私はスカパー!チャンネルで衛星放送を嗜んでおりますが、普段見ている有料CS放送は二つ。
タカラヅカ・スカイ・ステージと日本映画専門チャンネルです。
ま・・・スカステの方はこれがなければCS放送など見る機会はなかった訳ですから別として・・・
日本映画専門チャンネルは大林宣彦監督の「HOUSE」が見たくて加入。
その翌月には私が見たかった土曜ワイド劇場「幽霊列車」もやってくれたので、
このまま加入し続けることを決意。
日本映画自体だったら東映チャンネルの方が面白そうなのですが、
日本映画チャンネルはとてつもなくレアな映画も放送していて、これはこれでなかなかGoodest
内藤洋子さん主演の「華麗なる闘い」や丹波先生の「人間革命」も面白くて繰り返し見ております。
今回は・・・「学園祭の夜 甘い体験」、1970年(昭和四十五年)の東宝映画。
監督は堀川弘通、主演は鳥居恵子。
堀川監督は黒澤明監督に師事していたんですが・・・
この映画はおろか、堀川監督も鳥居恵子さんも私は初めてお名前を知りました
あらすじ
高校生活最大のイベントの熱狂と、その後の思わぬ余波を描く青春映画。誠実な映画で知られる堀川弘通監督が、学園祭を機に新たな世界を知る女子高生の葛藤を丹念に見つめる良作。高校最後の学園祭で実行委員長を務めることのなった優等生牧子(鳥居恵子)が、遊び人風だが優しさを秘める水野(立花直樹)と親しくなり、本番当日夜に慣れない酒に酔った勢いで彼と肉体関係をもってしまうが、その日を境に二人の心にズレが生じ、やがて妊娠が発覚する。
ふ~ん・・・題名は昭和時代の洋モノ成人映画っぽいんだけど
でも学生の女の子が妊娠してしまい、様々な騒動が生じるってのは学園モノの一種の定番であります。
「三年B組金八先生」もそんな話がありましたよね
音楽は山本直純先生か
主題歌は本田路津子さん。
懐かしいなぁ
私の伯父が大学時代に我が家に下宿しておりましたが、その伯父がファンで家にレコードがありました。
フォークソングですね
タイトルロールの出演者に竹邑類先生のお名前があってビックリ仰天
役者もやってたんですね。
竹邑さんのお名前を見たことからこの映画を弊ブログに書き込もうと思い立ったわけです。
先生は東宝ミュージカルや宝塚歌劇でも振付担当として御活躍されていました。
樹里咲穂さん主演版の花組『アーネスト・イン・ラブ』での演出振りを見て私は強く印象に残りました。
宝塚歌劇の男性演出家って一種独特と言いますか、ナヨナヨしている方が多いじゃないですか
植田紳爾先生初め、何だか普通の男性とは違う
その中でも画面で見る竹邑先生のタダ者じゃない感は鮮明に覚えてますからね。
まぁ宝塚歌劇って出演者の多くは女性だし、男性演出家も自然にそうなるのかも知れませんが
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鳥居恵子さん演じるマキ(牧子)が学園祭実行委員長になることから話が始まります。
鳥居さん、セリフ回しが素人っぽくてたどたどしい
舞台は都立高校って設定だわな、多分。
当時の名門都立高校の多くは「制服」はなく私服でもOKでした。
但し、学生服風の「標準服」ってのもあってそれを着る学生も多かった。
マキが続する放送部の部室。
この映画は学園モノですが、教師は全く登場しません。
部活も学園祭も高校生の自主管理に任せるってのは当時の都立高校の気風でしょうか
この右側のひげズラは「ウルトラマン何とか」の隊員役で見たことあるな・・・
この映画の見どころは1970年当時の東京の風景や人物のファッション・気風ですねぇ
ここは渋谷駅西口にロケしたな。
後ろに見えるかまぼこ形屋根は東急東横線渋谷駅だ
ハチ公・・・じゃなくてモアイ像がある方の渋谷駅西口。
三井信託銀行の位置には現在でも三井住友信託銀行がありますよね(多分)
渋谷の怪しげなスナックのマスターとして竹邑類先生登場
女性言葉を喋る怪しげな人
横浜でベトナム帰りの黒人兵から貰ったレコードでゴーゴーを踊る図
凄いなぁ
で学園祭ですか・・・榊高校っていう設定のようですね。
第50回ですから第1回目は1920年(以前)ってなことになります。
大正期にはあった名門高校ですな。
フォークソングは当時も流行していた・・・んですよね
長髪男性も最近では見かけないからなぁ
ストームで踊る高校生諸君。
旧制中学時代からの伝統・・・でしょうか
ウイスキーをラッパ飲みしたり
(サントリーレッドだわな)
男と寝たり、タバコ吸ったりと・・・結構ヒロインがやりたい放題やってるんだよなぁ
当時、鳥居さんは18~19歳のハズで、現在ではこのような演出は無理でしょうね。
高校生による反戦デモ。
1970年当時の東京では日常風景だったんでしょうな。
デモを統率するには「技術」がいるんですが、
その「伝統」は残されているのかな
機動隊と衝突して逮捕(じゃなくて未成年だから補導か)保釈されるヒロイン。
さすがに高校生が検挙されても留置場で2~3泊するそうで、回りは大騒ぎになるそうですがね。
んで・・・次がマリファナパーティーの場面
この映画がTV放送されないのはこの場面があるから・・・という噂あり。
でもCS放送だとカットなしですね
トリップして「不思議な踊り」を踊る竹邑先生
さすがに当時でも高校生にドラッグは拙いと考えたのか・・・ヒロインは吸引せずに逃げ出す設定でした。
この高層ビルはなんだろうかと頭を捻りました。
1970年当時の日本に高層ビルはないはずなのに・・・
が、よくよく見ると建設中らしいのでピンと来ました。
日本の高層ビルの元祖となった西新宿の京王プラザホテルだわな(1971年竣工)
大学受験は諦め堕胎せずに子供を産むことを決心するヒロイン。
でも子供の父親(水野君)は少々クズ野郎
ラストは岸辺を歩きながら語り合う二人。
高校生だと・・・やっぱり女子の方が精神年齢が高いんだしょうねぇ
この映画、オチがありません。
何が言いたいのかどうなるのか分んない・・・
当時の高校生の風俗を描きたかったのかなぁ
まぁ当時の東京の風景や、幼き私が見た(お兄さんやお姉さんの)高校生の姿が何となく思い出して、
それはそれで十分に楽しむことができましたが・・・