった。
これくらいのほほんの方が芸能人には向いてるんですよね。
ドラマや映画にいっぱい引っ張りだこな斉藤由貴さんをこれからも見たいです。
いま、揉めに揉めてる実際の国会のほとんどの人。
みんな1回記憶喪失になって、初心の心を取り戻して貰って、
それからちゃんとコロナ問題やら不正なお金やら、天下りやら、
【やり直し〜!】
が出来たら最高なのにな。って最後には思わされた映画でした。
明日は悪性リンパ腫の4週間置きの血液検査に病院に行ってきますね。
コロナよりガンが後回しにされているのでそれも含めて政治家には怒り心頭です(`‐ω‐´)
次はドラマです。また遊びに来て下さいね