小説:宇宙の旅シリーズ レビュー | のんびりクソレビューブログ

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宇宙の旅シリーズ

 

先月、自身もレビュー記事にて大絶賛したゴジラ-1.0が

第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞したことは記憶に新しい。

 

その中で、監督として受賞したのは山崎監督が史上2人目と言うことで

じゃあ1人目は誰なんぞや?というと

55年前にスタンリー・キューブリック監督が「2001年宇宙の旅」で

受賞していたということで職場の仲間と話題になった。

 

ということで実は自分は小説版を全部過去に読んでいるので

レビューするものもないのでやっていきます。

 

●2001年宇宙の旅

 

これが冒頭でも述べたスタンリー・キューブリック監督が

視覚効果賞を初めて監督として受賞した映画の小説版。

 

内容はほぼ映画なものの、映画では当時の映像技術で表現できなかったことを

小説ならではの自由度の高さで表現している。

 

例えば、映画では目的地が木星だが小説版では土星になっている。

というのも、当時の映像技術では土星の輪っかを表現できなかったので

映画では木星に変更された… とか。

 

その程度の違いはあれど大筋はほぼ一緒なのでよく

「2001年宇宙の旅はわけわからん」と言われるが

小説を読むとクリアに理解できる。

 

 

もちろん映画版を見て、わけわからん状態で小説を読めば

映像がはっきり脳内再生されるからそういった楽しみ方もできる。

 

これが制作された時代は月面着陸が目前だったこともあり

2001年になれば木星(土星)くらい行けるだろうと思われてたんだろうなぁと。

まるで進歩してない。

 

また、視覚効果賞を受賞するだけあってとんでもない工夫が凝らされており

CGやワイヤーがない時代にこれほどまでもの作品を作り出しているのは

驚異的と言わざるを得ない。

 

ここで紹介されている撮影方法以外にも宇宙の透明感を出すために

馬鹿みたいに長時間露光させたりと工夫の連続だった。

 

 

●2010年宇宙の旅

 

2001年宇宙の旅から9年後の話。

ディスカバリー号の乗組員やHAL9000になにがあったのかを調べるため

ソ連のレオーノフ号にモノリスの発見者であるフロイド博士や

HAL9000の設計者らが乗り込み多国籍感のあるメンバーで向かうことになる。

 

こちらは小説版の2001年宇宙の旅から映画版に準拠した設定に変更されており

先ほど述べた小説版2001年宇宙の旅では目的地が土星だったのが

映画版と同じく木星が舞台に変更されていたりする。

 

また、上記でチラっと述べた通りロシアがまだソ連だったりと

時代を感じる表現になっている。

 

こちらも映像化されている。

が、こちらは2001年ほど難解ではなく作中でわかりやすく説明してくれるので

映画版を見たのであれば小説版を読むほどではないかなといった感じ。

 

●2061年宇宙の旅

 

2010年のラストでモノリスから「木星のエウロパには近づくな」

と警告の通信が入りそれから人類は近づかなかったが

主人公等が乗り合わせた宇宙船がハイジャックされエウロパに侵入してしまう。

 

これだけ映像化の話など一切ない。

 

●3001年終局への旅

 

2001年宇宙の旅でHAL9000の罠にハメられ殺された

ディスカバリー号の乗組員であったフランク・プールが主役となる。

宇宙に放り出されたフランクはいわゆる冷凍状態になったので

これを3001年の未来人が発見し蘇生する。

 

モノリスとは何なのか、それを作ったものは何者なのかがはっきりわかるが

分かってしまったがゆえにこのシリーズの持つ神秘性が損なわれてしまった

という感覚で個人的に読んで良かったのか読まないほうが良かったのか

未だにわからない作品となっている。

 

10年前にリドリー・スコット監督がこれを映像化するとか言われたが

結局されないまま2024年になってしまった。

 

 

以上、宇宙の旅シリーズでした。

2024年になってもこの作品の話題を出すとは思わなかった。

それだけこの作品は後の時代でも語り継がれるほど神秘性を秘めた作品となっている。

 

このレビューブログを見てくれている人はわかりると思いますが

自分はSFが大好きで、数多くの作品を見たし読んできたが

この作品だけは別格だと思っています。

 

確かに、娯楽作品として見れば恐ろしく退屈ですが

SFとしてみればこれほどまで壮大な作品は他に類を見ないし

それでいて小説なのでサクッと読める文量であるのが嬉しい。